10年の歴史がはぐくんだ極上の「持つ喜び」――「VAIO“New”type T」継承される505のスピリット(2/4 ページ)

» 2007年05月17日 13時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

VAIO type Uシリーズに迫る超小型のマザーボードを採用

 PCの基本スペックは、先日インテルから発表されたSanta Rosaを採用せず、従来のIntel 945GMS Expressチップセットと超低電圧版のCore 2 Duo/Celeron MのCPUを搭載する。そのため、Dynamic FSB Switching」や「Intel Dynamic Acceleration」、「Intel Turbo Memory」といった新機能は利用できないが、Santa Rosa世代の超低電圧版CPUがリリースされていない現状ではやむを得ないところだろう。

 搭載するCPUは、店頭向けが超低電圧版Celeron M 443(1.2GHz)のみで、VAIOオーナーメードモデルではtype T初となるデュアルコアのCore 2 Duo U7600(1.2GHz)や同U7500(1.06GHz)が選択できるようになった。一方でマザーボードの基板が縮小(面積比でTXシリーズの約30%減)された関係で、これまでのオンボードメモリがなくなり、メモリスロットが1基のみとなった点には注意したい。PC2-4200対応のメモリは店頭モデルで標準1Gバイト、VAIOオーナーメードモデルでは2Gバイトと1Gバイトからの選択となる。なお、無線LANはIEEE802.11a/g/b準拠で、Bluetooth 2.0+EDRにも標準で対応する。加えて、直販モデルならばドラフト802.11n対応のIntel Wireless WiFi Link 4965AGNも選択が可能だ。

 なお、マザーボードの詳細記事はこちら(ホントに小さい新VAIO type Tのマザーボード)を参照してほしい。

新モデルのマザーボード(写真=左)。従来のtype Tシリーズに比べ面積比で30%も縮小し、VAIO type Uに迫る超小型ボードになっている。メモリスロットは底面から簡単にアクセスできるが、1スロットしか用意されていない(写真=中央)。評価機に採用されていたPC2-4200対応のメモリモジュールで、手前が直販モデルの2Gバイト、奥が店頭向けモデルの1Gバイトとなる(写真=右)

2.5インチHDD/1.8インチHDD/32Gバイトフラッシュメモリが選択可能

 特徴的なのがストレージデバイスの構成だ。店頭向けモデルは、容量80Gバイトの1.8インチHDDとDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブという2スピンドル構成だけだが、直販ではVAIO type GVAIO Uで採用された32GバイトのNAND型フラッシュメモリのほか、2.5インチHDD(5400rpm)/1.8インチHDD(4200rpm)、DVDスーパーマルチドライブを組み合わせることが可能だ。具体的には下の表のようにまとめられる。

VAIOオーナーメードモデルで選択できるストレージデバイスの構成
1スピンドル 2.5インチHDD(160Gバイト)
32Gバイトフラッシュ+2.5インチHDD(160Gバイト)
32Gバイトフラッシュ+DVDスーパーマルチ
2スピンドル 1.8インチHDD(100Gバイト)+DVDスーパーマルチ
1.8インチHDD(80Gバイト)+DVDスーパーマルチ
1.8インチHDD(60Gバイト)+DVDスーパーマルチ

 左パームレスト下にあるスペース(ドライブ1)に32Gバイトフラッシュメモリか1.8インチHDDを内蔵し、本体右半面のスペース(ドライブ2)にDVDスーパーマルチドライブか2.5インチHDDが収納される。ドライブ2はいずれかを選ぶ必要があるので、32Gバイトのフラッシュメモリのみや1.8インチHDDのみといった構成はできないが、パフォーマンスアップを狙うならば32Gバイトフラッシュメモリに注目したい。

 詳細はこちらの記事(VAIO type Gゼロスピンドルモデルで“もっさりVista”に喝を入れた)に譲るが、フラッシュメモリ搭載モデルではOSのシステム領域がフラッシュメモリ上に置かれるため、OSの起動/シャットダウン速度の向上、バッテリー駆動時間の延長、約45グラムの軽量化に加え、頻繁にアクセスするフラッシュメモリ部分は駆動部品がないため、HDDより故障リスクが減少するなどの効果が期待できる(フラッシュメモリの書き換え耐用回数はあるが)。実際にフラッシュメモリ搭載モデルは、非搭載モデルに比べてOSやアプリケーションの起動、大容量ファイルのコピーなどできびきびとした印象を受けた。逆に店頭モデルは、搭載メモリが1Gバイト以上あろうともCPUのCeleron MではWindows Vistaは荷が重いようで、OSの起動やアプリケーションの動作にかなりのもたつきが見られた。

32GバイトのNAND型フラッシュメモリとDVDスーパーマルチドライブを内蔵した直販モデルの分解写真(写真=左)。中央手前にあるのが32Gバイトのフラッシュメモリで、モジュール自体はVAIO type Gと共通だ。無線LANやワンセグチューナーのアンテナはすべて液晶ディスプレイ周りに配置され、Bluetooth用のアンテナのみ左側面の排気口にある。中央が店頭向けモデルVGN-TZ50B、右が32Gバイトのフラッシュメモリと2.5インチHDDを搭載した直販モデルVGN-TZ90SのWindows エクスペリエンス インデックスの画面だ。CPUやHDDのスコアが大きく違っているのが見て取れる

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