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8万円で手に入るA4ワイドVistaノート「Endeavor NJ2050」を試す(1/2 ページ)

» 2007年04月24日 15時00分 公開
[兼子忍,ITmedia]

 Windows Vistaのリリースから3カ月が経過した現在も、Windows XPを使い続けるユーザーは少なくない。2度のサービスパックと細かなパッチのリリースで動作の安定を確保したWindows XPは、いまだ現役で使い続けることも十分に可能なOSである。だが、今後発売されるアプリケーションの多くがWindows Vista用になっていくことを考えると、いずれはWindows Vistaへのアップグレードが必要になることもまた事実だ。

 Windows Vistaへの乗り換えで最も手っ取り早いのは、VistaがプリインストールされたPCを購入すること。OSだけを入れ替えるよりコストは高く付くが、プリインストールモデルならではの安定性や、メーカーによる動作保証といった安心感は、ユーザーによるOSのアップグレードでは手に入れることのできない要素だ。

 さて、Windows Vista搭載PCを安価に新調する手段として、Windows Vista Home Basic搭載モデルを選ぶという方法がある。Home BasicからはWindows AeroやWindows フリップ 3Dといった一部のユニークな機能が省かれているものの、Home Premium以上のエディションに比べて要求スペックが低く、OS自体の価格も安いので、システム全体の価格を抑えることができる。メールのやり取りやWebサイトの閲覧といったライトユースを中心に使うなら、Windows Vista Home Basicでも機能や使い勝手を不満に感じることはない。

Vistaノートを安く手に入れるなら「Endeavor NJ2050」

 そこで注目したいのが、国内BTOメーカーの老舗エプソンダイレクトが放つワイド液晶搭載ノート「Endeavor NJ2050」だ。これまで同社のノートPCラインアップのローエンドを支えてきたEndeavor NJ2000の後継となる製品で、Celeron M 430(1.73GHz)を搭載し、Windows XPを採用した最小構成なら6万円台、Core 2 DuoとVistaの組み合わせでも10万円を切る抜群のコストパフォーマンスを誇る。

 今回借用した評価機の基本スペックは、CPUがCeleron M 430、メモリが512Mバイト、HDDが80Gバイト、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ(DVD+R 2層記録対応)という内容で、最小構成モデルをベースにHDD容量を強化した構成となっている。OSはWindows Vistaファミリーの中で最もシンプルなWindows Vista Home Basicだ。

 このスペックは国内メーカー製ノートPCのエントリーモデルとほぼ等しい内容だが、メーカー製PCの価格が13万円前後となるのに対し、本機の価格は9万円弱と大幅に安い。付属ソフトウェアが最小限に止まるため、後々にソフトウェアの購入費用が必要になるものの、初期投資をなるべく抑えたい人にとっては本機の価格は魅力的に映るはずだ。また、安定した動作を求める上級者にとっても、本機のプレーンな環境は好意的に受け止めることができるだろう。なお、BTOではCPUにCore 2 Duo T7200〜T7600を用意するほか、メモリは最大2Gバイト、HDD容量は最大160Gバイトまで用意されている。さらに、OSはWindows Vistaの全エディションを選ぶことができる。

使いやすいキーボードとアクセス性に優れた端子レイアウト

 まずは操作性をチェックしよう。液晶ディスプレイは、解像度を1280×800ドットと1440×900ドットの2種類から選べるが、評価機が搭載していたのは前者。15.4インチのワイド液晶を搭載したノートPCには標準的な解像度で、Windows サイドバーを表示しながらでも実用性を満たせるだけのデスクトップ領域を利用できる。ただ、視野角は上下方向で正しい発色を得られる範囲が若干狭く、液晶パネルの角度を適切に調整する必要があるかもしれない。一方、ノングレアパネルを採用するため外光の映り込みは極めて軽微で、光源の位置に関わらず見やすい表示を得られるのは、発色の派手さよりも実用性を重視する人にとってうれしいポイントだ(ちなみに、6月1日の17時まで+2100円で1440×900ドットのパネルにアップグレードできるキャンペーンが実施されている)。

 キーボードは、文字/記号キーの横ピッチが19ミリと広く、ストロークも2.5ミリと十分な深さを確保している。さらに、ノートPCでは縮小されることの多いEnterキーや右Shiftキー、BackSpaceキーにも十分な広さが与えられており、10キーがないことを除けばデスクトップPC用のキーボードと比べても見劣りは少ない。

 タッチパッドはシンプルな2ボタンタイプながら、多機能なSynaptics製ドライバが導入済みで、エッジを使ったスクロールを利用できる。なお、本機にはWebブラウザやメールソフトを起動するワンタッチボタンが搭載されていないが、タッチパッドのコーナータップを有効にすれば、ワンタッチボタンと同等の機能を利用することが可能になる。

 端子類は右側面に2基のUSB 2.0とIEEE1394、PCカードスロット、サウンド端子を搭載し、使用頻度の高い端子類に簡単にアクセスできるレイアウトとなっている。ネットワーク端子やビデオ出力端子(アナログRGB)が、ケーブルを接続しても操作のじゃまになりにくい背面に集められている。さらに、USB 2.0端子も2基が背面に用意され、常時接続するデバイスと一時的に接続するデバイスで、使用する端子の位置を選ぶことが可能となっている。

左から本体前面/背面/左側面/右側面

 本体底面には大小2枚のカバーが装着されている。大きいカバーの下にはCPUソケットと2基のメモリスロット、無線LANモジュール専用スロットが用意され、メモリスロットのうち1基は未使用となっていた(BTOで選んだメモリ容量によっては、メモリスロットに空きがない場合もある)。カバーを固定するネジが7本と多く、着脱には少々の面倒がともなうが、カバーの取り外し作業自体の難易度は低く、購入後のメンテナンスも手軽に行なえる。

 また、小さいカバーの中には2.5インチ、9.5ミリ厚のHDDが搭載されていた。ある程度のスキルがあるユーザーなら、万が一HDDにトラブルが発生しても、自力でドライブを交換して復旧することも可能だろう。なお、バッテリー容量は11.1V/4400mAhで、約3.7時間の駆動が行える。このクラスのノートPCでは十分なバッテリーライフと言える。

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