新機能ではないので詳細には触れないが、内蔵のワンセグチューナーは予約録画機能も備えるなど、機能が充実している。付属のアンテナケーブルを接続しないと受信感度はワンセグケータイに少し劣る印象だが、一般的なF型の外部アンテナも接続可能で、すでに地上デジタル方法に対応したアンテナ設備がある場合には屋内でも安定して視聴や録画が行える。アンテナは液晶ディスプレイの裏面にスマートに内蔵されており、重量が若干かさむ以外にはデメリットがほぼないのもポイントだ。
モバイル用途においては、Bluetoothの装備も見どころになる。Bluetoothは、ほぼ最新仕様となるV2.0+EDRで、ステレオ音楽再生が可能な「A2DP」にも対応している。スタックもWindows XP世代から定番の1つである東芝製がプレインストールされており、著作権保護技術の「SCMS-T」に対応したステレオヘッドセットであるソニー「DR-BT21G」も問題なく利用できた。
残念ながらワンセグの音声はワイヤレス出力できないようだが、これは現状本機に限ったことではない。とはいえ、SCMS-Tにも対応しているのだから、対応デバイスの利用時にはそろそろワイヤレス再生も開放して欲しいところだ。
気になるパフォーマンスだが、Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは「3.4」となっている。ただし、サブスコアが4を切っているのはグラフィックスのパフォーマンスのみで、これはチップセット内蔵グラフィックスということで仕方ない部分だ。もちろん、Windows Aeroは快適に使える。ほかのサブスコアはWindows Vistaを十分快適に使える4以上のスコアとなっており、実際ストレスなくWindows Vistaを扱える。
次にベンチーマークテストの結果を見てみよう。CPUに関してはモバイル向けCore 2 DuoのT7xxx番台ではもっとも動作クロックが低いにも関わらず、PCMark05は「3400」とノートPCにして不満のないスコアだ。3Dグラフィックスに関してはヘビーな3Dアクションゲームなどは無理があるが、FF XIベンチの結果を見れば分かる通り、リアルタイムRPG程度ならば設定次第で十分に楽しめそうだ。
パフォーマンスとともに気になる動作音だが、WebアクセスなどCPU負荷のさほど大きくない場合でもかすかにファンは回転している状態が多かった。ただし、CPU負荷の高いベンチマークテスト中などでもファンの音が耳障りになることはなかったし、底面が極端に熱を持つこともなかった。底面に放熱スペースを広く取りやすいA4スリムのボディではファンレスという選択肢もありだと思うが、膝乗せといった利用スタイルも無視できない本機ではファンの搭載は正解だろう。
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