クロック設定はBIOSで行う。というわけで、まずはXPS 710 H2Cを起動しよう。起動画面の「DELL」ロゴに表示されるスクロールバーがウニウニうごめいているうちに[F2]キーを押す。これで、BIOS設定画面に移行する。画面左側にメニュー項目の階層が表示されるが、→キーでカーソルを動かして「Performance」にあわせて[Enter]キーを押すと、Performanceに含まれるサブメニューの階層が表示される。そうしたら、その階層の上から2番めにある「CPU Clock Speed」を選んで(その2つ下にある“OverClocking”ではないので注意)[Enter]キーを押せば、緑色のカーソルがクロック数を表示しているエリアに移動する。
あとは「上矢印キー」を押せばよい。Core2 Extreme QX6700を搭載したモデルなら、1回押すと「2.93GHz」に、2回押すと「3.20GHz」にクロックが変わるはずだ。用意されているのはこの3段階のみ。自分が設定したいクロックになったら後は[Enter]キー→[Esc]キーで表示されるExitメニューから「Save/Exit」を選べばいい。XPS 710 H2Cが再起動して「3GHz超えPC」に生まれ変わってガシガシと動いてくれる。
「そ、それだけ?」
「そう、それだけ」
組み込まれたH2Cクーラーユニットが優秀なおかげか、Core2 Extremeのマージンの大きさのおかげか、3GHzを超えるオーバークロック状態でXPS 710 H2Cはベンチマークテストをネチネチ走らせても安定して動いてくれる。
米国で出荷して日本で販売しない理由は定かではないし、せっかくの充実したデルのサポートを棒にふってまでオーバークロックする意味がすべてのユーザーにあるわけでもないので、積極的に勧めるわけではないが、とにかく、BIOSに用意されたたった1つの項目を設定するだけでいとも簡単に3GHz超えで動いてしまう「懐の深さ」をXPS 710 H2Cは持っている。
さて、その懐の深いXPS 710 H2Cだが、BTOで用意しているOSはイマドキにしては珍しい「Windows XP」のみ。Windows Vistaモデルは存在しない。実はこれもこのPCの「最強伝説」を物語るひとつの重要な要素だったりする。後編ではそのあたりについて紹介する予定だ。
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