実際のベンチマークプログラムを利用してCore 2 Extreme QX6800の性能をチェックしていこう。ベンチマークに利用したのは、筆者がITmediaで掲載しているベンチマーク記事では基本的には2006年の夏からすべて同じバージョンのプログラムを利用している。環境(グラフィックスカード、ドライバなど)もすべて同じものを使っているので、2006年6月以降に掲載されている環境の互換性がある過去のデータとも併せて参照してしい。なお、各ベンチマークの説明に関しては、こちらの記事を参照していただきたい。
CPU | Athlon 64 FX/X2 | Core 2 Extreme/Core 2 Quad/Core 2 Duo/Pentium XE |
チップセット | nForce 590 SLI | Intel 975X |
マザーボード | ASUS M2N32 Deluxe | D975XBX2 |
メモリ | DDR2-800 | DDR2-667 |
メモリモジュール | PC2-6400(5-5-5) | PC2-5300(5-5-5) |
容量 | 1GB | |
ビデオチップ | NVIDIA GeForce 7900 GT | |
ビデオメモリ | 256MB | |
ビデオドライバ | NVIDIA ForceWare 90(v91.03) | |
標準解像度 | 1024x768ドット、32ビットカラー | |
ハードディスク | WesterDigital WD360 | |
フォーマット | NTFS | |
OS | Windows XP Professional+ServicePack2+DirectX9.0c |
基本的な傾向は、Core 2 Extreme QX6700のレビュー記事やCore 2 Quad Q6600のレビュー記事で評価したとおりで、シングルスレッドにのみ対応したベンチマーク(SYSmark2004 SEのOffice Productivity、3DMark05、DOOM3、Final Fantasy XI Official Benchmark 3 Version 1.0など)では、デュアルコアのCore 2 Extreme X6800(2.93GHz)と大きな差はない。しかし、逆にアプリケーションレベルでマルチスレッドに対応しているSYSmark2004 SE Internet Content Creation、TMPGenc 4 XPRESSを利用したエンコード、CineBench2003を利用したCPUによる3D描画テスト、3DMark06のCPUテスト(グラフ6)ではクアッドコアの効果がでている。
このあたりは以前のレビューで指摘したとおりで、やはりクアッドコアの本当の魅力を引き出すには、アプリケーションレベルでマルチスレッドに対応していることが必要になると言えるだろう。
以上のように、Core 2 Extreme QX6800は、動作クロックがデュアルコアの最高峰だったCore 2 Extreme X6800と同じ2.93GHzに到達したこともあり、シングルスレッドでの性能に関しても間違いなくインテル製コンシューマー向けCPUの最高峰にあるといっていいだろう。ただ、価格に関しても、日本円で14万2380円(1000個ロット時の価格)とこちらも超弩級と言ってよい。現在のCore 2 Extreme QX6700の実売価格が12万円台半ばであるので、実際にはそれに近くなると考えられるが、それでも予算が余っているユーザーでもなければ手が出せない価格だ。シングルスレッドでもマルチスレッドでも、インテル製CPUの最高峰を手に入れるというプレミアに納得がいくのなら検討の余地はあるだろう。
“普通のユーザー”でクアッドコアを手に入れたいと思うのであれば、やはり下位SKUとなるCore 2 Quad Q6600がターゲットになるだろう。今のところCore 2 Quad Q6600の価格は851ドルとなっているが、まもなくこれが下げられる方向で検討がなされているという。OEMメーカー筋からは、インテルが4月下旬に予定している価格改定でCore 2 Quad Q6600は500ドル台半ばまで価格が下げられるという情報もでている。現在のCore 2 Duo E6700程度の価格になるわけで、メインストリームユーザーでも十分検討に値するレンジになるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.