基本スペックを見ていくと輝度は500カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1、視野角は上下/左右とも178度と広い。応答速度は黒白間が16msで、BenQのAMA(Advanced Motion Accelerator)テクノロジによって、Gray to Grayの中間階調は6msに高速化されている。どのスペックも、現在の液晶ディスプレイとしてはトップクラスの内容だ。AMAに加えて、同社製品ではおなじみの画像補正技術「Senseye」(センスアイ)も搭載している。AMAとSenseyeの詳細については、こちらの記事を参照してほしい。
機能面も充実している。HDMI端子の搭載やDVI-D端子のHDCP対応はもちろんだが、豊富な入力端子を活かすPIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)機能が重宝する。PC画面(親画面)の一部に外部ビデオ入力の映像を小さく映したり(子画面)、その逆も可能だ。子画面の表示位置とサイズは、OSDで柔軟に調整できる。ただ、親子画面の両方がデジタル入力のPIPは不可能だ。たとえば、親画面がDVI-D入力のPC、子画面がHDMI入力のHDD/DVDレコーダーといった組み合わせだと、両方がデジタル入力となるためPIPは機能しない。PIPが可能な組み合わせは、アナログ入力同士か、デジタル入力とアナログ入力のどちらか一方となる。とはいえ、FP241Wは大画面かつ高解像度なので、子画面を映しても親画面の邪魔にならず、PIP本来の便利さを実感させてくれる。
なお本体内蔵のUSBハブは、天面に1ポート、正面に向かって左側面に2ポート用意される。天面ポートはWebカメラの接続を想定しており、ビデオチャットやネットミーティング用に最適な位置にWebカメラを取り付けられる。なかなか気の利いた仕掛けだ。
何より強調したいのは、同社直販のBenQ Directで9万9800円という“衝撃的な価格”だ。24インチワイドというパネルサイズの大きさはもとより、これまで述べてきた多彩な機能と豊富な入力端子を備えながら、10万円を切るアグレッシブな価格設定には目を奪われる。
HDMI端子をはじめとするAV入力に目がいきがちだが、FP241Wの魅力はトータルでの高い完成度と汎用性、そして優れたコストパフォーマンスにある。ホームユースや個人ユースにおいては、多彩なAV入力とフルHDを完全に表示できる広い画面解像度に、大きな魅力を感じるだろう。AV環境とPC環境を1台のモニタでまかなえる省スペース性もありがたい。ビジネスユースでは、1920×1200ドットの広い画面がすぐさま威力を発揮するはずだ。
FP241Wには、ワイド液晶ディスプレイに注力するBenQの意気込みをリアルに感じさせてくれる。今後はライバルメーカーからも同種の製品が増えてくると思われるが、それに先鞭を付けた存在であるのは間違いない。
FP241Wの主なスペック | |
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パネルサイズ | 24インチワイド |
表示エリア(H×V) | 518.4×324ミリ |
画面解像度 | 1920×1200ドット |
最大発色数 | 約1677万色 |
画素ピッチ | 0.258×0.258ミリ |
水平周波数 | 30〜81kHz |
垂直周波数 | 50〜76Hz |
視野角 | 上下/左右とも178度 |
輝度 | 500カンデラ/平方メートル |
コントラスト比 | 1000:1 |
応答速度 | 16ms/6ms(Gray to Gray) |
PC入力端子 | DVI-D(HDCP対応)、D-Sub 15ピン |
映像入力端子 | HDMI、コンポーネント、S-Video、コンポジット |
USB | USB 2.0×2(左側面)/USB 1.1×1(天面) |
音声入力端子 | − |
ヘッドフォン端子 | − |
チルト角度 | 前5度/後20度 |
スイベル角度 | 左45度/右45度 |
ピポット対応 | ○ |
VESAアームマウント規格 | 100×100ミリ |
電源 | 本体内蔵 |
消費電力 | 最大95ワット/待機時1ワット |
本体サイズ | 567(幅)×248(奥行き)×474.2〜651(高さ)ミリ |
重量 | 約10.6キロ |
主な付属品 | アナログRGBケーブル×1、DVIケーブル×1、電源ケーブル、ピボットソフトウェア、マニュアルCD-ROMなど |
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年10月31日