10.4インチの液晶ディスプレイは、外光の強い環境でも比較的視認性を保ちやすいノングレアタイプを採用する。発色の鮮やかさより実用性を優先させた点が、いかにも玄人好みの本機らしい。解像度は1024×768ドットにとどまるが、無理な高解像度化によるピッチの縮小は視認性の低下にも繋がることから、決して悪い選択ではないと思える。
インタフェースの構成や配置も従来機と変わらず、どの端子にも容易に手が届くため使い勝手はよい。ただしPCカードスロットに通信用カードなどを挿入すると、その下にあるSDメモリカードスロットにアクセスしづらくなるのはこれまでと同様だ。また、IEEE1394端子も非搭載だが、モバイルユースに特化した製品であることを考慮すれば納得できる。なお、100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LANとFAXモデム端子はゴム製のカバーで保護されている。防じん面では効果的だが、使い勝手は今ひとつなのが残念なところだ。
ハードウェアの特徴だけを見ればビジネスユーザー向けの製品とも思える本機だが、同社の直販サイト「マイレッツ倶楽部」だけで購入可能な限定モデルには11色の天板のカラー(同社サイトを参照)が用意され(プラス5250円/標準のシルバーフェザーは無料)、選び方によっては個人用ノートらしくカジュアルな印象を持たせることができる。
BTO可能な項目は、メモリが標準の512Mバイトか最大1Gバイト、HDDは60Gバイトか120Gバイト、キートップのプリントからかな文字を外した「ローマ字すっきりキーボード」を選べる(プラス3150円)。また、ソフトウェアにオフィススイートのOffice Personal Edition 2003/同Professional Edition 2003を追加できる点は、本機をビジネスシーンで活用したいユーザーにとって見逃せないところだろう。
なお、マイレッツ倶楽部で購入すれば標準の保証期間が3年間と長くなるほか、火災や台風などによる破損もカバーしてくれる3年間特別保証を有償(プラス1万500円/7月24日14時まで販売を停止中)で追加できる。選択肢こそ多くはないが、どれも店頭モデルでは実現不可能なものばかりなので、保証期間やスペックにこだわりたいならば、マイレッツ倶楽部での購入がおすすめだ。7月31日13時までの期間限定ながら、メモリの増設が1万5000円(HDD120Gバイト選択時のみ)で行えるといったキャンペーンも複数展開されている。
防滴機構などの目新しいトピックはなく、細かいところで不満を覚える本機だが、実直に性能を強化しつつ、バッテリー駆動時間を延ばしている点は評価したい。何より約1キロの軽量ボディで約11時間と長時間使えるノートPCはほかに見あたらない。好き嫌いがはっきりと分かれるモデルではあるが、この唯一無二な存在感は何物にも代え難い魅力だ。
BTO内容と項目 | |
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メモリ | 512Mバイト |
HDD | 60Gバイト(2.5インチ) |
キーボード | ローマ字すっきりキーボード |
オフィスソフト | なし |
天板カラー | タンジェリンオレンジ |
そのほか | 3年間特別保証 |
ネームプレート | 筆記体/ヘアーライン |
価格 | 22万1850円 |
価格は2006年7月13日現在 |
今回は自宅にメインマシンとなるPCがあることを前提に、スペックはあえて控えめな構成を選び、オフィススイートも省いて価格を最優先にBTOを行なった。
逆に、出先で人の目に触れることを考えれば、天板には目立つカラーに変更したいところだ。完全に好みに依存する部分だが、筆者は一年を通して違和感なく使えるタンジェリンオレンジを選択した。
キーボードにはかな文字を省いた「ローマ字すっきりキーボード」を選んだが、これは電車の中などで「普通のノートPCとはちょっと違うな」という印象を周囲に持たせるため。さらに、底面のネームプレートには筆記体を選んでみた。ネームプレートの仕上げはヘアーラインとした。
BTO内容と項目 | |
---|---|
メモリ | 1024Mバイト |
HDD | 120Gバイト(2.5インチ) |
キーボード | 標準 |
オフィスソフト | なし |
天板カラー | ワインレッド |
そのほか | 3年間特別保証 |
ネームプレート | ミラー |
価格 | 24万9450円(キャンペーン適用ずみ) |
価格は2006年7月13日現在 |
現状で、できる限り小型かつ軽量で長時間駆動するノートPCを選ぶとなると、やはりCF-R5は外せない。標準構成で20万円を超えてしまう(マイレッツ倶楽部の場合)価格や、慣れを必要とするキーボード、最厚部で40ミリを超えてしまうボディなど不満を覚える部分がないわけではないが、やはりこれだけコンパクトでありながら、バッテリーの心配がいらないというアドバンテージは大きな魅力だ。
今回はBTOで最高仕様を選んだため25万円近い出費となってしまったが、サブノートPCらしからぬスペックに仕上がった。ただ、これだけの金額を出すのであれば、天板カラーだけでなくボディ全体のカラーリングを選ばせて欲しいし、キートップの印字が変わるだけではなく、スペースバーの長い英語キーボードを選択肢に加えて欲しいと思った。
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