性能も画面もワイドに強化――NEC「LaVie G タイプL アドバンスト」ダイレクトPC最前線(2/2 ページ)

» 2006年08月29日 11時00分 公開
[南里純一&ダイレクトPC取材班,ITmedia]
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充実のインタフェースを備え、気の利いた小ワザも

左側面手前にあるUSBポートはPCの電源オフ時でも対応機器を充電できるパワーオフUSB充電機能をサポートする(記事初出時は「iPodなどに充電できる」とありましたが、10月23日にNECから訂正の発表を受けて正確な表記に改めました)

 光学ドライブや前面にあるステレオスピーカの大まかなレイアウトは従来機を引き継ぐものの、システムの一新にあわせてインタフェースは配置や構成が大きく変わっている。パラレルポートは廃止され、新たにExpressカード/34と角形の光デジタル音声出力端子が加わったほか、左側面にあるUSB 2.0ポートがPCの電源が切れた状態でも電流が流れるパワーオフUSB充電機能をサポートするのが目を引く。これは、USBバスパワーで充電する携帯音楽プレーヤーなどの機器をPCの電源を入れずに充電できるのが面白い(ただし、PCにACアダプタを接続する必要があるほか、iPodを充電するためには無償で提供される充電専用コネクタを使う必要がある)。

 19ミリのキーピッチを確保したキーボードは、従来機と比べてキーのバタつきが抑えられ、クセのないオーソドックスなキー配列にまとめられていることもあり、タイピングは軽快に行える。また、液晶ディスプレイのワイド化に合わせ、タッチパッドもワイドタイプに改められた。ただし、左右のクリックボタンや円形の上下スクロールボタンは押し心地が固めなので、なじめない人は付属の光学式USBマウスに頼るのがよいだろう。

 キーボードの上部には多くの機能ボタンを用意しているが、省電力の設定をボタン1つで切り替えられるECOボタンが便利な存在だ。速度優先/バランス/省エネの各モードに簡単に変更でき、ボタン部のLEDの色で現在どのモードなのかを判別可能だ。液晶一体型デスクトップPCでよく見られるインジケータ類を消灯するディマー機能も搭載しており、DVD-Videoの鑑賞時に便利に使える。また、自動車のメーターパネルをイメージしたというアクセスランプ類は、液晶ディスプレイのヒンジ部に斜めに取り付けられており、明るい室内でも視認性は良好だ。

キーピッチ19ミリ、キーストローク3ミリのキーボードは不規則な配列もなく扱いやすい(写真=左)。新装備のECOボタンやLED消灯ボタン(ディマーボタン)は電源ボタンの左にある(写真=中央)。ECOボタンを押すと選択画面が表示され、3通りの動作モードにワンタッチで切り替えられる(画面=右)

側面から見ると曲面を多用したデザインであるのがよく分かる。デザインを優先した結果、ボディの厚みは最大で55ミリもあり、同クラスのノートPCでは大柄な部類に入る。一方でインタフェースは充実しており、使い勝手も悪くない。前面にあるステレオスピーカの出力が従来の1.5+1.5ワットから2+2ワットに向上した

直販ならではの魅力を存分に生かしたい1台

BTOでは右パームレストにFeliCaポートを内蔵可能だ

 数多くの機能強化がなされた本機だが、NECの直販サイト「NEC Direct」では店頭モデルにはない充実した構成にすることも可能だ。

 冒頭で述べたボディカラーを筆頭に、液晶ディスプレイのサイズと解像度を選べるのも好印象だ。とくにWUXGA(1920×1200ドット)の高解像度は魅力で、パネル自体はノーマルなノングレアタイプゆえスーパーシャインビューEX2などと比べると発色・輝度ともに物足りないが、15.4インチで広大なデスクトップ画面が手に入れられるのは貴重だ。

 また、FeliCaポートを内蔵できたり、TV機能の実装方法を2通りから選べるのも特筆できる。TVチューナやエンコーダを内蔵する場合と、IEEE802.11a準拠(W52)の無線LANルータ機能を備えたTVチューナーユニット「AirTV」を追加する場合がある。いずれも地上デジタル放送は受信できず地上アナログ放送に限られるが、3次元Y/C分離回路やゴースト軽減機能といった画質改善機能を装備し、気軽にTV番組を視聴/録画可能だ。中でも後者のAirTVは、TVアンテナのケーブルにわずらわされることなくTV番組を楽しめるのがポイントで、本体購入後にあとから手に入れることができない(単体販売されていない)ため、本機でTV番組の受信を考えているのならAirTVの導入をおすすめしたい。なお、細かいところでは、TV機能を内蔵するとOSが自動的にWindows Media Center Edition 2005になるのは前モデルと同様だ。

 CPUの選択肢が2つと少ないのは惜しいが、NEC DirectならではのPC2年間/3年間出張保証サービスパックやPC3年間安心保証サービスを選択すれば、天災や落下による破損もカバーしてくれる。さまざまなキャンペーンやお得に購入できるクーポンキャンペーンも展開中で、最小構成時なら11万9700円(クーポン適用時)とコストパフォーマンスも高い。見た目の奇抜さに目を奪われがちだが、その実はNECらしい手堅い作りになっている。直販ならではの魅力が多いだけに、こだわった1台に仕上げたいユーザーは要注目のモデルと言えるだろう。

Windows Vistaを見込んだ性能重視のオールインワンPCに――南里純一のオススメBTO

BTO内容と項目
CPU Core Duo T2300E(1.66GHz)
メモリ 1536Mバイト(オンボード+512Mバイト×2)
HDD 100Gバイト(100Gバイト×1)
光学ドライブ DVDスーパーマルチ
液晶ディスプレイ 15.4インチワイド(スーパーシャインビューEX2)
画面解像度 1280×800ドット
TV機能 なし
無線LAN IEEE802.11a/g/b
OS Windows XP Home Edition(SP2)
ソフトウェア ミニマムソフトウェアパック
カラー ベルベットパープル
バッテリー ニッケル水素
そのほか 内蔵FeliCaポート、PC3年間メーカー保証サービスパック
価格 18万7215円(キャンペーン適用ずみ)
価格は2006年8月30日現在

 このLaVie G タイプL アドバンスト(ワイド)は、構成次第で次期OSであるWindows Vistaの上位バージョンで提供される機能を動かすのに十分なハードウェア条件を満たす「Windows Vista Premium Ready PC」のロゴを獲得できる。そこで、Vistaへの乗り換えを前提としたメインマシンとしてパーツを選んだ。

 全体的に、欲張らない範囲でコストパフォーマンス重視のカスタマイズを行ったが、Vistaのパフォーマンスを大きく左右すると思われるメインメモリの容量は、デュアルチャネル対応の1.5Gバイトと余裕を持たせたのがこだわりだ。

 液晶ディスプレイは、1920×1200ドットの高解像度に魅力を感じつつも、実用性と光沢液晶の発色の高さを考えて1280×800ドット表示のスーパーシャインビューEX2液晶を選択。肝心のカラーリングについては、全4色の中から店頭モデルにはない鮮やかなベルベットパープルを選んだ。かなり派手な色ではあるが、それゆえ存在感が強烈な点を買った。

 BTOメニューに関しては、CPUのラインアップが2種類と少ないものの、メモリやHDD容量の選択肢は豊富で、バッテリーや延長保証の種類が細かく選択できるなど、ユーザーフレンドリーな内容なのは好印象だ。また、キャンペーンを適用することで19万円以下で購入でき、買い得感は高い。


無線TVでLaVie G タイプL アドバンストを使い倒す――ダイレクトPC取材班のオススメBTO

BTO内容と項目
CPU Core Duo T2300E(1.66GHz)
メモリ 1024Mバイト(オンボード+512Mバイト×1)
HDD 240Gバイト(120Gバイト×2)
光学ドライブ DVDスーパーマルチ
液晶ディスプレイ 15.4インチワイド(非光沢)
画面解像度 1920×1200ドット
TV機能 AirTV
無線LAN IEEE802.11a/g/b
OS Windows XP Professional(SP2)
ソフトウェア 標準ソフトウェアパック
カラー ビターブラウン
バッテリー ニッケル水素
そのほか 内蔵FeliCaポート
価格 24万3390円(キャンペーン適用ずみ)
価格は2006年8月30日現在

 新たに生まれ変わったLaVie G タイプL アドバンスト(ワイド)。店頭向けも全3モデル用意されるが、やはり仕様をカスタマイズできる直販機が面白い。中でも今回は4色の中から選べるカラーリングに注目だ。こちらのギャラリーページにあるように全4色あるが、ここでは汚れや傷が目立ちにくいビターブラウンを選んだ。

 ポイントは、NEC独自のAirTVを中心にシステムを構築したことだ。ワイヤレスでTV番組の視聴/録画/再生を楽しめるAirTVだが、これを生かすべくHDDをBTOで最大容量の120Gバイト×2=240Gバイトとし、液晶ディスプレイを1920×1200ドット表示の高解像度とした。前者は大量の録画番組を保存するため、後者は非光沢になってしまい画面の見栄えは劣るものの、仕事をしながらTV番組を見るには少しでもデスクトップ画面が広いほうが望ましいからだ。15.4インチで1920×1200ドットという環境は予想以上に精細な画面で、長時間作業する場合はむしろ光沢なしのほうがベターと言えるだろう。

 メモリはWindows Vistaの導入を考えると2Gバイトは欲しいところだが、1Gバイトに増やしてもメモリスロットが1基空いており、将来的な増設作業に対応できるので安心だ。豪華なスペックのため価格はそれなりに張ってしまったが、多彩なキャンペーンを利用して少しでもお得な買い物をしたい。


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