モノクロ16枚/分、カラー12枚/分という公称値にどこまで近づけるか、1320cの出力速度を計測するためにA4印刷のテストを行った。計測したのは「電源オンから印刷可能になるまで」「モノクロのファーストプリント」「カラーのファーストプリント」「JEITA J1(モノクロ16部印刷/ファーストプリント含む)」「JEITA J1(モノクロ16部印刷/ファーストプリント含まず)」「JEITA J9(カラー12部印刷/ファーストプリント含む)」「JEITA J9(カラー12部印刷/ファーストプリント含まず)」にかかる時間だ。
利用したOSはWindows Vista Home Premiumだが、Windows XP Professional SP2での計測でも、ほとんど速度に変化がなかった。テストはストップウォッチによる手動計測で、Word 2003(JEITA J1/J9印刷)の印刷画面から「OK」をクリックした時点で計測を開始し、最後の用紙が排出された段階で終了となる。ファーストプリントを含めない場合は、1枚目が排出された時点で計測を開始し、最後の用紙が排出された段階で終了だ。計測は5回行なった中間値を採用している。カラー印刷時にはソート(部単位で印刷)をオフにし、ドライバの設定はモノクロ/カラーとも標準設定とした。
プリントテストの結果(すべてA4) | |
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電源オンから印刷可能になるまで | 9.82秒 |
モノクロのファーストプリント | 16.84秒 |
カラーのファーストプリント | 18.09秒 |
JEITA J1(モノクロ16部印刷/ファーストプリント含む) | 90.39秒 |
JEITA J1(モノクロ16部印刷/ファーストプリント含まず) | 74.24秒 |
JEITA J9(カラー12部印刷/ファーストプリント含む) | 73.20秒 |
JEITA J9(カラー12部印刷/ファーストプリント含まず) | 59.42秒 |
テストに使用したPC CPU:Athlon64 3200+(2.0GHz)、メインメモリ:2Gバイト、HDD:Seagate Barracuda 7200.7(ST3160021A/160Gバイト)、OS:Windows Vista Home Premium |
結果を見ると、ファーストプリントでウォームアップに時間を取られてしまい、公称値通りの速度が出なかったのは残念だが、なかなかの性能と言える。ファーストプリントを含めない計測では、モノクロが1枚当たり約4.93秒、カラーが1枚当たり4.95秒となった。カラーは公称値通りだが、モノクロが約13枚/分となる。ドライバの設定が標準であることを考えると、設定次第ではもっと高速に出力できるかもしれないが、今回の環境では公称値に届かなかった。
なお、1320cは初回の電源投入時にのみ自己診断機能が働くようで、ウォームアップを含めて4秒近く余計に時間がかかってしまう。それ以降は、電源投入後に6秒前後で印刷可能な状態になることを付け加えておく。
1320cの印刷品質についてだが、モノクロの文字印刷では細かな文字もつぶれることなく十分に判別可能で、デジタルカメラで撮影した静止画の印刷では600dpi×600dpiとインクジェット機におよばないながらも、鑑賞に耐えるだけのクオリティを持っている。
競合機種にはウォームアップ0秒をうたう強力なライバルが存在しているが、1320cのコストパフォーマンスは非常に高い。ランニングコストに関しても、モノクロ印刷を多用しつつ、ときどきカラー印刷も行いたいといった使い方であれば、低く抑えることができるだろう。SOHOや小規模事業所では、効果的な運用方法をよく検討する必要があるが、個人ユースであれば、この性能でこの価格は実に魅力的だ。
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