プロユーザーを喜ばせるのは、CPUの変更だけではない。搭載メモリ容量が最大3GバイトとなりiMacに並んだこと。これに加えて、容量200Gバイト(4800rpm)の大容量モデルや容量は100Gバイトだが7200rpmの高速モデル、160Gバイト/5400rpmのバランスモデルの3種類が選択可能になったこと。そしてUSB 2.0を上回る高速インタフェースとして定着しつつあるFireWire 800が15インチモデルにも搭載されたこと(これがなくなったことは前モデルの欠点だった)。また、SuperDriveも堅牢性と美観を両立するスロットローディング仕様を保ちながら、17インチモデルと同じDual Layer仕様に強化された。
アップルが表立ってうたっているのは、この5点(CPU、メモリ、HDD、FireWire 800、SuperDrive)だけだが、内部に目を向けると、どうやら新MacBook Proには、ほかにも隠れた改良がそこかしこに潜んでいる。
まず先のベンチマークでグラフィック系の性能があがっていたのは、どうやら内蔵のATI RADEON X1600Proが、バージョンアップされ、以前よりも動作クロックが向上していることが関係あるようだ。
これに加えて何も変化していないように見える無線LAN機能もひっそりと強化されている。来年以降の普及が見込まれている次世代無線LAN技術、IEEE 802.11nのドラフト規格に対応したモジュール(Atheros AR5008)が搭載されており、来年以降ファームウェアの更新で同規格に対応する可能性も出てきた。
また外観的変更もいくつかある。これまでiSightの横にあったカメラのオン/オフを示すインジケータがアルミベゼルの内側に目立たない形で隠された点。一見するとただのアルミフレームなのだが、iSightの使用を始めると、その内側から緑色の光りが透けて見えるのだ。
インタビュー記事でも取り上げたように、世界的に話題となったこの外観変更だが、どうやらその仕組みが見えてきた。液晶正面に直接光が当たらない場所でいろいろ角度を変えながらこの部分を見ると、角度によってこの当たりが暗く沈むことがある。やはり目に見えないくらいの微細な穴が貫通しているのであって、光りを通すほど薄くフレームを削っているわけではなさそうだ。
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