TVとのHDMI接続で気になるのは、やはりオーバースキャン/アンダースキャンや解像度のサポート状況、そして表示品質だろう。今回は購入時と同じ未使用の状態から、TVとのHDMI接続を試みた。利用したTVは26インチワイド液晶TVのビクター製「LT-26LC60」で、液晶パネルの解像度は1366×768ドットとなっている。富士通のWebサイトで動作確認済みとして掲載されている製品だ。
Windows Vista起動後の表示は若干アンダースキャン気味になったが、画面の情報が欠けることはなく、初期設定の作業は問題なく行えた。FMV-TEOの出力解像度は1776×1000ドットに設定されたので、TV側がフルHD表示(1920×1080ドット)に対応していることを前提にして、オーバースキャンにならないように自動設定されたようだ。TVの場合、パネル解像度にかかわらず入力可能な解像度を情報として返すので、フルHD表示を前提にした解像度の自動設定は理に適っている。また、今回の組み合わせではD4に相当する1280×720ドットでも若干アンダースキャン気味になるが、特に不満のないレベルで表示できた。
さて、1366×768ドットの液晶パネルに1776×1000ドットで表示すると、「デスクトップのフォントがまともに読めないのでは?」と想像する人も多いと思うが、実はそうでもない。アイコンやフォントサイズが大きめに設定されているため、ブラウザなどを起動しても実用レベルで使えるのだ。実際にフルHD表示のTVに接続した場合、デフォルトの設定ではパネル解像度の細かさが存分に生かされないことになるが、リビングPCとしての利用で1920×1080ドットの高解像度をフル活用する使い方は珍しいだろう。この辺りの仕様は、大型TVと接続して使うPCとしてよく考えられている。
また、FMV-TEOには「ゆったり設定2」というオリジナルユーティティが用意されており、文字やアイコンのサイズを一括して設定できる。TVの画面サイズや実際に利用する距離に合わせての設定も簡単だ。マウスポインタの移動速度も調整可能で、画面の情報量に対するマウスポインタの移動速度を簡単に変えられる。
Vistaの高速起動技術を活用し、起動後すぐにTVやインターネットの機能を利用できるようになる「すぐにテレビ機能/すぐにインターネット機能」が搭載されているのも見逃せない。これらの機能は、独自ユーティリティの「電源オン/オフ設定」から簡単に設定できる。
実際に電源オフの状態からリモコンを使ってTV(MyMedia経由でTV視聴ソフトを起動)とインターネットの各機能をダイレクトに起動した際に要する時間は以下の通りだ。オンに設定しておくと、起動時間はぐっと短くなる。ただし、オンの設定では、シャットダウンから実際に電源が切れるまでに5分程度かかってしまう。次回の起動処理をほぼ済ませてしまうからだ。もちろんVistaならばスリープを活用したほうがより高速に起動できるし、電源コンセントを誤って抜いてしまった、といった場合でも問題はない。それでもPCは毎回再起動したほうが動作の安定化などの面で好ましい、と考える人はオンに設定しておくと便利だろう。
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