Santa Rosaとワイド液晶でVistaがより快適に――富士通「FMV-BIBLO MG70W/V」を試す定番スリムノートが大変身(3/4 ページ)

» 2007年05月29日 16時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

モバイルに便利なワンセグやBluetoothも搭載

 新機能ではないので詳細には触れないが、内蔵のワンセグチューナーは予約録画機能も備えるなど、機能が充実している。付属のアンテナケーブルを接続しないと受信感度はワンセグケータイに少し劣る印象だが、一般的なF型の外部アンテナも接続可能で、すでに地上デジタル方法に対応したアンテナ設備がある場合には屋内でも安定して視聴や録画が行える。アンテナは液晶ディスプレイの裏面にスマートに内蔵されており、重量が若干かさむ以外にはデメリットがほぼないのもポイントだ。

前面に付属のヘッドフォンアンテナやRF変換ケーブルを接続すれば、ワンセグの受信状況を改善できる(写真=左)。RF変換ケーブルは2方向に分かれ、ヘッドフォン/ライン出力が可能になっている。ワンセグの視聴ソフト「InterVideo Mobile TV」はコンパクトなウインドウ表示に加えて、フルスクリーン表示も可能(写真=中央/右)。フルスクリーン表示でもディスプレイいっぱいまでは映像は引き伸ばされないが、そもそもワンセグの解像度が320×240/320×180ドットということを考慮すると、画像の粗が目立たない程度の大きさにとどめておくのが妥当だろう

予約録画は電子番組表からの予約にも対応する。ワンセグの各種設定は小さなウィンドウで行うため、少し窮屈な印象だ

Bluetoothは携帯電話でも採用の進む「A2DP」に対応。ファイル交換やハンズフリーの利用だけでなく、高音質音楽再生も行える

 モバイル用途においては、Bluetoothの装備も見どころになる。Bluetoothは、ほぼ最新仕様となるV2.0+EDRで、ステレオ音楽再生が可能な「A2DP」にも対応している。スタックもWindows XP世代から定番の1つである東芝製がプレインストールされており、著作権保護技術の「SCMS-T」に対応したステレオヘッドセットであるソニー「DR-BT21G」も問題なく利用できた。

 残念ながらワンセグの音声はワイヤレス出力できないようだが、これは現状本機に限ったことではない。とはいえ、SCMS-Tにも対応しているのだから、対応デバイスの利用時にはそろそろワイヤレス再生も開放して欲しいところだ。

Santa Rosaにより着実に強化されたパフォーマンス

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 気になるパフォーマンスだが、Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは「3.4」となっている。ただし、サブスコアが4を切っているのはグラフィックスのパフォーマンスのみで、これはチップセット内蔵グラフィックスということで仕方ない部分だ。もちろん、Windows Aeroは快適に使える。ほかのサブスコアはWindows Vistaを十分快適に使える4以上のスコアとなっており、実際ストレスなくWindows Vistaを扱える。

 次にベンチーマークテストの結果を見てみよう。CPUに関してはモバイル向けCore 2 DuoのT7xxx番台ではもっとも動作クロックが低いにも関わらず、PCMark05は「3400」とノートPCにして不満のないスコアだ。3Dグラフィックスに関してはヘビーな3Dアクションゲームなどは無理があるが、FF XIベンチの結果を見れば分かる通り、リアルタイムRPG程度ならば設定次第で十分に楽しめそうだ。

左からPCMark05、3DMark06、FF XIベンチの結果

 パフォーマンスとともに気になる動作音だが、WebアクセスなどCPU負荷のさほど大きくない場合でもかすかにファンは回転している状態が多かった。ただし、CPU負荷の高いベンチマークテスト中などでもファンの音が耳障りになることはなかったし、底面が極端に熱を持つこともなかった。底面に放熱スペースを広く取りやすいA4スリムのボディではファンレスという選択肢もありだと思うが、膝乗せといった利用スタイルも無視できない本機ではファンの搭載は正解だろう。

本体の表面(写真=左)と裏面(写真=中央)。光学ドライブとHDDを右側に集め、左側に冷却ファンを設けている。裏面には、CPUスロット、2基のメモリスロット、2基のPCI Express Miniカードスロットが並ぶ。無線LANとワンセグの機能は、PCI Express Miniカードで提供されている(写真=右)

ところ狭しとデバイスが敷き詰められたコンパクトなマザーボード

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