車載ワンセグ「PTV-DT1」の実力――首都高ぐるぐるベンチマークドライブをもっと楽しもう(2/2 ページ)

» 2007年06月13日 11時45分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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ロートルマイカー+カーナビに接続して首都高をグルグルしてみた

 この原稿の発注元である編集部のG氏からは車載して首都高(C1)をぐるぐるしてほしいと要請された。ノートPC+USBワンセグ比較でやっている山手線ベンチの車載版ということらしいが、C1の日中の慢性渋滞を考慮すると深夜にやるしかない。さらにいえば、運転している間は評価も何もできないので、同乗者が必要である。深夜に首都高をぐるぐる周るのだけに付き合ってくれるパッセンジャーって……まぁ山手線ほど人目は気にならないとは思うのだが……。

 右がカーナビに接続してみた写真だ。カーナビは1999年製の「AVCI-D9500」(パイオニア)。大体第2世代のDVDカーナビで、地図さえ更新すれば機能的にはまったく不満がないため、いまだに使い続けている。もちろんバリバリのアナログチューナーだ。

 筆者の車はステーションワゴンでカーナビ本体はラゲッジルームの床下に設置されている。このため5メートルのAVケーブルと延長用アダプタを使用した。ちなみにAVケーブルが1480円、延長用アダプタが790円だった。延長ケーブルを使ったほうがスマートなのだが、延長ケーブルは2メートル程度の長さの製品しか家電店では入手できないので、こんな形になった。

検証時の車内はこんな感じ。初日は三脚が大型タイプでうまく固定できなかったので、小型タイプを新調することに(泣)

 そして同乗者は、結局友人であるシナリオライター兼ラジオパーソナリティ兼、自称プチ声優(私は良く知らない)のSK嬢が終電で帰宅するところを拉致し 紳士的にドライブへと誘い、そのままお付き合い頂くことにした。

 リアシートには三脚にカメラを固定して、カーナビに接続した映像を録画しつつ音声メモの代わりとし、SK嬢にもメモ取りをお願いしている。ちなみに1日目は三脚の固定が甘かったのかチェック用の映像がうまく撮影できていなかったので、2日がかりとなった。

 なお、今回のベンチマークでは「付属のストラップアンテナ利用」「外付けアンテナを車内ダッシュボードに固定」「外付けアンテナを車外に固定」の3パターンで検証した(チャンネルは6チャンネルに固定)。また、比較用にワンセグケータイであるソフトバンク911Tもロッドアンテナを伸ばした状態で同時に検証している。

 C1内にはパーキングエリアが存在しないため、箱崎パーキングエリアをスタートして6号からC1に合流してC1内回りを車の流れに合わせて走行し、箱崎パーキングエリアに戻る、を繰り返した。時間は早朝の3:00〜5:00ごろ。楽しい深夜のドライブである。

外付けアンテナは車内では写真の位置。スーピーカーカバーが金属網だったので、問題なく固定できた(写真=左)。車外ではこの位置。移動中に首都高速湾岸線で制限速度で走行したが、まったく問題なかった(写真=中央)。検証開始前の箱崎PAの道路情報。この通りC1は渋滞なしの状態だ(写真=右)

 4カ所のトンネルと汐留トンネルから宝町まで続く連続立体交差、これ以外の高架部という6つのポイントに分けて評価した。それぞれ受信不能となった時間を計測し、走行時間に対する比率も計算している。なお音声が途切れなければ、一瞬画面が乱れる程度は正常と見なした。以下の表がその結果だ。


 ストラップアンテナも悪くない印象だが、ロッドアンテナを伸ばした携帯電話と比較するとまだ感度が悪いかな、というレベル。表に反映されていない部分を上げておくと、高架部ではほぼ途切れなく映像が受信できたが、時折ブロックノイズが走ることがあったのはストラップアンテナ利用時だけだった。

 なお、本機はパッセンジャーの右手に持っていてもらったので、もう少し高い位置にぶら下げるといった設置方法なら多少良い結果になるかもしれない。最初はバックミラーにぶら下げようかと思ったのが、運転に支障がでそうなのであえて避けた。

 外付けアンテナは車内でも効果はあったが、やはり車外に設置するとその効果は明白に大きい。特に新宿線との合流路がある千代田トンネルでの効果は大きく、かなり粘った。ほかの組み合わせでは汐留トンネルでも一瞬画像が乱れることはあったものの、外付けアンテナならこれもまったくない。ちょっとロングドライブ、なんて時には車外に外付けアンテナを設置すると幸せになれそうだ。

車載でも車載以外でも結構楽しい製品

 本機は車載を強く意識した製品だが、屋内でテレビやPCと組み合わせての利用も結構重宝しそうだ。PCと組み合わせる場合AV入力を持ったテレビチューナーやビデオキャプチャ機能が必要ではあるが、電源はUSB給電でも問題なさそうだ。アンテナ入力に関してはF型コネクタのアダプタも付属しているので、屋内ではアンテナ線を接続することでより安定した受信も期待できる。録画という点まで考慮すると、USB接続タイプのほうがメリットは大きいが、本機の場合は車載も兼ねられるというほかにない利点がある。

 気になった点を挙げるとすれば、ケーブル類の接続がアンテナは上部、電源とAV出力は下部とちょっとスマートではない点だろうか。付属のストラップ型アンテナを利用する場合にはあまり気にならないが、外付けアンテナを利用する場合などには、かなりじゃまっけな感じがするし、ホルダーなどへの固定にもちょっと不便だ。できればアンテナ端子は上下に、なんて形になれば使い勝手もより向上するのではと思う。

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