ノートPCでもデスクトップPCでもない“何か”――NEC「VALUESTAR N」これが21世紀版Simplemか!?(2/2 ページ)

» 2007年04月16日 11時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]
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かゆいところに手が届くユーティリティが付属

15.4インチワイドのスーパーシャインビュー液晶を搭載する。スピーカー出力は2ワット+2ワットで、輝度は8段階に調整可能だ

 1280×800ドット表示の15.4インチワイド液晶ディスプレイは、やや赤みがかった印象を受けるが、淡い色調でも比較的細やかなグラデーション表現ができている。ただ、色度域をNTSC比で約72%にまでアップしたスーパーシャインビューEX2液晶ではなく、LaVie L ベーシックタイプと同じスーパーシャインビュー液晶を採用するため(上位のVN570/JGはスーパーシャインビューEX2液晶)、輝度はあまり高くなく視野角も広くはない。液晶ディスプレイの周囲が光沢塗装なので光が反射しがちなのも気になるところだ。もっとも、正対して使うぶんには問題なく、WinDVD/Windows Media Center/Windows Media Playerを全画面表示した場合のみ、あらかじめ設定した輝度に自動的に変更してくれるユーティリティ「輝度設定ツール」が重宝する。普段は暗めの輝度で目をいたわって、DVD-Videoやストリーミング映像などのマルチメディアコンテンツは明るい画面で見たいというニーズをしっかりと満たしてくれる。

 もう1つ便利に感じたのは、光ディスクを挿入すると自動的にPCの電源がオンになる「スロットインPower ON」機能と、PCの電源がオフ時でもドライブスロット下のイジェクトボタンを押すことで光ディスクを取り出せる「Power OFF イジェクト」機能だ。「DVD-Videoを見ようと思い立ってPCの電源を入れ、完全に起動するまでその場で待ってから光ディスクを挿入した」、または「PCで聞いていた音楽CDを取り出さないままPCの電源を切ったのだが、急遽その音楽CDが必要になり、そのためだけにPCの電源を入れて取り出した」という、ちょっとした手間と時間の無駄を省いてくれる。大したことがないように思えていざそのシチュエーションが発生すると、意外なほどイライラしたり面倒に感じたりするものなので、これらの機能はなかなか気が利いている。

 本機の冷却は底面部から吸気が行われ、上部にある冷却ファンで排気される仕組みだ。理にかなったやり方だが、排気口が通常のノートPCやデスクトップPCよりもユーザーの耳に近い位置にある関係で、システムに高い負荷をかけ続けるとファンの風切り音が少々耳についた。メールやWebブラウズ程度ではノイズが気にならず、今回は試作段階の評価機だったため、製品版での改良を期待したい。

3つのアプリケーション使用時(全画面)に輝度を自動的に変更してくれる「輝度設定ツール」の画面(写真=左)。排気口が天面部分にあるため、風切り音が聞こえやすい(写真=中央)。ACアダプタはサイズが50(幅)×127(奥行き)×30(高さ)ミリ、重量は約425グラムある。右の画面はWindows Presentation Foundationを使った画像ビューワ/編集ソフトウェアのSmartpPhotoだ


 VALUESTAR Nシリーズは、ライトユーザーをターゲットとした製品ながらも丁寧な作り込みとちょっとした工夫がふんだんに盛り込まれた製品だ。ユーザーが本当に求める「使い勝手のよさ」とはどういうことかをしっかりと形にしている。とくに評価機のVN550/JGは、フラッシュメモリを搭載することでプラッタのシークとリードを抑えて高速なデータアクセスを実現したハイブリッドHDDをいち早く採用したのも見どころだ。バッテリーを内蔵してさらに機動力を高めたVALUESTAR Nも見たいところだが、本体サイズと価格のアップが避けられないことを考えると、現時点では本機のようなのが現実的な落としどころであったのだろう。

 実売価格は最上位のVN570/JGが22万5000円前後、VN550/JGが20万円前後、VN500/JGが18万円前後と、似たようなスペックを備えたLaVie L LL570/JG(実売18万5000円前後)やLL550/JG(同17万円前後)に比べるとやや割高に感じるが、この価格さえ気にならなければ、購入後の満足度は高い製品と言えそうだ。

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