昨年、エプソンは「Epson Color」を前面に打ち出したブランド戦略をとったが、2006年モデルではこのEpson Colorをより進化させた。具体的には、画像処理技術の「オートフォトファイン!EX」が人物補正をさらに強化した「新オートフォトファイン!EX」に、発色性・耐光性・耐オゾン性などを向上させてアルバム保存性寿命を200年に延長した「つよインク200」、そして写真用紙エントリーが追加された「純正写真用紙」の3要素で構成される。これにより、従来機よりも「きれい」「簡単」「はやい」「安心」のおうちプリントが提供できるという。
また、新開発のAdvanced-MSDT(Multi Sized Dot Technology)ヘッドの採用や、印刷プロセスを並列処理する新開発の画像処理エンジン「REALOID(リアロイド)」を搭載することで、さらなるプリント速度の向上を実現。従来機で人気の高かった複合機PM-A890では約32秒かかったL判フチなし印刷速度が、今年のPM-A920では約23秒に、エントリークラスのPM-A750では約38秒だったのが今年のPM-A820では約25秒に高速化している。
ラインアップを一新した複合機では、全5モデルを投入。エントリークラスの顔料インクを採用したPX-A720をのぞき、すべてEpson Colorに対応する。上位モデルのPM-T990とPM-A970は標準で4インチのPhoto Fine Ultra液晶を備え、印刷前に補正内容を確認できる「仕上がりview」を利用できる。また、前面にスロットインタイプのDVD/CD-ROMコンボドライブを搭載しているのも目新しい。
中でも注目なのは最上位のPM-T990のみ実装されたTVプリンティング機能だ。“放送・通信融合時代のエプソンからの提案”というTVプリンティング機能だが、標準装備のネットワーク機能を使って、ネットTV画面やデータ放送画面の印刷、あらかじめ用意されたxHTML-Printデータの出力、TV側に用意されたメモリカードスロットからの印刷などが行えるものだ。現状では対応TVが、2004年から発売されているPanasonicのVIERA(PZ600、PX600/500/300、LX600/500/300シリーズ)に限定されるが、エプソンによれば来春以降発売されるであろう各社のネットTVに対応する予定とのことだ。同社では、このTVプリンティング機能を「テレ・プリ・パッ」の愛称で積極的に推進していくという。
複合機新モデルのラインアップ | |||||
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モデル名 | PM-T990 | PM-A970 | PM-A920 | PM-A820 | PX-A720 |
Epson Color | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
REALOID | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
インク | 染料6色 | 染料6色 | 染料6色 | 染料6色 | 顔料4色 |
最小インク滴 | 1.5ピコ | 1.5ピコ | 1.5ピコ | 1.5ピコ | 3ピコ |
L判最速印刷 | 19秒 | 19秒 | 23秒 | 25秒 | 66秒 |
スキャナ | 4800×9600dpi(CCD) | 4800×9600dpi(CCD | 3200×6400dpi(CCD) | 1200×2400dpi(CIS) | 1200×2400dpi(CIS) |
液晶 | 4インチPFU | 4インチPFU | 3.5インチ | 2.5インチ | 2.0インチ |
コンボドライブ | ○(内蔵) | ○(内蔵) | × | × | × |
DVTプリント | ○ | × | × | × | × |
ネガ・ポジスキャン | ○ | ○ | ○ | × | × |
メモリカードリーダ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
有線LAN | ○ | × | × | × | × |
無線LAN | ○ | × | × | × | × |
2Way給紙 | ○ | ○ | ○ | × | × |
IrSimple | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
予想実売価格 | 5万円台後半 | 4万円台後半 | 3万円台後半 | 2万円台後半 | 1万円台後半 |
発売予定日 | 11月中旬 | 10月5日 | 10月5日 | 10月5日 | 10月5日 |
一方の単機能/ダイレクトプリンタは、A3ノビ対応の「PM-G4500」を筆頭に、A4対応の「PM-G850」、そしてダイレクト機の「PM-D870」が投入された。いずれも染料6色モデルで、Epson Colorをサポートする。ただし、REALOIDエンジンを搭載するのは3.5インチ液晶を備えたPM-D870だけだ。なお、現行のA3機「PX-G5100」と「PM-3700C」、A4機「PX-G930」と「PX-V630」は併売され、ラインアップに残る。
単機能/ダイレクトプリンタ新モデルのラインアップ | |||
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モデル名 | PM-G4500 | PM-D870 | PM-G850 |
Epson Color | ○ | ○ | ○ |
REALOID | × | ○ | × |
インク | 6色染料 | 6色染料 | 6色染料 |
最小インク滴 | 1.5ピコ | 1.5ピコ | 1.5ピコ |
L判最速印刷 | 25秒 | − | 25秒 |
最大印刷解像度 | 5760×1440dpi | 5760×1440dpi | 5760×1440dpi |
液晶 | × | 3.5インチ | × |
メモリカードスロット | × | ○ | × |
PictBridge | ○ | × | ○ |
IrSimple | × | ○ | × |
予想実売価格 | 3万円台後半 | 2万円台前半 | 1万円台後半 |
発売予定日 | 11月中旬 | 10月5日 | 10月5日 |
なお、エプソンは詳細は未定としながらも、今回投入した全モデルで次期OSのWindows Vista対応予定をうたっている。
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