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Dimension/XPSシリーズを超えるフルカスタマイズが可能――OptiPlex 740Athlon 64 X2対応のビジネス向けPC(1/2 ページ)

» 2007年02月07日 10時30分 公開
[兼子忍,ITmedia]

ケースを選べるOptiPlexシリーズ

デスクトップ型ケースを採用したOptiPlex 740

 デルのPCと言えば、個人向けのDimension/Inspironシリーズが有名だが、日本でシェアを獲得している法人向けの市場ではOptiPlex/Latitudeシリーズのほうがスタンダードだ。デスクトップPCのOptiPlexは、モデル数こそDimension/XPSシリーズより少ないが、各モデルごとにボディサイズが選べるため、実際の選択肢は多くなっている。このOptiPlex 740は、BTXフォームファクタを採用したデスクトップPCだ。ボディはミニタワー型とデスクトップ型の2種類から選択することができ、今回の評価機は後者を利用した。

 デスクトップ型とはいえ省スペースと言えるほどのコンパクトさはなく、サイズは114.3(幅)×347.7(奥行き)×395.9(高さ)ミリ、容積は約15.7リットルになる。ちなみに、ミニタワー型ケースは拡張性が増す半面、189.6(幅)×431.8(奥行き)×411.1(高さ)ミリで容積は約33.7リットルとさらに大柄になる。デスクトップ型ケースは縦置きと横置きのどちらにも設置でき、光学ドライブを搭載した5インチベイと、評価機では未使用となっていた3.5インチベイは、いずれも縦置き時にはボディの上部に位置することから、一般的なタワー型ケースのように机の下に設置しても利用が可能だ。

 Dimensionシリーズと同様、ケースは工具を使わずにメンテナンスを行なえるツールフリー化が徹底されており、天面後部のリリースレバーを引くだけで側面のパネルが取り外せるほか、光学ドライブやHDD、拡張カードも工具を使わずに着脱できる。内部スペースはゆとりがあり、メンテナンス作業もやりやすいが、ケースサイズが大振りなわりに5インチベイは1基、3.5インチベイも2基しかない。ビジネス用のクライアントPCとしては問題ないが、あらかじめ頭に入れておきたい。

ケースの容積が約15.7リットルと省スペース性はいまひとつだが、抜群のメンテナンス性を備える。3.5インチベイはメモリカードリーダやFDDを搭載するオープンベイが1基、内蔵HDDベイが1基となる。ロープロファイルながら3本の拡張スロットが用意され、オプションのライザーケージをBTOメニューで追加すればハーフサイズのカードを装着できる。なお、電源容量は280ワットだ

デュアルコアCPUから“OSなし”まで選べる豊富なBTOメニューを用意

microBTXフォームファクタを採用したオリジナルのマザーボード。チップセットはNVIDIA Quadro NVS 210Sで、CPUソケットはSocket AM2だ

 基本スペックは、同社の製品でおなじみのBTOメニューにより、使い道や予算に応じて構成を自由に組み替え可能だ。ただし、個人向けDimension/XPSシリーズとは異なる部分が多い。その最たるものがOSで、選択できるのはWindows XP Professional/Home Editionのほか、最新のWindows Vista Home Basic/Business/Ultimateが用意されている。また、マイクロソフト以外のOSを搭載する「nシリーズ」として、「OSなしモデル」(実際にはFreeBSDがプリインストールされる)もラインアップしているが、こちらはハードウェア部分のみがサポート対象となる。ちなみに、言語は日本語版と英語版の2種類から選択可能だ(FreeDOSを除く)。

 CPUは、シングルコアのAthlon 64 3500+(2.2GHz)/3800+(2.4GHz)、デュアルコアのAthlon 64 X2 3800+(2.0GHz)/4200+(2.2GHz)/4600+(2.4GHz)/5000+(2.6GHz)が用意されている。表計算や文書作成など、シンプルなビジネス用途であればAthlon 64でも十分な性能が得られるが、SOHO環境ではビジネス用とプライベート用を1台のPCで兼用したいというケースもあるだろう。こういったユーザーにとって、パワフルなAthlon 64 X2を選択できるのは心強い。

 チップセットには、グラフィックス統合型のNVIDIA Quadro NVS 210Sを採用する。コンシューマー向け製品ではあまり搭載例を見ないチップセットで、NVIDIAのWebサイトによるとビジネス向けのチップセットであり、内蔵グラフィックスコアの動作クロックがGeForce 6150の475MHzから425MHzに下がっているほか、Socket 754をサポートしない点を除けば、GeForce 6150 LEとほぼ同等だ。

 サウスブリッジはnForce 430で、チップセット自体はRAID機能もサポートしているが、本機では最大でも3.5インチHDDが2基しか内蔵できないため、BTOメニューにはRAIDの選択肢はない。

 ユニークなのは拡張スロットで、マザーボードにはPCI Express x16スロットと2本のPCIスロットが搭載される。オンボードで提供される拡張スロットに接続可能な拡張カードはロープロファイル仕様(搭載可能なカードは約63.5×約167.6ミリまで)のものに限られるが、背面のカードホルダーが丸ごと交換できる仕組みになっており、BTOでライザーケージ(プラス2000円)を追加することで、ハーフサイズ(106.6×167.6ミリ)の拡張カードを実装可能だ。ライザーケージはPCIスロット×2、またはPCI Express x16×1+PCI×1という2種類の組み合わせからの選択となる。

 ちなみにBTOでは、グラフィックスのメニューでATI RADEON X1300 Proと256Mバイトのグラフィックスメモリ、あるいはATI RADEON X1300と128Mバイトのグラフィックスメモリを搭載したカードに加え、DVIカードがラインアップされている。

 メモリスロットは4基あり、DDR2-667対応のメモリを512Mバイト(256Mバイト×2または512Mバイト×1)から最大4Gバイト(1Gバイト×4)まで選択できる。Windows Vistaの導入を考えているなら、2Gバイト以上を選んで購入することをおすすめしたい。ストレージデバイスは、HDDが80G/160G/250Gバイト(いずれもSerial ATA/7200rpm)の3種類から、光学ドライブはCD-ROM/DVD-ROM/コンボ/DVD±RW(DVD+R DL対応)ドライブの4種類から選べるので、メインマシン兼用で使うならDVDメディアへの記録機能を備えたDVD±RWドライブ、ビジネス専用として導入するなら記録機能を持たないCD-ROMドライブやDVD-ROMドライブといった具合に選び分けることができる。

CPUはデュアルコアのAthlon 64 X2とシングルコアのAthlon 64から選べる(写真=左)。microBTXフォームファクタを採用しており、前面に吸気ファンを備えている(写真=中央)。HDDベイのほかに3.5インチオープンベイを1基備える(写真=右)

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