変換コネクタ1つでHDMI入力に対応できる普及型DLP機――BenQホームプロジェクター「W100」

BenQがホームプロジェクターの新モデルとして投入した「W100」は、ポータブルモデルの“MP”シリーズをベースにした、ローエンドDLPプロジェクターだ。直販価格8万9800円という低価格ながら、ホームシアター用途に必要な要素は妥協なく取り込んでいる。

» 2006年08月31日 09時30分 公開
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 仕事用のモバイルプロジェクターをたまに自宅へ持ち帰り、大画面で映画を楽しんでいるという人は、意外に多く存在するようだ。頻繁な利用では会社に怒られてしまうかもしれないが、「操作に慣れるため」という立派な名目(?)もあり、営業先でプレゼンテーションを行う前日や当日に(直行あるいは直帰で)持ち帰るのは、別段問題のある行動とはいえない。もちろん、個人事務所やSOHOの経営者であれば、そんな理由付けを行う必要すらないだろう。

 BenQの“MPシリーズ”(MP610/MP620/MP620p/MP720p/MP677)は、そうした需要に応えられる、いや、むしろ最適な製品といえ、高い人気を得てきた。ただ、これらはあくまでもPCとの組み合わせを主に想定したポータブルプロジェクターだ。今回紹介する「W100」は、一見するとMPシリーズの仲間なのだが、実はAV用途を中心に据えたDLP“ホームプロジェクター”となっている。

photo ポータブルプロジェクター“MP”シリーズと同様のボディへ、ホームシアター用途に最適な性能・装備を詰め込んだ、BenQのDLPプロジェクター「W100」

 すなわち、カテゴリーとしては、ハイエンドモデル「PE8720」やミッドレンジモデル「PE7700」と同じであり、搭載するDMD素子はネイティブでワイド比率(16:9)なうえ、入力端子はコンポーネント映像(Y・Pb/Cb・Pr/Cr)を標準で2系統装備(MPシリーズでもコンポーネント映像の入力は可能だが、オプションのD-Sub変換ケーブルが必要)。さらに、DVI端子はHDCP対応だ。

photo 入力は、HDCPに対応したDVI端子のほか、コンポーネント映像(Y・Pb/Cb・Pr/Cr)を標準で2系統、さらにS/コンポジットビデオ端子が装備されている

 現在、ホームプロジェクターでは、15万円前後で購入可能な「PE7700」がかなりお買い得な印象となっているが、ローエンドモデルの「W100」は10万円前後、BenQダイレクトでは8万9800円と、さらに低価格である。その分、DMD素子の画素数は854×480と、「PE7700」の1280×720と比べればやや落ちるのだが、DVDの映像(720×480)を中心に鑑賞を行うユーザーであれば、特に解像度不足とは感じないだろう。

photo 854×480のDMD素子を採用し、16:9画面に標準対応。輝度は1300ルーメン、コントラスト比は2500:1と、ホームシアター用途に適したセッティングとなっている

 本体はサイズが238×94×283ミリ、重量が2.7キロで、前述のとおり、全体のフォルムも含めてMPシリーズとほぼ同じだ。ただ、カラーはブラックではなく、光沢のあるホワイトをまとっており、いかにもホームプロジェクターにふさわしい仕上がりといえる。

photo ズームとフォーカスの調整には、MPシリーズと同様に、レンズ上部に装備されたリングを使用する

 本体性能に目を向けると、輝度は1300ルーメンと「MP720p」(2500ルーメン)や「MP610」(2000ルーメン)といったビジネス用途中心のMPシリーズに比べるとやや低めのセッティング。ただし、一方でコントラスト比は2500:1と高い(MPシリーズはすべて2000:1)。

 これは用途の違いによるもので、「W100」では明るい環境でのプレゼンテーションよりも、ホームシアター用途に重点を置いているため、このような設定に振られているわけだ。ちなみに、コストパフォーマンスに優れたホームプロジェクターとして、高い評価を受けている「PE7700」でも、輝度に関しては1100ルーメンにとどめている。

photo 本体上面に配置された操作ボタンもおなじみのもの。ただし、この「W100」にはカードリモコンではなく、大型リモコンが付属するため、本体ボタン使用時とリモコン使用時の使い勝手には大きな差がある

HDMI→DVI変換ケーブルによる、HDD/DVDレコーダーとの接続も可能

 さて、今回はデジタル放送対応のHDD/DVDレコーダーと「W100」を組み合わせて試用してみた。なぜかというと、「W100」では単にHDCP対応DVI端子を備えただけでなく、480p/720p/1080i解像度での入力も可能だからだ。つまり、HDMI→DVI変換ケーブルを利用できる可能性が高いわけである。

 実際に接続してみると、いずれの出力解像度に設定した場合でも、きちんと「480p」「720p」「1080i」として認識され、デジタル放送の映像が問題なく表示された。試しに、480iもDVIへ入れてみたが、これはなぜか1440×240として認識されるようだ。もっとも、DVI経由で480iを利用する機会は特になく、もちろん、コンポーネント映像入力やコンポジット/Sでは480iを受け取れる。

 この製品ではネイティブ解像度が854×480のため、当然ながら、720pや1080iのハイビジョン解像度をそのまま生かし切れるわけではなく、輪郭や文字の部分に粗さは感じられる。ただし、きちんとアンチエイリアシング処理されるため、単に粗く汚いわけでは決してない。

 もっとも、スケーリングなど映像処理は十分に満足の行く品質で、また、(解像度の高さとともに)ハイビジョン映像のもう1つの特徴である「奥行き、立体感」に関しても、しっかりと感じられた。純粋なハイビジョンとはいえないかもしれないが、これはこれでありという感じで、デジタル放送を気軽に大画面で楽しむための一手段には十分なりうるだろう。もちろん、DVD鑑賞においては、ソースの解像度を最大限に引き出した映像を堪能できる。

 コンポーネント映像入力と比較した場合、HDMI→DVIのほうがやはり若干明瞭ではあるものの、コンポーネントの品質も大きく落ちるわけではない。色合いに関しても、ほとんど差異は感じられなかった。これなら、DVIはPC用とし、コンポーネント映像をHDD/DVDレコーダー(あるいはDVDプレーヤー)やゲーム機で利用するといった使い方も十分実用的だろう。

 ただ、双方には1つだけ大きな違いがある。それはDVIによるデジタル接続時にはアンダースキャン、コンポーネントでの接続時にはオーバースキャンとして処理される点だ。通常の映像ソースでは、オーバースキャンに備えてセーフティエリアが設けられているため、別段問題とはならないが、どうしても気になる場合はコンポーネント接続ではなく、HDMI→DVI接続のほうを利用するといい。

自照式の大型リモコンが付属するなど、ホームプロジェクターとしての使いやすさに配慮された製品

 リモコンについても、“ホームプロジェクター”ラインらしく、大型で使いやすいタイプに置き換わっており、LIGHTボタンを押せば自照もしてくれる。電源やメニュー操作用のカーソルボタンのほか、入力ソース切替や画面比変更に関しては、「VIDEO」「S-VIDEO」「COMP1」「COMP2」「DVI-D」「DVI-A」、あるいは、「16:9」「4:3」「REAL」の各々のボタンがすべて用意されているため、ワンボタンでの選択が可能だ。

photo ワンボタンでのソース切替も可能な、使いやすい大型リモコンが標準で付属。LIGHTボタンを押せば、全ボタンが自照する

 映像モード(プリセット)は、コンポーネント、S/コンポジットビデオはもちろん、さらにDVI-Dで接続を行った場合でも、映像視聴用途と見なされるようで、選択肢は「ホームシアター」「シネマ」「ゲーム」「フォト」「ファミリー」となる。「ホームシアター」「シネマ」「ファミリー」の違いがわかりにくいかもしれないが、通常の照明を点灯した部屋では「ファミリー」、やや明るさを落とした場合は「ホームシアター」、照明を消した環境では「シネマ」を選べばいい。また、DVI-Aで接続を行った場合はPC利用と見なされ、「最大輝度」「プレゼンテーション」「フォト」「ゲーム」「ビデオ」から選択可能だ。

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 以上のように、「W100」はMPシリーズをベースにしつつ、ホームシアター用途に使えるよう、性能・装備が最適化された製品だ。854×480のDMD素子を採用したことで、DVD鑑賞を中心の用途に据えつつ、HDCP対応DVI端子の搭載により、デジタル放送や次世代DVDの表示まで、いちおうはカバーしてくれる。“普段はプレゼンテーション、たまに映像鑑賞”ではなく、“普段は映像鑑賞、たまにプレゼンテーション”というユーザーなら、MPシリーズではなく、この「W100」を選択すべきだろう。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年10月31日