――それにしても、QuickView機能はいいですね。あの機能はぜひTime MachineだけでなくFinderにも欲しいところです。
カサノバ そうかもしれませんね。でもそれについては何も言えません(笑)。ただ、あの機能はTime Machineにこそ特に重要なのだと考えています。というのも、過去をずっとさかのぼって復元したファイルが、望んでいたのと別のものだったらガッカリしてしまいますから。
――バックアップ用に使う外付けストレージは、基本的に内蔵HDDよりも大容量になる、と考えていいのでしょうか?
カサノバ そうとは限らないと思います。もし、あなたが常にHDD容量不足に悩まされているようなタイプの人なら、おそらくバックアップ用ストレージはそれなりの容量のものが必要でしょう。でも、私みたいに常に半分以上が空き領域、という人なら、内蔵と同じ容量のディスクを用意すれば十分です。
Time Machineでは、あるプロジェクトが終了したら、それに関連するファイルのバックアップも終了するといったことができます。そうすることでバックアップ用HDDにも少し空き容量を増やすことができます。ただし、もしあなたがバックアップしたすべてのファイルを、永遠に保管し続けて行こうとするのであれば、それはやはりそれなりに巨大なディスクが必要になってしまいます。
Leopardのリリース日がもう少し近づいてきたら、わかりやすいバックアップ用ガイドラインの配布を行うことになると思います。
――アドレスブックやiPhotoといったソフトでも、消去したデータを過去に渡って検索できるのは素晴らしいと思います。ここで1つ確認なのですが、同様のことはサードパーティのアプリケーションでも可能になるんですよね?
カサノバ ええ、その点はTime MachineのAPIをちゃんと開発者に公開して協力体制を築いているところです。
――これまで何人かの開発者とLeopardの話をしてきたのですが、実は多くの人が今のTIme Machineの背景、星が漂う宇宙空間はMac OS Xの見た目に似つかわしくない、と言っています。これは最終的な外観なんでしょうか。
カサノバ ははは、わかりません(笑)。このような場で、こういった意見を聞いて集め、本社に届けるのも私の役目の1つです。
さらにいうと、最終的な製品の見た目を決めるのは、別のレベルにいる人たちです。Leopardの見た目は、これから製品化されるまでに、まだまだ改良されていくとは思っています。何も背景だけでなく、「システム環境設定」パネルの設定画面も含め、いまここでお見せしているのは、開発途中の技術の現時点でのスナップショットに過ぎません。
Leopardはまだ我々が開発している途中のOSであり、見たものはすべて、今後さらに改良が加えられる余地があるのです。
――これまでにもいくつかのバックアップソフトがありましたが、今回Appleがここまでビジュアル重視のアプローチを取ったのはなぜでしょうか。
カサノバ それはこれまでのバックアップソフトが失敗だったからです。もし成功していたのなら4%よりも多くの人がバックアップを行っていたのではないでしょうか。さっきいった25%の人というのは、ただフォルダをほかのHDDにコピーしているだけの原始的なバックアップをしている人たちです。
これまでのやり方では、きっと何かが違うのです。そこで我々はまったく新しいモデルを生み出そうとしました。まず1点にはコンシューマにも、何をやっているかが分かりやすいということ。我々はこの分かりやすさを実現するために最新のCore Animation技術やハードウェア技術、ソフトウェア技術を総動員しました。
そうやって、例えば私の母親のような機械オンチな人間であっても、簡単に利用できるような使いやすさを実現できたのです。
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