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» 2006年11月09日 07時09分 UPDATE

イマドキのイタモノ:GeForce 8800 GTXはQuad SLIを超えられるのか (1/2)

PC用GPUとして初めて統合型シェーダユニットを搭載した「まだ見ぬDirect X 10世代」のパフォーマンスを「エクストリームなハイデフ」環境で検証する。

[長浜和也,ITmedia]

 NVIDIAは11月9日(日本時間)に新世代GPU「GeForce 8800」シリーズを発表した。別記事で詳しく解説しているが、開発コード名「G80」と呼ばれてきたこのシリーズはハイエンドの「GeForce 8800 GTX」とその下位機種になる「GeForce 8800 GTS」で構成される。ここではGeforce 8800 GTXを搭載したリファレンスカードを用いて新世代GPUのパフォーマンスを市販ゲームタイトルのベンチマークで検証する。

 GeForce 8800 GTXの定格における動作クロックはコアクロック575MHzにメモリクロックが900MHz(データ転送レートで1800Mbps相当)と、メモリクロックはGeForce 7900 GTXを上回るものの、コアクロックはGeForce 7950 GTをやや上回る程度に抑えられている。GeForce 8800 GTXの性能向上は、動作速度ではなくGPUに内蔵する128個という膨大な統合型シェーダユニットの演算能力に大きく依存していることになる。

kn_gf88gtxzen.jpg GeForce 8800 GTXのリファレンスカード。実装するクーラーユニットの外観はGeForce 7900 GTXから大きく変わり、GeForce 7950 GX2のそれををサイズアップしてブラケットまで延長したような形状になっている
kn_gf88gtxgx2.jpg GeForce 7950GX2のリファレンスカードと並べてみる。「長い」GeForce 8800 GTXのフットプリントがよく分かる

kn_gf88gtxura.jpg リファレンスカードの裏側を見る。配線をたどるとGPUをコの字に囲むように12個のメモリチップが実装されている。PCI-Express X16コネクタの反対側にはブリッジチップコネクタが2つ確認できる
kn_gf88gtxsli.jpg ブリッジチップ用コネクタは2つ用意されているが、NVIDIA SLIの構築には1つのコネクタを接続すればいい。NVIDIAによると2つあるコネクタは「デイジーチェーン」を想定しているらしい

kn_gf88gtxcnect.jpg GeForce 8800 GTXのリファレンスカードには外部電源コネクタが1枚あたり2つ用意されている。そのため、NVIDIA SLI構成になると都合4つの6ピン12ボルトケーブルが必要になる
kn_gf88gtxpower.jpg NVIDIAが説明用資料で示したGeForce 8800 GTXのNVIDIA SLI構成で推奨する電源ユニット

 内部に大量のシェーダユニットを組み込んでいるためか、動作クロックが従来のGPUと比べて劇的に速くなったわけでなのにも関わらず、GeForce 8800 GTXのリファレンスカードに30アンペア12ボルトの6ピン外部電源コネクタが2つも用意されている。NVIDIAはその資料の中でNVIDIA SLIを構築するシステムに組み込む電源ユニットをいくつか推奨しているが、最小で750ワット、ほとんどは850ワットから900ワット、1000ワットの容量を持つ製品をそのリストに挙げている。

 今回の評価用システムでは、CPUにクアッドコアのCore2 Extreme QX6700(動作クロック2.66GHz)を採用し、メモリにCORSAIRの「CM2X1024-9136C5D」というDDR2 800MHzの1Gバイトモジュールを2つ載せるなど、重装備の構成になっているが、ENERMAXの「ELT620AWT」という620ワット級電源ユニットを使いGeForce 8800 GTXのNVIDIA SLI構成でベンチマークをひと通り動作できた。とはいえ、のちほどワットチェッカーの値を紹介するが、「ギリギリ」のところで動いているようなので楽観はできないと思われる。

 いま述べたように、今回の検証作業で使った評価用のシステムはCore2 Extreme QX6700を基幹として構成されている。マザーボードはGeForce 8800シリーズと同時に発表されたチップセット「nForce 680i SLI」を搭載したリファレンスマザーを用いた。比較用のGPUには「GeForce 7900 GTX」搭載のリファレンスカードに「GeForce 7950 GX2」搭載のリファレンスカードを準備している。それぞれ、単体構成とNVIDIA SLI構成(GeForce 7950 GX2は“Multi GPU”構成と“Quad SLI”構成)でデータを測定した。

 適用したForceWareはGeForce 8800 GTXの単体構成とNVIDIA SLI構成においては、NVIDIAが用意した評価用の「ForceWare 96.97」を使い、GeForce 7900 GTXとGeForce 7950 GX2の単体構成では同じくNVIDIAが用意した評価用の「ForceWare 96.92」を使っている。GeForce 7950 GX2とGeForce 7900 GTXのNVIDIA SLI構成においては、ForceWare 96.97がGeForce 8800 GTX以外のGPUを認識しなかったこととForceWare 96.92がNVIDIA SLIで動作しなかったことから、Quad SLIで実績のある「ForceWare 91.45」を適用した。

 データ測定には市販のゲーム「DOOM 3」「Quake 4」「FarCry」「F.E.A.R.」「Campany of Heroes」の5タイトルを使った。ただし、Campany of HeroesではNVIDIA SLI動作におけるバグを修正したパッチ1.2を適用したものの、その結果が単体構成を下回る状況だったので今回は単体構成の結果のみを掲載している(GeForce 7950 GX2は単体構成でもGPUが2つ含まれるためこちらのデータも省いている)。

 それぞれのゲームタイトルで、NVIDIAがハイエンドGPUの存在理由として重視している「X-HD」(エクストリームハイディフィニション)ゲーム環境で求められる超高解像度「2560×1600ドット」「1920×1200ドット」と、大多数のゲームユーザーの環境に即した解像度「1024×768ドット」「1600×1200ドット」の4パターンで、それぞれ「4Xアンチエイリアシング」「異方性フィルタリング=8」の軽負荷状態と、「8Xアンチエイリアシング」「異方性フィルタリング=16」の重負荷状態で測定している。

 なお、「2560×1600ドット」の超高解像度を実現できるディスプレイとなると、現時点でその選択肢は「デル」「アップルコンピュータ」「クイックサン」と限られている。今回のテストでは、価格的に入手しやすい(とはいえ相対的に、ということだが)デルの「DELL 3007WFP」を使っている。すでに掲載しているQuad SLIのレビューやRadeon X1950 XTXのCrossFireレビューでもこのディスプレイを使って2560×1600ドットというX-HDゲーム環境を実現している。このディスプレイについては後日詳しく紹介したい。

ベンチマークシステム環境
CPUCore2 Extreme QX6700(動作クロック2.66GHz)
マザーボードnForce680i SLI搭載マザー
メモリDDR2-800MHz/1GB×2ch
HDDST3160023AS
OSWindows XP Professional +SP2

適用したForceWare
GeForce 8800 GTX 単体ForceWare 96.92
GeForce 8800 GTX NVIDIA SLI
GeForce 7950GX2 QuadSLIForceWare 91.45
GeForce 7900 GTX NVIDIA SLI
GeForce 7950GX2 単体ForceWare 91.92
GeForce 7900 GTX 単体

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