第5回 複合機8モデルの画質を横並びで検証する複合機06年モデル徹底攻略ガイド(2/3 ページ)

» 2006年12月01日 17時00分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]

反射原稿スキャン(600dpi)

 反射原稿をスキャンした場合の画質について見比べた。スキャンした原稿は、L判のプリント写真だ。いずれもAdobe Photoshop CS2から各複合機のスキャナドライバ(TWAIN)を呼び出してスキャンししている。スキャン時の解像度は600dpiに固定して比較した。反射原稿のスキャンでは、より高い解像度で原稿を読み込むようなシーンは珍しいからだ。

 以下は反射原稿をスキャンした画像の縮小表示だ。各画像をクリックすると、600dpiでスキャンした画像の一部が1280×1024ドットで実寸表示される。

PM-A970:わずかに青みが強くなったが、原稿にかなり忠実な色合いと階調だ。ボトルラベルの文字やテーブルクロスの質感よい。必要以上にシャープネスを高めていないのも好印象だ
MP960:若干マゼンタに寄ったが、少し補正すればよい程度。コントラスト、彩度、明度は原稿にほぼ忠実なので、このままでも十分だ。トランプの絵柄など、細部も非常にシャープだ

PM-A920:PM-A970よりほんの少し彩度が低いため、並べて比較すると平坦な印象を受けるが、厳密に見るとPM-A920のほうが原稿に近い。シャープネスもほどよく、全体的に自然な描写だ
MP810:MP960と同じCCDだと思われるが、明度とコントラストが低めになった。スキャン時に中間調のトーンとコントラストをわずかに高くしてみるとよい。階調性と細部の描写には問題ない
C7180:明度と彩度が高く、一見して派手な印象だ。暗部に不自然な格子ノイズが見られ、輪郭も強調しすぎに感じる。スキャン時に、シャドーのトーンや彩度を調整したほうがよいだろう

PM-A820:イメージセンサはCISを採用している。PM-A970やPM-A920と比較して、コントラストと明度がやや低くなった。ボトルラベルの文字といった細部はシャープに読み取れている
MP600:>イメージセンサはCISを採用。青みに引っ張られて、背景の白がグレーっぽくなった。コントラスト、彩度、明度は適正なので、印象は悪くない。階調もきれいに出ている
C5180:イメージセンサはCISを搭載。明度が高くコントラストが低いため、発色が浅い。暗部にバンドのようなノイズが発生し、輪郭が強調されて不自然さを感じる部分がある

35ミリネガ/ポジスキャン(最高光学解像度)

 今回集めた複合機は、PM-A970、PM-A920、MP960、MP810、C7180の5モデルがフィルムスキャンに対応する。ここでは5モデルのネガ/ポジフィルムをスキャンして見比べた。スキャンした原稿は、35ミリスリーブのネガ/ポジフィルムだ。いずれもAdobe Photoshop CS2から各複合機のスキャナドライバ(TWAIN)を呼び出してスキャンした。スキャン時の解像度は各モデルの最大光学解像度に設定している。原稿が小さく高解像度のフィルムを読み取る場合、最大光学解像度でスキャンすることが多いからだ。最大光学解像度はPM-A920が3200dpi、そのほかの4モデルが4800dpiとなる。

 以下は各モデルでスキャンした画像の縮小表示だ。左がネガフィルム、右がポジフィルムをスキャンしたサンプルとなっている。各画像をクリックするとスキャンした画像の一部が1280×1024ドットで実寸表示される。

PM-A970:ネガ(左)は明度と彩度が高く、グリーン系の色相が転んでいる。ポジ(右)と比較して、細部のピントが甘い。ポジは沈んだ印象ながら、ほぼ原稿に忠実にスキャンできた

MP960:ネガ(左)は明度と彩度が高いが、両方を少し低くすれば問題ない。ポジ(右)は中間調のトーンを下げるとほぼ原稿通りの色合いになる。ポジもネガもピントはしっかりしている

PM-A920:ネガ(左)もポジ(右)も、PM-A970と同様の傾向だ。ネガはグリーン系の色相ズレが大きいが、ポジの色再現は完璧に近い。トランプなどの細部でジャギーが見える部分がある

MP810:MP960よりごくわずかに暗いだけで、色合いの傾向は同じだ。ネガ(左)は全体の明度と彩度、ポジ(右)は中間調の明度を下げることで、原稿の色に近づく。ピントも優秀なほうだ

C7180:ネガ(左)は茶色っぽく高彩度。ランダムノイズも大きめだ。ポジ(右)は青みがかっているものの、たやすく補正できるので問題ない。ネガもポジもピントは若干甘い印象を受ける

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