HQV技術の導入で映像美を追求――BenQのミッドレンジ“液晶”プロジェクター「W500」(2/2 ページ)

» 2007年07月17日 10時00分 公開
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スティック操作で制御可能なレンズシフト機構により、設置の自由度は高い

 本体のサイズは349(幅)×120(高さ)×277(奥行き)ミリと、「W100」(283×94×238ミリ)よりもひと回り大きい印象だが、720p液晶プロジェクターとしてはコンパクトな部類に入るだろう。カラーリングはグロッシーホワイトを基調とするとともに、両サイドのパネルなどにはシルバーを配したことで、どこか「W10000」にも近い雰囲気を漂わせている。

photo 1基の大型ファンの低速回転と3基のブロワーの冷却によって、本体内に穏やかなエアフローをつくりだしている。右側面にあるのは吸気口
photo 排気口は前面と右側面の角に設けられている。動作中の運転音はノーマルで32dB、省電力モードであれば28dBと比較的静かだ

 しかし、「W500」で真っ先に目をひくのは、レンズのワキに装備された“スティック”に違いない。これはレンズシフトを制御するための操作スティックで、上下左右に動かすと、連動してレンズの位置が移動する。高級機である「W10000」や「PE8720」が搭載している電動式のレンズシフトではないものの、高いコストパフォーマンスを維持しつつ、レンズシフトを実現したことは喜ばしい。

photo レンズの周りに手動ズーム/フォーカス用のリングが装備されている点は、ほかの多くのモデルと同様だが、注目は右に配置されたスティック

 カジュアルユーザーがホームシアターを構築する際、最大の障害となるのはプロジェクターの設置場所だ。まずは、スクリーンを空いている壁際に吊るすわけだが、その時点で、相対的にプロジェクターの位置は概ね限定されてしまうのである。一般的な家庭のリビングなどでは、プロジェクターを置くべき場所がたまたま空いていたなんていう、都合のよいケースは少ないと思われる。さらに、高さの調整も必要だ。

 しかし、レンズシフト機構を備えたプロジェクターであれば、その自由度は飛躍的に向上する。「W500」では横±48.8%・縦±120%のオフセット調整に対応しているため、たとえば、ワイド100型(画面サイズは221×124センチ)で投影する場合なら、本来プロジェクターを設置すべき場所から、左右に1メートル、上下(高さ)に1.3メートル程度の余裕が与えられるわけだ。前後の調整は、ほかのモデルと同様にズームレバーにより操作可能で、ワイド100型なら投射距離は約3.3〜4メートルとなる。

photo スティックを上下左右に動かすと、画面のオフセット調整(横±48.8%、縦±120%)が可能だ。これにより、設置場所の自由度は高くなっている

定評のあるHQVビデオプロセッシングを採用

 BenQのDLPプロジェクターを支える技術としては、独自のカラーホイール構成なども挙げられるが、最も重要な柱は同社の映像補正技術Senseyeといえるだろう。今回の液晶プロジェクター「W500」でも、このSenseyeを受け継ぎつつ、さらにHQVを組み合わせることで、より高いレベルでの映像処理を実現した。

 フロントプロジェクターはもともと、モニター的な使われ方をするものだ。つまり、テレビのようにチューナーを内蔵せず、複数の機器を組み合わせた利用が前提となる。一昔前、“ホームシアターの映像ソースは主にレーザーディスクだが、プロジェクターは高精細入力に対応”という時代には、さらに構成を細分化したスタイルが主流となり、LDプレーヤーなどとプロジェクターの間に、ラインダブラー、あるいはスケーラーと呼ばれる映像処理機器を介していたりした。

 その当時、映像処理機器といえばファロージャ製が代表的で、同社のチップを搭載した製品も多数発売されている。SD映像のアップコンバートやI/P変換を、事前に高品位なレベルで処理できるというわけだ。

 そして現在、ビデオプロセッシング分野で高い評価を得ているのは、SiliconOptixの「HQV(Hollywood Quality Video)」である。「W500」ではこのHQV技術の導入により、フル10ビット・4:4:4処理の実現で色再現性が高められるととともに、アナログノイズや映像圧縮ノイズの低減にも効果を発揮するという。

 HDD/DVDレコーダーをHDMI接続し、デジタルハイビジョン放送(1080i出力)、DVDコンテンツ(480p出力)などを実際に鑑賞していくと、HQVの恩恵は明らかだ。1080iではI/P変換時の不自然さなど見受けられず、しかも、細かい輪郭まで描き分けられるため、映像に奥行きが感じられる。また、480pでも粗さが極端に目立つようなことはない。

 いずれの場合も、色表現の豊かさとあいまって、全体に明瞭な印象に仕上がっている。「W500」では1080pあるいは720p入力にも対応するため、出力側の機器に応じて使い分ければよいが、1080iのままで入力させた場合でも、十分に映像を堪能できるレベルといえるだろう。

photo 映像入力は、HDMI端子、アナログRGB(ミニD-sub)、コンポーネント映像(2系統)、コンポジット映像、S映像が用意されている
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提供:ベンキュージャパン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年9月30日