間違って削除したファイルを復元するサクッとおいしいVistaチップス 4枚め

» 2007年04月20日 08時30分 公開
[織田薫,ITmedia]
今回のチップスが使えるエディションは?
エディション Home Basic Home Premium Business Ultimate
対応状況

 Windows XPの場合、ゴミ箱から削除したファイルを復元するのは難しかった。ファイル復元ツールを利用すれば、データ領域が上書きされていないファイルを復活することはできたが、OS標準の機能では実現できず、成功確率もそれほど高くなかった。大事なファイルを誤って消してしまい、後悔したことがあるユーザーは少なくないだろう。

 一方、Windows VistaのUltimate/Enterprise/Businessでは、ファイルを復元できるシャドウコピー機能が標準で用意された。具体的には、システムが自動的にバックアップしたデータから、以前のバージョンのファイルを取り出すことが可能だ。シャドウコピーは、ファイルをフルバックアップするのではなく、変更点を差分バックアップすることにより、HDD容量への影響を最小限に抑えている。

 復元の手順は簡単だ。任意のファイル/フォルダを右クリックして「以前のバージョンの復元」を選ぶと、ファイル/フォルダのプロパティが起動し、「以前のバージョン」タブが表示される。「以前のバージョン」タブには、システムが自動的にバックアップしたファイル/フォルダの一覧が表示される仕組みだ。ここから、復元したいものを選べばよい。

任意のフォルダ/ファイルを右クリックして「以前のバージョンの復元」を選択すると、自動的に取得したファイルの過去バージョン一覧が各プロパティの「以前のバージョン」タブに表示される(写真=左)。一覧から任意のフォルダ/ファイルを選んで「開く」をクリックすると、以前のバージョンのフォルダ/ファイルを直接開くことができる(写真=中央)。フォルダの場合は「開く」を選択後、特定のファイルを選択して別の場所に保存すれば、部分的な復元も可能だ(写真=右)。「以前のバージョン」タブから「コピー」をクリックすると、元の保存場所と違う場所にコピーして復元できる。「復元」をクリックすると、現在のバージョンのファイルを上書きして復元する仕組みだ。なお、シャドウコピーとは別にファイルのバックアップ機能を利用している場合は、「以前のバージョン」タブにバックアップ機能で取得したファイルも表示される。ただし、バックアップで取得したファイルは復元のみ可能だ

 シャドウコピー機能を利用すると、ファイルを任意のタイミングの状態に簡単に戻すことができる。削除したファイルを復活できるだけでなく、コピーして以前のバージョンと比べるようなこともできるので非常に便利だ。ただし、この機能も万能ではない。シャドウコピーはシステムの復元機能の一部として実装されているため、ファイルやフォルダを保存するのは基本的に1日に1回だ。復元ポイントを作成したときは、以前のバージョンとしてファイルが保存されるが、その前のタイミングで削除してしまった場合、以前のバージョンとして保存されない点に注意が必要だろう。

 なお、コントロールパネルの「システムとメンテナンス」から「システム」を選び、左側のメニューで「システム保護」を選択すれば、復元ポイントを任意のタイミングで作成することができる。

シャドウコピーは、復元ポイントの作成時に作られる。復元ポイントは1日1回自動的に生成されるが、「システムのプロパティ」の「システムの保護」で「作成」をクリックすると、手動で作成できる(写真=左)。手動で作成する復元ポイントには、識別のための説明を入力できる(写真=右)

 なお、シャドウコピーで利用できるバックアップデータの容量を超えた場合、古いものから順に自動で削除されてしまう。また、シャドウコピーは同一のHDD内で行っているため、HDDの故障には対応できない。データの保全には、ほかのバックアップ機能と併用することが必要だ。

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