動画入りHDDが山積みの人に――DIGITAL COWBOY「DC-MC50U2」メディアプレイヤーキット検証 その1(1/4 ページ)

» 2006年08月03日 09時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

5インチベイを搭載したメディアプレイヤーキット

 DIGITAL COWBOYからメディアプレイヤーの新モデル「MOVIE COWBOY DC-MC50U2」(以下、DC-MC50U2)が登場した。同社初の5インチベイ採用モデルで、HDD以外に光学ドライブも搭載可能。さらにWindows Media Video 9とハイビジョン再生に対応した見どころの多い製品だ。

 DC-MC50U2は、HDDや光学ドライブなどのベアドライブをユーザー自身が本体に組み込んで、ドライブ内に保存したマルチメディアファイルをPCレスで再生する製品だ。PCとUSBケーブルで接続することによりUSB 2.0接続のマスストレージクラスとして認識され、内蔵したドライブがHDDであれば自由にPCからアクセスできるし、レコーダブルDVDドライブであれば光メディアの読み書きが行なえる。

 再生機能の核となるデコードチップにはSIGMA DESIGNS「EM8621L」を採用し、発表時点で同社初のWindows Media Video 9対応、高解像度なハイビジョンクオリティのWMV HDの再生も行える。もちろん従来通りMPEG-1/2、MPEG-4(DivX、XviD)、DVDビデオのISOイメージファイルや構成ファイルのビデオ再生にも対応。音楽ファイルもMP3/WMA/OGG/WAVに加えAACを、静止画ではJPEGに加えてPNG/BMPをサポートするなど、従来製品に比較して再生フォーマットが大きく拡張された。なお初期ファームではiTunesでエンコードしたAACファイル(拡張子m4a)が認識できなかったが、7月14日に公開されたファームウェア6.7.6では認識することが可能になった。

 HDDを内蔵する場合、ファイルシステムはNTFSに対応(FATにも対応するが動作保証外)し、複数パーティションに分けることもできる。拡張パーティションには対応していないが、ほとんどの場合Windowsで利用しているHDDをそのまま内蔵して保存ずみのファイルにアクセス可能だ。筆者が確認した範囲では400GバイトのHDDまで問題なく認識できた。光学ドライブ内蔵時には一般的なUDF/ISOフォーマットで書込んだメディアをマウントし、DVDビデオフォーマットもファイルレベルで認識することが可能だ。

 デザインも非常に特徴的だ。ファンレス構造で高い放熱性を確保するため、メインシャシーに2ミリ厚のアルミを採用し、シャーシを介して自然放熱を行う。スタンド部にも同様にアルミを用いている。本体のカラーリングは黒を基調としたもの。5インチベイにカバーがついているため、白系の光学ドライブを搭載しても外観のデザインを壊さないようになっている。また、このフロントカバーは光学ドライブを内蔵した場合、トレイの出し入れに連動して自動で開閉する。

 AV出力も豊富だ。映像はコンポジット/S-Video/コンポーネント/DVI端子を装備し、コンポーネントとDVIでは最大1920×1080ドット(1080i、DVIのみ1080p)のフルHD表示に対応。DVI出力は変換ケーブルを用いることでHDMI接続もサポートしており、実際問題なくHDMI入力を持つ液晶TVで1080pまで表示できた。なお、映像出力はリモコン操作でも切り替えられる。

 音声はアナログ2チャンネルと5.1チャンネル、さらに光デジタル出力が準備される。5.1チャンネルは、今時のPCと同様に3基のステレオミニジャックで構成されており、PC向けに販売されている安価な5.1チャンネルスピーカーを接続しやすい。もっとも、本機は光学ドライブを内蔵した場合でも市販のDVDビデオは再生不可としており、5.1チャンネルのコンテンツはほとんどないに等しい。現時点ではそれほど大きな意味を持つ機能ではないだろう。

本体前面(写真=左)と背面(写真=中央)。デコードチップにはHD対応の「EM8621L」が採用されている

リムーバブルケースや光学ドライブにも余裕で対応する5インチベイ

 本製品の特徴の1つである5インチベイだが、気になるのは奥行きだ。付属のマウンタを用いて3.5インチHDDを内蔵する場合には問題ないが、リムーバブルケースを組み込んだり、余っている旧式の光学ドライブを流用する場合は、奥行きが制限となって入らない可能性がある。最近の光学ドライブはキューブPCなどの普及もあって奥行きが160〜170ミリ程度までコンパクト化しているし、リムーバブルケースも奥行きの短いショートサイズの製品が主流となっている。わざわざ別途購入するという人は多くないだろう。

 そこでリムーバブルケースでは平均的なサイズと思われるNExtWaveブランド「RC001 SET」を、光学ドライブは奥行きが約200ミリのDVDスーパーマルチドライブであるパナソニック「LF-D521JD」を組み込んでみることにした。いずれも筆者の家にあったものだ。

 結果としてはどちらも問題なく組み込めた。RC001 SETはかなりぎりぎりだったが、LF-D521JDのほうは比較的余裕があった。筆者の手持ちの古いDVDドライブでは奥行きが210ミリを超える製品もあったが、こちらもぎりぎり入りそうだ。光学ドライブを内蔵できるのは本製品の特徴ともなっているので、ショートタイプのドライブでなくても組み込めるよう配慮して奥行きを確保しているのだろう。

DVDマルチドライブであるLD-D521JDを組み込んだところ。トレイカバーが少し出っ張るタイプだが、ベイカバーとの間には十分空間が確保されるので問題はない。奥行き約20センチと最近の光学ドライブと比較すると奥行きが長いが、背面側のケーブル接続などもまだ余裕がある
こちらはリムーバブルカートリッジを組み込んだところだ。カートリッジの出し入れも問題なく行なえた。ただし、背面側のケーブル接続はぎりぎりの状態。このリムーバブルカートリッジの奥行きは約22.5センチなので、奥行きがこれ以下の製品であれば大丈夫ということになりそうだ。
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