特集
» 2006年12月14日 16時59分 公開

性能、機能、使い勝手を検証:最強はどれ? 2007年版セキュリティソフト徹底比較(前編) (2/3)

[瓜生聖,ITmedia]

ノートンインターネットセキュリティ2007

 シマンテックのノートンシリーズはもっとも有名なセキュリティソフトの1つだろう。同シリーズの最新版スイートが「ノートンインターネットセキュリティ2007」(以下、ノートン2007)だ。

 シマンテックはユーザーの安全を脅かす脅威の変化・多様化にきっちりと対応を続けているベンダーの1つだ。すなわち、スパイウェア、ルートキット、トランザクションなど、新たな脅威に対しても迅速に製品に反映させてきた。その背景には同社がうたう「セキュリティ2.0」というセキュリティ構想がある。ノートン2007ではまだその壮大な構想のすべてをカバーするには至っていないが、現時点でもっとも先進的な設計思想を実現化したソフトウェアの1つであることは間違いない。

 スイート製品であるノートン2007はノートンアンチウイルスとノートンコンフィデンシャルの統合製品となっている。ノートンコンフィデンシャルはトランザクションに注目したセキュリティソフトで、オンラインでの取り引きそのもの、つまりPCとサーバといった点と点を結ぶ「線」のセキュリティを確保する。ただし、ノートンコンフィデンシャルに含まれている、パスワード管理を行う「InfoVault」はノートン2007には搭載されていない。なお、ノートン2006を利用しており、かつ、契約期間が残っているユーザは無償で2007へのアップグレードが可能だ。

Norton Protection Centerの画面。早急に対応が必要な危険性がある場合は左に大きく警告が表示される。ユーザの指針として非常に分かりやすい

 インストールして気づくのはシステムトレイ横の大きなインジケータだ。現在のコンピュータのセキュリティ状態が安全なのか、そうでないのかひと目で分かるようになっている。また、IEでWebサイトにアクセスするさいも目立つ位置に「詐欺サイトの監視がオンです」と安全性が大きく表示される。このように単純だが「分かりやすい」という点においてユーザの使い勝手、安心感に大きく影響する。

 ノートン2007にはアンチスパム機能はないが、同社サイトより「Norton Internet Security Add-on Pack」をダウンロードすることで「Norton AntiSpam」「プライバシー制御」「広告ブロック」の機能を追加することができる。どれもいまとなっては基本的な機能であり、わざわざアドオンとして別途ダウンロードするようにしている意図は不明だ。

 ちなみに、ノートン2007はWindows XPにしか対応していない。Windows Vistaへの対応は無償で予定されており心配はないものの、Windows 98SE/Meのみならず2000も対象外となっている。企業ユースなどでは注意が必要だ。

 なお、同社サイトから15日間利用可能な体験版がダウンロードできる。

マカフィー・インターネットセキュリティスイート2007

 マカフィーの「マカフィー・インターネットセキュリティスイート2007」(以下、マカフィー2007)は、8-in-1 プロテクションと称する、「ウイルス対策」「スパイウェア対策」「ハッカー対策」「PCクリーンアップ」「バックアップと復元」「個人情報保護」「迷惑メール対策」「パレンタルコントロール」の8種類の保護機能から構成されている。

 これを見て分かるとおり、マカフィー2007にはセキュリティ対策機能のほか、一般的なメンテナンス用の機能も加えられている。用意されているのはPC上の不要な一時ファイルやレジストリキーなどを削除するMcAfee QuickClean、ファイルの完全な消去を行うShredder、ファイルのバックアップを自動的に行うMcAfee Data Backupなど。ほかにもデフラグツールや、復元ポイントの設定など、Windows標準機能やWebでのサービスへのアクセスも用意されている。

 マカフィー2007はほかのソフトのように1度インストールしたらほとんど表に出てこないのではなく、必要に応じてユーザーが積極的に利用するソフトだ。ツールにはコンピュータ名またはIPアドレスからコンピュータの地理的な場所の特定を試みるビジュアル追跡機能、最新のウイルス感染状況を世界地図で表示するウイルス地図、全世界のMcAfee Personal Firewallユーザと連携して情報収集した結果を表示するHackerWatch、Google、Yahoo!、MSNでの検索結果のサイトに対して安全性を調査、表示するMcAfee SiteAdvisorなど、ビジュアル的に分かりやすいインタフェースや、ユーザ参加型のサービスに特徴のある「男心をくすぐる」ものが並んでいる。

マカフィー2007は機能が豊富だ(画面=左)。世界地図上で攻撃の発生箇所を確認したり(画面=中央)、Googleなどの検索結果上に安全性情報を表示できる(画面=右)。怪しいキーワードで検索するときは特に重宝する

 同社はMcAfee SiteAdvisorの調査のためにWebクローリングを行っているが、そのさいにメールアドレスの入力フィールドを検出すると、自動生成されたメールアドレスを登録し、そのメールアドレスに対して何が起きるかまでチェックしている。見た目の派手さの裏の地道な調査こそが真骨頂であるといえるだろう。なお、McAfee SiteAdvisor、ウイルス地図はマカフィー2007利用者以外でも利用が可能だ。

 マカフィーのサイトからは30日間利用可能な体験版がダウンロードできる。

トレンドマイクロ ウイルスバスター2007 トレンドフレックスセキュリティ

 トレンドマイクロの「ウイルスバスター2007 トレンドフレックスセキュリティ」(以下、ウイルスバスター2007)は、クライアントソフトウェアのウイルスバスター2007とオンラインサービスのトレンドフレックスセキュリティを統合した製品だ。大別して「総合ウイルス対策」「スパイウェア対策」「フィッシング詐欺対策」「無線LAN&ホームネットワーク管理」「迷惑/詐欺メール対策(SPAM対策)」「個人情報漏えい防止」「不正アクセス対策」「有害サイトのアクセス規制」の8つの機能で構成されている。

 このうちスパイウェア対策はかつて別製品(スパイバスター2006)となっていたものだが、今回スイート製品に吸収される形となり、名実ともに統合セキュリティソフトへのバージョンアップとなった。これにともない、スパイバスター2006は販売を終了している。

 また、オンラインサービスのトレンドフレックスセキュリティにはウイルス・スパイウェアのチェックができるオンラインスキャン、スパイウェアの監視を行うセキュリティウォッチャーの無料サービス、リモートファイルロック、チャットサポートの有料サービスが用意されている。

クライアントソフトウェアとオンラインサービスが統合したメインメニュー

 リモートファイルロックは、デスクトップ上にパスワード保護された特殊なフォルダを作成するというものだ。サーバと通信可能(オンライン)な状態であればパスワードなしでアクセスできるが、オフラインの場合はパスワードが必要になる仕組みで、もしPCが盗難にあった場合などはトレンドフレックスセキュリティのWebサイトからロックできる。ただし、「フォルダは作成できない」「Webサイトへのログインには覚えにくいお客様番号を使用」「携帯電話からは利用できない」など、改良の余地はまだ多いようだ。

 以前からトレンドマイクロは前バージョンの利用者に対する無償バージョンアップを行っていた。今回もウイルスバスター2006から2007へのアップグレードは無償だが、これによって1つのシリアルキーで3台までインストール可能にもなる。複数のPCを所有している家庭にはうれしいバージョンアップだ。

 なお、同社のサイトから30日間利用可能な期間限定版がダウンロードできる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう