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» 2006年06月30日 08時00分 UPDATE

元麻布春男のWatchTower「Windows Vista編」:第3回 内蔵グラフィックスでWindows Aeroは動くのか!? (1/2)

PCウオッチャーの元麻布春男氏が、さまざまな切り口で最新PC事情を分析する本連載。今回は統合チップセットのグラフィックスで“Windows Aero”を動かしてみた。

[元麻布春男,ITmedia]

Windows Aeroには512Mバイトのグラフィックスメモリが必要?

 前回試したNVIDIAのグラフィックスカードでは、グラフィックスメモリが256MバイトのカードではWindows Aeroの動作はかなり不安を感じるものだった。しかし、512Mバイトのグラフィックスメモリを搭載したカードといえば、ほとんどハイエンドに限定されてしまう。

 もしWindows Aeroが、ハイエンド向けのWindows Vistaのみでサポートされる「特別」な機能ならそれでよいかもしれない。だが、どうやらMicrosoftは、Windows Aeroを搭載したWindows Home PremiumやWindows Businessを新規プリインストールの中心としたようだ。名前こそ「プレミアム」になっているものの、Home PremiumやBusinessを事実上のスタンダードにしたい、と考えている。ならば、512Mバイト実装のグラフィックスカードでしかWindows Aeroが動かない、なんてことはないはずだ。というわけで、ほかのグラフィックスハードウェアでもテストしてみた。

ATI Technologies製のグラフィックスカードの場合は?

Windows Vista β2をテストした環境(ATI編)
マザーボード Intel D975XBX
CPU Pentium Extreme Edition 3.46GHz
メモリ 2Gバイト(DDR2-667)
解像度 1600×1200ドット(32ビット)
HDD(Vista) Maxtor MaxLine III SATA 250Gバイト
HDD(XP) HGST HDS722580VLSA80 SATA 80Gバイト

 NVIDIA以外のグラフィックスカードとなると、真っ先に思い浮かぶのはライバイルであるATI Technologies(以下、ATI)製の製品だろう。とりあえず手元にあったカードということで、右記のシステムにRADEON X800 XTとRADEON X1300 Proの2種類をインストールしてテストしてみた。いずれもグラフィックスメモリを256Mバイト搭載するモデルだ。その基本的な性能は以下の通り。X800 XTは少し前のハイエンド、X1300 Proはスタンドアロンのカードとしてはローエンドよりちょっと上、くらいの位置付けである。2枚のカードを個別に前述のシステムに装着し、それぞれWindows Vista β2をインストールした。

ht_0606vista0302.jpght_0606vista0303.jpg Windows XP上で行なったPCMark05と、Vista β2に付属するパフォーマンス評価ツールのWinSAT.exeをWindows XPで動作させた結果。もちろん、X800 XTがリードする
ht_0606vista0304.jpght_0606vista0305.jpg こちらはWindows XP上で行なった3DMark06(NoAA)の結果。2種類の画面解像度でテストしたが、X800 XTのHDR/SM 3.0は計測できなかった

 まずRADEON X800 XTだが、Windows Vista β2は、Windows Aeroが有効になった状態で何の問題もなく起動した。しばらく使ってみたが、NVIDIA GeForce 6800 GT(グラフィックスメモリ256Mバイト)の時のような顕著な性能低下は見られない。Vista備え付けのパフォーマンス評価ツールを見ても、全般に良好な数字となっている。

ht_0606vista0301.jpg RADEON X800 XTを搭載したシステムに対するパフォーマンス評価の結果。HDDの空き容量の関係で総合評価は3止まりだが、グラフィックスの評価は悪くない

 では、というわけでグラフィックスカードをRADEON X1300 Proに差し替えて、Vista β2のインストールを行う。インストールは問題なく行われたようだが、パスワード認証を経てデスクトップを表示しようとすると(おそらくデスクトップコンポジションの開始)、問題が生じた。画面の描画が正常に行われず、メニューもダイアログも何も表示されないのである。画面の表示を読み取れないため、何が起こっているのが正確には把握していないのだが、どうもグラフィックスチップの識別に失敗し、有効ではないディスプレイドライバが組み込まれた模様である。

 前回使ったグラフィックスカードでも、NVIDIA GeForce 7600 GSはVista β2内蔵のドライバが対応していなかったが、未知のカードと判断されVGAモードで動作した。RADEON X1300 Proの場合、ほかのカードと取り違えられてしまったことで、かえって悪い結果になってしまったようだ。ただ、この問題がRADEON X1300全般(あるいはRADEON X1000シリーズ全般)に該当するものなのか、たまたま筆者が用いたカードの問題なのかは、残念ながら分からない。

 とはいえ、RADEON X800 XTで問題なくWindows Aeroが動作したことから考えて、グラフィックスメモリの容量は256Mバイトでも大丈夫そうだ。言い換えれば、256Mバイトでは動作が厳しいNVIDIAのVista用ドライバはまだ改善の余地があると考えられるわけだが、そのためのβテストでもある。次のリリース時には改善されていることを期待したい。

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