10万円以下とは思えぬ機能とクオリティの20.1インチ液晶ディスプレイ──FlexScan S2000(2/2 ページ)

» 2006年07月21日 18時00分 公開
[林利明(リアクション),PR/ITmedia]
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ローテーション可能なスタンドや豊富なOSD調整項目など機能も充実

 スタンドはS2100と同じ「ハイトアジャスタブルスタンド」を採用する。高さ調節(82mm)、チルト(下0度/上40度)、スイーベル(左右35度)のほか、画面を縦回転させるローテーションが可能だ。表示画面の縦回転はOSやディスプレイドライバ、外部ツールの機能を利用する。S2100と同様に、高さ調節で画面を一番下まで下げても、ベゼル下部と机上の距離は約99mmだ。画面の位置は少し高めだが、S2100より画面サイズが小さいことが幸いして、「画面が高い」という感覚は緩和される。

スタンドを一番下まで下げたところ。ハイトアジャスタブルスタンドはローテーション機構のため腰高にならざるを得ないが、S2100ほどは「画面が高い」という印象はない
縦位置で撮った写真を表示した例。横画面()だと切れてしまうひまわり畑の遠景も、縦画面()だと表示できる。写真を加工・修正する際にも重宝するだろう
写真素材提供:LinkStyle

 本体まわりの機能では、S2100が備えていた2ポートのUSBハブと、輝度を自動調整する「BrightRegulator」が省略されている。PCとのUSB接続は可能で、Windows用のディスプレイコントロールユーティリティ「ScreenManagerPro for LCD」にも対応している。

PC入力インタフェースはDVI-I(デジタル/アナログ)×1とD-Sub15ピン(アナログ)×1。USBポートは「ScreenManagerPro for LCD」による液晶ディスプレイコントロール用で、ハブ機能は装備していない

 プリセット画面モードの「FineContrast」は、「Text」、「Picture」、「Movie」、「Custom」、「sRGB」の5種類で、前面の左/右ボタンで直接切り替えられるほか、ScreenManagerPro for LCDからでも変更できる。ScreenManagerPro for LCDを使う場合は、アプリケーションに合わせてFineContrastモードを自動変更する「Auto FineContrast」も利用可能だ。

S2000の前面ボタン。ボタンは一般的なプッシュ式で、左から順に、入力切り替え、自動調整(アナログ入力のみ)、決定、上/下/左/右、電源となっている。S2100が装備しているFineContrastモード変更ボタンは省かれているが、左/右ボタンでFineContrastモードを切り替えられる。輝度も上/下ボタンでダイレクトに調整可能。青色LEDの電源ランプもOSDで点灯/消灯を切り替えられる

 OSDの画質調整項目は、輝度、色温度(4000K〜10000Kまで500K単位、9300K)、ガンマ調整、色の濃さ、色合い、RGB各色のゲインに加えて、RGB/CMYの6色独立調整も備える。S2100は6色独立調整を持たず、また、内部10ビットガンマ補正の演算精度が10ビットになっているなど、どちらかといえばS2000の方が機能的には高画質指向と言える。すべての調整項目を変更できるのはFineContrastモードの「Custom」で、これはS2100と同じだ。

 FineContrastモードと調整項目の設定は、DVI-I(デジタル/アナログ接続)とD-Sub15ピン(アナログ)とで別々に記憶してくれる。さらに、UXGA以下の解像度を表示する場合は、フルスクリーン拡大、アスペクト比を保持した拡大、実ドット(ドットバイドット)の3通りから選べる。以上の2点は、液晶ディスプレイの使い勝手を大きく左右する機能だ。

画面の拡大表示方法は、「フルスクリーン」(フルスクリーン拡大)、「拡大」(アスペクト比を保持した拡大)、「ノーマル」(実ドット)の3種類が選べる

実売“10万円未満”が大きなポイント

 S2000のおもなターゲットであるビジネス用途を考えた場合、実売で10万円未満という価格は大きなポイントではないだろうか。10万円未満の機器を導入した場合、固定資産税の対象とならない消耗品や備品の扱いにできるからだ。経理上の処理を含めていろいろと条件はあるが、まとまった台数を導入するオフィスほど節税効果が高くなる。

 機能と性能を考えても、コストパフォーマンスは抜群だ。S2100のレビューでも述べたが、純粋なビジネス向けにはオーバースペックと思えるほど高機能・高性能である。もちろん、高解像度で高画質、多彩なFineContrastモードと画質調整、縦回転のスタンド機能などは、快適な仕事環境を下支えしてくれる要素だ。

 個人で購入するにも魅力は大きい。静止画と動画の表示品質が高いほか、UXGA以下の解像度を実ドット表示できたり、FineContrastモードや画質調整の設定を入力系統ごとに記憶してくれる点を選択のポイントに挙げておきたい。

 最大のネックは予算だと思うが、アスペクト比が4:3のUXGAモデルとしては、間違いなくトップレベルの仕上がりだ。

 なお、同価格帯にはアスペクト比16:10のワイドフォーマットに対応した21.1インチワイドWideSXGA+(1680×1050ドット)液晶ディスプレイ「FlexScan S2110W-R」もある。用途・目的に応じて選びたい。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日