カスタマイズに慣れてきたところで、ランチャーの変更にトライしてみよう。ランチャーはgp2x File Archiveの「gp2x Applications : Launchers」にある。
GP2xでもっとも人気の高いランチャーがGMenu2xだ。ダウンロード後、解凍してautorun.gpuとgmenu2xフォルダをSDメモリカードのルートにコピーする。ファイル名で想像がつくかもしれないが、SDメモリカードのルートにautorun.gpuがあると起動時に自動実行される。
GMenu2xにメニューを登録するにはSELECTを押して「Scan for applications and games」を選択する。SDメモリカード内のファイルをスキャンして「foundgpu」(ユーティリティ)と「foundgpe」(アプリケーション)に自動的にリンクが登録される。必要に応じて各リンクを編集すればよい。
さて、SETTINGS > System で Menu Extension をオンにすると、さらにメニューが表示されるようになる。その中に「USB Network」という項目がある。通常、GP2XとPCをUSBで接続する場合にはストレージとして認識されるが、USB Networkとして接続するとRNDIS/Ethernet Gadgetとして認識されるのだ。RNDISはネットワークドライバの仕様NDISを拡張したRemote NDISのことで、USBなどを利用したネットワークのアダプタとして動作する。
ここは少し分かりにくいかもしれないので順を追って説明しよう。
この接続を行うためにはPC側にデバイスドライバが必要になる。RNDISのドライバはWindowsXPに標準で組み込まれているものの、infファイルがないためにインストールができない。GP2x : Windows から「Linux-USB Ethernet/RNDIS gadget firmware」をダウンロードし、解凍してできたlinux.infを適当なところに保存しておく。
次にPCとGP2Xに割り当てるIPアドレスを決める。使用するIPアドレスはPCのネットワークとは異なるセグメントにする。大抵の場合は「192.168」で始まっていることが多いはずなので、PCに「10.0.0.1」、GP2Xに「10.0.0.2」を割り当てればよい。
IPアドレスが決まったらGP2Xと母艦となるPCをUSBで接続し、SETTINGS > Systemから、USB NetworkのIPを先ほど決めたもので設定する。サムスティックで変更する数値を選択、Y/Aボタンで増減できる。また、その下にあるSERVERはとりあえずすべてオンにしておけばいいだろう。最後にUSB Networkをオンにする。するとPC側で新しいデバイス「RNDIS/Ethernet Gadget」が検出される。
これでドライバは組み込まれたが、まだ通信はできない。WindowsのRNDISはデフォルトでIPアドレスを自動的に取得する設定になっているが、IPアドレスを割り振るDHCPサーバがこのネットワーク上に存在しないため、IPアドレスが正しく設定されていない。自動取得の代わりに先ほど決めたIPアドレスを直に指定する。
これでネットワーク接続の異常を示すアイコンがシステムトレイから消えたら準備完了だ。ちなみに誰がどんな目的で使用するのか想像もできないが、SambaだけでなくTelnetやWebサーバ、はてはPHP4.4.2までインストールされている。無駄に豪華だ。
さて、次回はソフトをダウンロードしてくるだけでなく、自分自身でカスタマイズしたり、ソフトウェア開発そのものにも挑戦していく。
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