浮川和宣ジャストシステム代表取締役社長は、同社ソフトウェア製品(xfy Enterprise Solution for DB2 9)がIBM主催の「CTO Innovation」を受賞するなど、海外で高く評価されるようになったことを紹介。「海外で評価されるたびに、ジャストシステムは日本の会社であり、“日本人が日本語を使う限り”という想いに立ち戻る」と自社のスタンスを述べた。(記事掲載当初、マイクロソフトからアワードを受けたと記載していましたが誤りでした。ここにお詫びして訂正いたします)
また、浮川氏は、インターネットサービスが急速に進化する現代にジャストシステムの新製品リリースが年に1回であることについて、「使って心持ちのいいソフトをこのペースで出していければ」と説明。「ユーザーから期待される、使って思わず“ひざをたたいて”喜んでもらえる製品を出していきたい」(浮川氏)
「ターニングポイントとなるバージョンアップ」とジャストシステムが述べる2007年発売の新製品は、オフィススイートパッケージとして「JUST Suite 2007」が登場した。JUST Suite 2007は今回発表された「一太郎2007」「三四郎2007」「花子2007」「ATOK2007」「Shuriken Pro /R.2」「Justsystem PDF Suite」というこれまでのワープロ、表計算、図形、日本語変換、メールソフト、PDF出力ツールセットの最新バージョンにプレゼンテーションソフトの「Agree 2007」を加えた7種類の製品で構成される。
このSuiteパッケージのアドバンテージについてジャストシステムは、Microsoft Officeスイート製品との高い互換性や効率化を促進する機能、高いコストパフォーマンス、購入したユーザーが安心できるサポートを挙げている。
一太郎2007は、Windows Vista対応は当然として、手書きで文章を作成していく過程を重視した「フェーズ」概念を導入した新しいインタフェースの採用が大きな特徴となる。そのほかにも、Webコンテンツとの強化や多様なフォーマットへの対応も従来版から強化された。
一太郎2007の開発にあたってジャストシステムは、ワープロの使い方について大幅な見直し作業を行っている。この作業で問題となったのが、ユーザーの使いかたによって必要とされる機能と不必要とされる機能が異なってくることだった。この解決策として一太郎2007に新しく採用されたのが「フェーズ」と呼ばれる利用シーンに合わせて変化する画面インタフェースだ。
従来の一太郎2006でも文章作成プロセスに沿って最適な画面に切り替わる機能を持っていたが、一太郎2007ではさらに文章過程の細分化を行い「書く」「練る」「編集」「確認」「見る」という5段階のフェーズに分類した。それぞれのフェーズにおいて「エディタ」「アウトライン」「基本編集」「提出確認」「ビューア」といった画面のインタフェースを用意して、各画面ではそれぞれの機能に便利な機能を実装、例えば文章入力に使われるエディタインタフェースでは、別ファイルやWebからの引用で使われる「テキストのコピー&ペースト」で、不要な改行をワンアクションで削除する機能を持たせたり、ファイルを見るために使われるビューアインタフェースでは、「テキストのみ表示」「レイアウト表示」「すべてのページを縮小表示」「スライド単位の表示」といった4つの表示モードを持たせたりしている。
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