HDMI付きで16万円台を実現したパワフルノートPC――「HP Pavilion Notebook PC dv9200/CT」“ZEN-design”の最上位機(1/2 ページ)

» 2007年02月27日 14時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

ついに登場したフラッグシップモデル

17インチワイド液晶ディスプレイと10キーを搭載した最上位モデル「HP Pavilion Notebook PC dv9200/CT」

 日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は、昨年6月に「HP Pavilion」シリーズを引っさげて個人向けノートPC市場に再参入を果たした。しかし投入されたのは性能と価格の両面でミドルレンジからエントリーに属するモデルで、いわゆるフラッグシップに値する製品のリリースは見送られていた。すでにこちらの記事でお伝えしているが、他国ではフルラインアップでの販売が行われていただけに物足りなさを覚えたのも事実だ。

 しかしWindows Vista登場を目前に控えた1月15日、満を持してPavilionシリーズの最上位機が発表された。ここで取り上げるHP Pavilion Notebook PC dv9200/CTは、17インチワイド液晶ディスプレイやCore 2 Duo、Windows Vista Home Premium、そしてHDMI端子と最新フィーチャーで身を固めたモデルだ。型番の末尾に「CT」が付くため、同社の直販チャンネルHP Directplusでのカスタマイズが行える。また、Pavilionシリーズでおなじみとなる日本の石庭をイメージした表面塗装の「HP Imprint」を施しただけでなく、10キーを標準で搭載するなどフラッグシップ機らしい機能と性能を備えているのが特徴だ。

Core 2 DuoにWSXGA+液晶と充実のハードウェアスペックを備える

評価機のパフォーマンス評価画面

 ハードウェアのスペックはIntel 945PM Expressを中心に充実しており、BTOで選択できるパーツもそれに準じている。CPUには4Mバイトの2次キャッシュを備えたCore 2 Duo T7200(2.0GHz)と、2Mバイトの2次キャッシュを備えたCore 2 Duo T5500(1.66GHz)から、PC2-5300対応のメモリは512Mバイトから最大2Gバイトまで、HDDは容量120Gバイト(5400rpm)のシングルドライブ構成のほか、容量160Gバイト(5400rpm)または100Gバイト(7200pm)のドライブを2基搭載することも可能だ。RAIDの選択肢はないが、容量的な不満は皆無と言えるだろう。

 注目の17インチのワイド液晶ディスプレイは、1680×1050ドットと1440×900の2つの解像度が用意されている。どちらも光沢タイプのウルトラクリアビューゆえ発色は良好だが、画面への映り込みはそれなりに発生する。もっとも、低反射処理が施されているおかげで蛍光灯の光がぎらつくことはない。BTOでの価格差は1万2600円と安くはないが、デスクトップ画面は少しでも広いほうが作業性がよくなるため、予算が許す限り1680×1050ドットの高解像度をお勧めしたいところだ。

 もともとデスクトップPCの代替を想定されたモデルだけに、ボディサイズは幅396ミリ、奥行きが285ミリと、底面積はほぼB4用紙に匹敵するほど大きめだ。重量も約3.52キロと軽くはないが、室内での移動ならさほど苦労なく持ち歩けるだろう。ちなみに、電源ケーブルが3ピンタイプのACアダプタは、重量がケーブル込みで約520グラム、サイズが49(幅)×127(奥行き)×29(高さ)ミリと大柄だ。

 ボディが大きい分、本機のキーボード周りはゆとりがある。主要キーで19ミリのキーピッチ、2.5ミリのキーストロークを確保しており、幅広のパームレストとあいまって扱いやすい。カーソルキーやWindowsキーは16ミリピッチとやや狭くなっているが、逆にDeleteキーは21ミリピッチになっていたり、ファンクションキーが4キーごとに区切られていたりと細かい部分でのこだわりも見られる。欲を言えば、カーソルキーを一段下げてほしかった。

 一方のテンキーはキー入力時にユニット自体が少々たわんでしまうのが気になるが、19ミリのキーピッチを維持しているほか、上部にNumLock用の青色LEDランプを内蔵して誤動作を防いでいる。右横にスクロールゾーンを設けた横幅85ミリの幅広なタッチパッドは、光沢処理を施した「HP Imprint」のパームレストと同じく見た目が艶やかで、非常になめらかな感触が印象的だ。同社製品らしく、ワンタッチでタッチパッドの機能をオン/オフできるボタンがタッチパッド上部にあり、これを利用することでカーソル飛びなどの無駄な誤動作を防ぐことが可能だ。ただ、タッチパッド部分がクリックボタンより盛り上がっているため(パームレスト面よりは下がっているものの)、慣れるまでは左クリックボタンを押すたびにカーソルが誤動作しがちだった。

評価機は1440×900ドット表示の17インチワイド液晶ディスプレイを実装していたが(写真=左)、BTOでは1680×1050ドットの解像度も選択できる。上下の視野角はやや狭く、左右方向もそれほど広くないが、正対して使う分には問題ない。輝度は10段階に調整可能だ。10キーの標準搭載をはじめ、入力環境にはゆとりがある(写真=中央)。キーボード上部には静電式のワンタッチボタンとALTEC LANSING製のステレオスピーカーが並ぶ。タッチパッド部分が左右のクリックボタンより若干せり上がっているのでミスタッチを誘発する(写真=右)

手軽に使えるHDMI端子の標準搭載は魅力だが……

左側面にHDMIバージョン1.2a準拠の端子を標準で備える

 本機の大きな特徴は、標準でHDMI端子(バージョン1.2a準拠)を備えていることだ。他社製品でもHDMI端子を搭載しているモデルがあるが、いずれも多機能なフラッグシップ機だけに価格が高くなりがちだが、本機は最小構成価格が16万8000円と比較的安価ですむ。

 利用方法は非常に簡単で、PC起動時にHDMIケーブルで大画面TVなどに接続すると新しいディスプレイが検出され、ミラー表示や拡張表示などを選ぶ画面が現れる。本機に採用される光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブのため、HD DVDやBlu-ray Discといった次世代メディアを楽しめないのは残念なところだが、気軽にDVD-Videoやプレゼンテーションの画面を大画面TVに表示できるので便利だ。試しに42インチの液晶TVで1920×1080ドット表示を行ったが、画面が崩れたりカットされることもなく、IE7.0の文字もきちんと読み取れた。

 ただ、現状でTVのスピーカーからPCの音声を出力させるには、「コントロール パネル」の「サウンド」から「スピーカー」のデバイス使用状況を手動で「無効」に変更する必要がある。映像出力が簡単に扱えるだけに、このあたりのちぐはぐさは何とももったいないと感じた。

HDMIケーブルと大画面TVを接続するとダイアログ画面が現れる(写真=左)。試しに東芝の液晶TV「REGZA 42Z2000」に接続したところ(写真=中央)。画面の設定で1920×1080ドット表示が行えた。HDMI経由でPCのサウンドをTVで出力させるには、コントロールパネルでスピーカーを無効にする必要がある(写真=右)

 ちなみに、グラフィックスチップのNVIDIA GeForce Go 7600(グラフィックスメモリは512Mバイト)とDVD+R DL対応のDVDスーパーマルチドライブ、ギガビット対応の有線LAN、無線LAN(Intel PRO/Wireless 3945ABG)とBluetooth(Bluetooth 2.0+EDR)、OSのWindows Vista Home Premiumは固定で、BTOメニューに選択肢は用意されていない。

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