「HD革命/BOOT革命」でVistaへスイッチ俺のブートはレボリューションだ!(4/4 ページ)

» 2007年06月22日 16時20分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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インテルMacで外付けHDDからWindowsを起動できる?

 ところで、Macでは以前から外付けHDDからOSを起動することができた。Windows XP/Vistaが動作するインテルMacで、外付けHDDからWindows Vistaが起動できれば、と考えるユーザーがいるかもしれない。

 ただし、結論から言うと「MacBook Proで検証した限り」不可能だった。XPであればBOOT革命/USB Ver.1で可能だが、Ver.1はVistaに対応していない。

Boot Camp 1.3βを使ってMacBook Pro上でWindows Vistaを起動。デバイスマネージャには本体キーボードはApple Keyboardとして表示されているが、BOOT革命のパスワード入力画面では認識されない

 試みた手順は以下の通り。まず、Boot Camp 1.3βを使用してWindows Vistaをインストール。そこにBOOT革命をインストールして、USB HDDにバックアップする。USB HDDから直接OSを起動することはできないが、起動コードを書き込むと内蔵HDD上のWindows Vistaも起動できなくなるため、BOOT革命の製品CDから起動させる。

 Ver.1とVer.2のブート時の違いは、パスワード保護と複数ドライブからの起動ディスク選択機能だが、パスワード入力画面でキーボードからの入力を受け付けなかった。パスワードの設定/未設定に関わらず、パスワード入力画面は表示されるため、そこから先に進むことができない。残念ながら、Ver.1ではVistaに対応しておらず、Ver.2では起動ができない、という結果となった。念のためVer.1の製品CDを使ってVer.2のUSB HDDを起動してみたが、この場合は起動画面で停止してしまった。

 この「パスワードが入力できない」という問題は、検証した限りではWindowsマシンであってもUSB接続のワイヤレスキーボード「EasyCall Desktop CK-4000」の場合で発生する。もっとも、すべてのワイヤレスキーボードが該当するかどうかは不明で、デバイスとして少し特殊なCK-4000(USBスピーカがキーボード/マウスのレシーバを兼ねている)特有の問題なのかもしれない。

 ちなみに、起動の際にはキーボードからの入力を求める場面が都合3回ある。1回めはUSB-HDDから起動するか、という問い合わせ。2回めはパスワードの入力。そして3回目がドライブの選択だ。アーク情報システムによると、3回めのドライブの選択画面ではUSBキーボードからの入力を受け付けなくなるが、1、2回めの入力は可能なはず、とのことだった。実際、WindowsマシンにUSBで接続した「Happy Hacking Keyboard」ではパスワードの入力が可能だ(MacBookProでは不可)。

いまだ競合の存在しない孤高のユーティリティ

 BOOT革命/USB Ver.1は2005年7月に発売された。当時のレビュー(PC USER 2005年9月号/ソフトバンク・パブリッシング)で筆者は「前例のないユーティリティ」と紹介した。それから約2年、BOOT革命はいまだ競合の存在しない、唯一無二のユーティリティであり続けている。ただ、惜しむらくは競合がいないゆえか、やや強気の価格設定と感じるところだ。

 PCのコモディティ化が進んだ結果、現在では据え置きで場所を占有せずにすむノートPCや、スタイリッシュなスリムデスクトップPCの比率が高くなってきている。そういった拡張性に乏しい筐体が致命的な弱点とならないのは、高速かつホットプラグに対応したUSB 2.0の標準搭載と、対応周辺機器の充実が一因だろう。

 FDDや光学ドライブを搭載していなくても必要なときにUSBで接続すればいいし、HDDの容量が足りなくなったらUSBで外付けHDDを追加すればいい。つまり、USBがある限り拡張性はある程度確保されている。

 ここで取り上げたBOOT革命は、そこからさらに一歩踏み出し、ソフトウェア的に課せられた制限――例えば、USB HDDからWindowsが起動できないといった制限からも解き放ってくれるもう1つの機能拡張と言える。今回はVistaへの移行にフォーカスして活用事例を紹介したが、ユーザーのアイディア次第で活用シーンは大きく広がるはずだ。

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