電源周りには、従来のDS3モデルと同じ6フェーズの回路が採用されている。GIGABYTEの上位モデルでは12フェーズの電源回路を持つモデルがあるため、一見地味なスペックに見えるかもしれないが、メインストリームマザーのラインアップとしては余裕を持たせた仕様といえる。
マザーボードに使用されているコンデンサは、すべてが固体電解タイプとなっている。従来の電解コンデンサと比べて経年劣化が少なく高耐久であるためマザーボードの信頼性が高くなる。また、MOS-FETには“オン抵抗”(電流が流れ始めるときに発生する抵抗値)が少ないパーツを採用して高い電力効率を実現。発熱も少ないためオーバークロック動作における安定性もアップする。さらに、フェライトコアチョークコイルが実装されている。
これら、オール固体電解コンデンサとLow RDS(on) MOS-FETとの組み合わせによる高耐久設計を、GIGABYTEは「Ultra Durable2」と命名して自社製品の差別化ポイントとして訴求している。従来の製品では、オール固体コンデンサモデルを「Ultra Durable」と呼んでいたが、その上位グレードということになる。
オンボード搭載機能としては、RTL8111BによるギガビットLANを搭載。オーディオコーデックは、RealtekのALC889Aを搭載しており、7.1チャンネル+2チャンネルのオーディオに対応している。IEEE 1394用のコントローラは搭載されていない。
GA-P35-DS3Rには、GIGABYTEの多くのモデルで採用されているBIOSメニュー「M.I.T.」(MB Intelligent Tweaker)が用意されている。オーバークロックを行う機能で細かい設定が可能だ。FSBの設定は、1MHz単位で設定でき最大700MHzまで指定可能。同様にGIGABYTE製品で使われているオーバークロック機能「C.I.A.2」では、事前に用意されて6種類のオーバークロック設定から選択できる簡易オーバークロックが可能だ。
「Robust Graphics Booster」では、グラフィックスカードのコアクロックやメモリクロックを3段階でコントロールする。実際に「GeForce 7600 GT」搭載カードで「Auto」「Fast」「Turbo」に設定してみたところ、Autoでコア561MHz/メモリ702MHz、Fastでコア590MHz/メモリ720MHzに変更し、Turboではコア617MHz/メモリ738MHzまで動作クロックが上昇した。もちろん、それに応じてグラフィックスカードのパフォーマンスもアップする。今回は、Turbo設定で3DMark05を動作させてみたが、不具合なく正常に計測できた。パフォーマンスはクロック上昇分程度確実にアップする。
ほかにも、MCHやFSBの電圧設定など、かなり自由度の高い設定が可能で、オーバークロックで遊ぶためのマザーボードとしても、十分に使えそうである。
テスト環境 | |
CPU | Intel Core2Duo E6700(2.66GHz) |
メモリー | DDR2 PC2-6400 1Gバイト×2(Corsair XMS2) |
Graphics | NVIDIA GeForce 7600GT 256Mバイト+ForceWare 93.71 |
HDD | Seagate ST3160812AS SATA 160Gバイト 7200rpm |
OS | WindowsXP Professional SP2 |
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