PCの基本スペックは、先日インテルから発表されたSanta Rosaを採用せず、従来のIntel 945GMS Expressチップセットと超低電圧版のCore 2 Duo/Celeron MのCPUを搭載する。そのため、Dynamic FSB Switching」や「Intel Dynamic Acceleration」、「Intel Turbo Memory」といった新機能は利用できないが、Santa Rosa世代の超低電圧版CPUがリリースされていない現状ではやむを得ないところだろう。
搭載するCPUは、店頭向けが超低電圧版Celeron M 443(1.2GHz)のみで、VAIOオーナーメードモデルではtype T初となるデュアルコアのCore 2 Duo U7600(1.2GHz)や同U7500(1.06GHz)が選択できるようになった。一方でマザーボードの基板が縮小(面積比でTXシリーズの約30%減)された関係で、これまでのオンボードメモリがなくなり、メモリスロットが1基のみとなった点には注意したい。PC2-4200対応のメモリは店頭モデルで標準1Gバイト、VAIOオーナーメードモデルでは2Gバイトと1Gバイトからの選択となる。なお、無線LANはIEEE802.11a/g/b準拠で、Bluetooth 2.0+EDRにも標準で対応する。加えて、直販モデルならばドラフト802.11n対応のIntel Wireless WiFi Link 4965AGNも選択が可能だ。
なお、マザーボードの詳細記事はこちら(ホントに小さい新VAIO type Tのマザーボード)を参照してほしい。
特徴的なのがストレージデバイスの構成だ。店頭向けモデルは、容量80Gバイトの1.8インチHDDとDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブという2スピンドル構成だけだが、直販ではVAIO type GやVAIO Uで採用された32GバイトのNAND型フラッシュメモリのほか、2.5インチHDD(5400rpm)/1.8インチHDD(4200rpm)、DVDスーパーマルチドライブを組み合わせることが可能だ。具体的には下の表のようにまとめられる。
VAIOオーナーメードモデルで選択できるストレージデバイスの構成 | |
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1スピンドル | 2.5インチHDD(160Gバイト) |
32Gバイトフラッシュ+2.5インチHDD(160Gバイト) | |
32Gバイトフラッシュ+DVDスーパーマルチ | |
2スピンドル | 1.8インチHDD(100Gバイト)+DVDスーパーマルチ |
1.8インチHDD(80Gバイト)+DVDスーパーマルチ | |
1.8インチHDD(60Gバイト)+DVDスーパーマルチ | |
左パームレスト下にあるスペース(ドライブ1)に32Gバイトフラッシュメモリか1.8インチHDDを内蔵し、本体右半面のスペース(ドライブ2)にDVDスーパーマルチドライブか2.5インチHDDが収納される。ドライブ2はいずれかを選ぶ必要があるので、32Gバイトのフラッシュメモリのみや1.8インチHDDのみといった構成はできないが、パフォーマンスアップを狙うならば32Gバイトフラッシュメモリに注目したい。
詳細はこちらの記事(VAIO type Gゼロスピンドルモデルで“もっさりVista”に喝を入れた)に譲るが、フラッシュメモリ搭載モデルではOSのシステム領域がフラッシュメモリ上に置かれるため、OSの起動/シャットダウン速度の向上、バッテリー駆動時間の延長、約45グラムの軽量化に加え、頻繁にアクセスするフラッシュメモリ部分は駆動部品がないため、HDDより故障リスクが減少するなどの効果が期待できる(フラッシュメモリの書き換え耐用回数はあるが)。実際にフラッシュメモリ搭載モデルは、非搭載モデルに比べてOSやアプリケーションの起動、大容量ファイルのコピーなどできびきびとした印象を受けた。逆に店頭モデルは、搭載メモリが1Gバイト以上あろうともCPUのCeleron MではWindows Vistaは荷が重いようで、OSの起動やアプリケーションの動作にかなりのもたつきが見られた。
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