Windows Vistaではこうした問題が解消される。Vistaのミキサーは、アプリケーションごとに音量を調整できるようになっており、アプリケーションからの音量調整も、ほかのアプリケーションに影響することはない。たとえばWindows Media Playerで音量を上げると、その結果はミキサーのWindows Media Playerの項に反映されるが、Windowsのシステム音やそのほかのアプリケーションのミキサー設定に影響を与えない。複数のアプリケーションがWaveデバイスを利用することを前提に作られているのが、Windows Vistaのミキサーだ。
アプリケーションが複数あるのであれば、サウンドを出力するデバイスだって複数あってもおかしくはない。たとえば、コミュニケーションツールの音声は内蔵サウンド経由のヘッドセットに出力し、Windows Media Playerのオーディオ出力はUSBの外付けオーディオデバイスに出力する、といった使い方が考えられる。
しかし、Windows XPでは複数のオーディオ出力デバイスや入力デバイスを、同時に利用することができなかった。システムに複数のサウンドデバイスをインストールすることはできるが、同時に利用することはできず、切り替えながら使うしかない。Windows Vistaでは、システムに複数の出力デバイスや入力デバイスを登録し、並行して利用することが可能になる。
フリーライター。IBM PC/AT互換機以前からPCの世界に入り、さまざまなメディアでPCに関する評論やレビュー、コラムなどを執筆。とくに技術面での造詣が深く、独特の切り口による分析記事は人気が高い。
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