ついに2006年インクジェットプリンタ戦線が始動!?――日本HPの動向を占うHP Consumer Fall Launch '06 リポート(プリンタ編)(2/3 ページ)

» 2006年09月08日 12時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

タッチセンサの搭載やDVD/CDのラベル印刷が可能になった単機能プリンタ

 ここからは全4モデルが投入されたダイレクトフォト/単機能プリンタを見ていこう。ちなみに、型番にはDirect Printerの「D」が付加される。このうち目を引くのは、液晶ディスプレイにタッチパネルを採用した最上位のD7360だ。3.4インチの液晶ディスプレイは一見したところ何の変哲もないのだが、画面に直接触れながらプリンタを操作できるのがウリである。タッチパネルの導入によりプリンタには7つのボタンしか用意されておらず、初心者でも迷わずに直感的に扱えるだろう。タッチパネルによる動作は軽快で(画像データが大きくなるとやや遅くなるようだが)、コンパクトデジカメの画像ならばストレスなく順送り/逆送りが可能だった。

 また、SPTの採用でL判なら最速12秒(新アドバンスフォト用紙利用時)と高速に印刷でき、フォトパックの利用によりランニングコストを抑えられるのも魅力である。フォトトレイとメイントレイを装備しているのもうれしいところだ。

 もう1つの注目機はエントリーのD5160だ。こちらはHP初のダイレクトDVD/CDラベル印刷をサポートしたのが特徴で、99ドルと低価格なのが光る。DVD/CDメディアに印刷する時は付属の専用トレイが必要だが、ローエンドながら1ライン表示のモノクロ液晶を搭載するほか、メモリカードスロットやPictBridge用のUSBポートを前面に備え、2LやL判用の専用トレイを採用するといった使いやすさの面でも配慮されている。なお、アジア太平洋地域ではより低価格なDeskjetシリーズが4モデル発表されたが、ここでは解説を省いた。

単機能プリンタでは最上位となるD7360(写真=左)。3.4インチのタッチパネルを備えているのが最大の特徴だ(写真=中央)。前面右側にメモリカードスロットがあり、ここにデジカメで使ったメモリカードを挿入すると、自動的に画像データが読み出される(写真=右)

DVD/CDメディアのラベル印刷をサポートしたD5160(写真=左)。メイントレイの上に、2L/L判のフォト用紙を収納できるフォトトレイが用意されており、使いやすい(写真=右)

最上位のD7360からタッチパネルを省いたD7160(写真=左)。SPT採用機では129ドルと最も低価格なモデルとなるD6160(写真=中央)。右の写真は99ドルさらに手ごろなDeskjet D4160だ。安価なモデルながら、モノクロ毎分30枚/カラー毎分23枚と比較的高速な印刷速度を持つ(インクは4色/6色交換タイプだ)

単機能プリンタのラインアップ
モデル名 D7360 D7160 D6160 D5160
インク 6色(SPT) 6色(SPT) 6色(SPT) 4色/6色交換
最高印刷速度(モノクロ/カラー) 32/31ppm 32/31ppm 32/31ppm 31/24ppm
L判最速印刷時間 12秒 12秒 12秒 26秒
最大印刷解像度 4800dpi(カラー) 4800dpi(カラー) 4800dpi(カラー) 4800dpi(カラー)
液晶 3.4インチタッチパネル 2.4インチ × 1ラインLCD(モノクロ)
メモリカードスロット ×
PictBridge
価格(米ドル) 199ドル 149ドル 129ドル 99ドル

新インクを採用した小型フォトプリンタ

小型フォトプリンタ用に開発された3色染料インクのHP110と改良されたアドバンスフォト用紙

 小型フォトプリンタでは、新開発のViveraインクと用紙に注目したい。HP110と呼ばれる新インクは、C・M・Yの3色一体型カートリッジこそ従来と同じだが、耐水性と耐擦過性を高め、速乾性も兼ね備えたもので、つい先日日本でも発表された新アドバンスフォト用紙に最適化されているという。展示会では、プリントアウト直後にアドバンスフォト用紙を水に浸し、水滴をタオルで乱暴にふき取るというデモが行われた。結果はインクがにじむこともなく、表面にキズが付くこともなかった。このあたりは写真にそれほどこだわを持たない主婦層を狙って開発されたとのことで、乱暴に扱ってもキレイなプリントを保つことに主眼が置かれているようだ。

 ちなみに、新しいアドバンスフォト用紙は表面のコート層の厚さを従来の2.5倍にして、光沢感と滑らかさを向上したのがポイントだ。実際に手に取ってみると違いは明らかで、改良されたアドバンスフォト用紙は裏面のバーコードが透けて見えることもなく、光沢感も増している。また、下に挙げた小型フォトプリンタのほか、発売が遅れているHP Photosmart Pro B9160での利用に最適化されているとのことだ。

 さて、小型フォトプリンタは3モデル構成で、詳細は下の表にまとめた。注目は最上位のA716で、HDD容量が従来の1.5Gバイトから4Gバイトに増え、新たにUSB接続の外付け光学ドライブにフォトデータをDVDメディアにバックアップできるようになった。また、全モデルで前面のUSBポート(PictBridge対応)がiPodシリーズ内の画像データのプリントアウトが可能になったのもトピックだ。メモリカードスロットは全モデルでSDメモリカード/MMC、CF TypeII、スマートメディア、メモリースティックに対応し、サポートOSはWindows XP/2000/Me/98SE/x64 EditionとMac OS X v10.3.9以降となっている。また、3モデルともバッテリー(オプション)駆動が行える。

左の写真が、2.5インチのカラー液晶と4GバイトのHDDを内蔵した最上位のA716だ。別途、赤外線リモコンも付属する。右の写真はL判まで対応のエントリー機のA516で、1.5インチカラー液晶を搭載する
こちらはミドルレンジのA616で、2L判までの印刷に対応するほか、2.4インチのカラー液晶を備える(写真=左)。右の写真はオプションのBluetoothモジュールだ(USB接続)
小型フォトプリンタのラインアップ
モデル名 A716 A616 A516
最大印刷解像度 4800×1200dpi(カラー) 4800×1200dpi(カラー) 4800×1200dpi(カラー)
液晶ディスプレイ 2.5インチ 2.4インチ 1.5インチ
L判最速印刷速度 39秒 39秒 53秒
対応用紙サイズ 2L/L判 2L/L判 L判
HDD 4Gバイト × ×
サイズ W251×D118×H128ミリ W255×D116×H130ミリ W220×D113×H117ミリ
価格(米ドル) 249ドル 179ドル 99ドル

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