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» 2006年12月15日 20時04分 UPDATE

性能、機能、使い勝手を検証:最強はどれ? 2007年版セキュリティソフト徹底比較(後編) (1/3)

2007年版セキュリティソフト徹底比較の後編では、ベンチマークテストなどの客観的なデータから各セキュリティソフトの比較を行う。

[瓜生聖,ITmedia]

 2007年版セキュリティソフト各製品の特徴を紹介した前編に続き、後編ではベンチマークテストによる比較を行った。実際にソフトを導入したさいのPCへの負荷など、仕様表からでは分からない点をカバーしているのでぜひ参考にしてほしい。なお、本特集で取り上げたソフトと機能比較表は以下の通り。

ノートン2007マカフィー2007ウイルスバスター2007NOD32カスペルスキー6.0CA2007
ウイルス対策リアルタイムスキャン
全ファイルスキャン
メールスキャン
メッセンジャースキャン×××
ネットワークスキャン
ヒューリスティック機能
rootkit対策
ファイアウォール×
スパイウェア対策
フィッシング対策×
個人情報保護○ Add-on××
迷惑メール対策○ Add-on×
パレンタルコントロール○ Add-on×××
体験版利用期限15日30日30日30日30日30日
パッケージ版標準価格8190円8904円6594円 *27140円 *313440円 *34680円
ダウンロード版標準価格6300円 *15775円4725円 *24200円 *39345円 *34280円

※1:シマンテックストア価格、※2:トレンドマイクロオンラインショップ価格/3ライセンス、※3:希望小売価格

記事初出時、NOD32の機能表と一部の内容に「スパイウェア機能を持たない」という記述がありましたが、正しくは「スパイウェア検知機能を搭載」しております。また、CA2007の機能表でrootkitの項目が「×」となっておりましたが、スパイウェア対策機能としてrootkitの検出に対応しております。読者ならびに関係者のみなさまにお詫びするとともに、訂正いたします。

リアルタイム検索時の負荷

 もしウイルスがPC上にファイルの形で存在していたとしても、それが実行されたり、あるいはほかのプログラムのデータファイルとして読み込まれ、ぜい弱性を突いて誤動作させるなどのアクションが発生しなければ、ファイルそれ自体に危険はない。病気でいうところの感染と発症のようなものだ。感染者(キャリア)であっても発症しなければ潜在的な危険だけですむ。

 ウイルスが活動するためには何らかの「きっかけ」がある。このためセキュリティソフトは、ウイルスの活動を防止するためにその「きっかけ」――具体的にはファイルをオープンしたり、実行したりするときに、それが安全なものかどうかを確認する。それがリアルタイム検索だ。ファイルが新しく生成されるときにもチェックが行われるので、ファイルがウイルスに感染されること自体も防げる。

 しかし、すべての(あるいは危険性が認められている種類の)ファイルに対するアクセスを監視する弊害として、ディスクアクセスには遅延が発生し、当然CPUパワーも消費することになる。家庭内ユーザーの一般的なPC利用であればウイルスが検出されることはまれだと思われるが、このようなリアルタイム検索は常に行われている。つまり、リアルタイム検索時の負荷が大きなセキュリティソフトを導入すると、それだけで1ランク下のPCの性能しか出せなくなる可能性があるということだ。

 もしセキュリティソフトのせいでPCが快適に使えなくなるとしたら、何のためのPCなのか分からなくなってしまう。多くの人にとってPCはウイルスを検出するためにあるわけではない。そこでまずはじめに、各ソフトにおけるリアルタイム検索時の負荷を調査した。

 なお各ベンチマークの検証には、CPUがCeleron D 2.53GHz、チップセットがIntel 865GV、メモリが768Mバイト(PC2700)、HDDがSerial ATA 80Gバイト/7200rpm(WD Caviar WD800JD)という構成の評価機を使用しているが、これは各ソフトの比較の差が出やすいようにするためと、現役のPCでセキュリティソフトの負荷による影響を最も受けそうな層を想定したためだ。デュアルコアが主流となっている最新のシステムでは、以下に掲載するほどの違いは体感できない可能性があることに注意してほしい。

og_sec2_001.jpg リアルタイムスキャン比較

 さて、1つめの比較検証では、各セキュリティソフトの機能をオンにした状態で、フリーのMP3エンコーダ「午後のこ〜だ」のインストール時間を計測した。午後のこ〜だはライセンスの関係でバイナリでの配布ができないため、ソースファイルとコンパイラを同梱して配布しており、インストール時にコンパイルを行うというユニークな仕様になっている。大量のソースファイルをオープンし、中間ファイルを作成、そしてそれらをリンクして最終的な実行ファイルを生成する処理は、膨大なファイルアクセスとCPU演算を発生させるため、セキュリティソフトのリアルタイム検索による影響を受けやすい。このテストならリアルタイム検索の負荷をより増幅した形で結果が得られるはずだ。

 その結果はやや驚かされるものだった。サイト上で「動作が軽い」とうたうCA2007がほかを引き離して、3分3秒と非常に時間がかかっている。逆に最も高速なのがNOD32で、素の状態との差がわずか1秒しかない。次点のウイルスバスターも35秒と優秀な結果となった。圧倒的な速さのNOD32が統合セキュリティソフトであれば、と改めて悔やまれる。

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