最後に、2月中に登場した注目パーツを週別に見ていこう。まず第1週には、Vistaの深夜販売で一時的に店頭に並んだQuad FX用マザーボード「L1N64-SLI WS」が登場した。
価格は4万円台後半だが、TSUKUMO eX.は「搭載するCPUに比べればかわいいもの。週末にはFX-74とセットで購入したツワモノもいました」とコメントしている。ちなみに、Athlon 64 FX-74は現行のQuad FX対応CPUで最上位のモデル。2個セットで14万円前後なので、マザーボードとセットなら約20万円になる計算だ。そんなツワモノのエピソードを、月末までに複数のショップで4回耳にした。高価ながらも、着実に売れている様子だ。
第2週は、グロウアップ・ジャパンのHDDマウント「Smart Drive Classic Cooper」。2002年リリースの全銅製マウントを復刻させたモデルで、価格は1万6800円。USER'S SIDE秋葉原本店によると、2002年版は9800円だったが、銅の相場が値上がりしたために高騰してしまったとのこと。HDDの熱を吸収する冷却性能に加え、約2キロの自重がPCケースの振動を抑えることから静音効果も期待できる。
出足は好調に売れたと語るショップがいくつかあったが、以降は手を出すユーザーが激減したとか。某ショップは「高くても良い品を求める人が購入し、一気にニーズが途絶えた感じです。高級パーツの宿命ですね……」と諦め気味に語った。
第3週には、2年前から噂されたザルマンの水冷キット「Reserator 2 DC」がようやく登場した。価格は4万5000円弱。板上の外付けラジエータ兼ポンプを備え、CPUブロックとGPUブロックを付属している。前モデルからの売りであるファンレスを踏襲し、自然放熱だけで高い冷却性能を誇る。
2年前に登場を熱望したユーザーは多く、Reserator 1 plusが登場した頃には、PCパーツショップ・CUSTOMに複数の問い合わせがあったとか。しかし、現在までにサーマルティクのOrchestraなどのライバル機種が登場したこともあり、「入荷してもお客様のリアクションは全然ありません。まあ、気長に待ちます」(PCパーツショップ・CUSTOM)と、スロースタートを余儀なくされる状況となってしまった。
最後は第4週に登場したabeeのPCケース「AS Enclosure S2R」だ。価格は3万5000円前後で、在庫は潤沢。
AS Enclosure S2Rは総アルミ製のATXケースで、省スペース設計を突き詰めた結果、ミドルタワーでは世界最小のサイズに仕上がった。フロントやサイドをヘアライン加工のパネルで覆い、正面左から側面にかけてカーブを描くなど、デザインも凝っている。
「値段に見合った高級感があるので、高いと感じる人も少ないでしょう。前シリーズから人気があったので、S2Rもヒットすると思います」(TSUKUMO eX.)と、ショップにも好評だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.