ドットバイドットの緻密な映像、応答速度・反応速度にも抜かりなし――FlexScan HD2451WでフルHDゲームに浸る（2/3 ページ）
PS3用レーシングゲームで映像品質をチェック
では、実際にフルHD出力に対応した家庭用ゲーム機をHD2451Wに接続して、フルHDクオリティのゲームがどれだけ快適に楽しめるのかを検証していこう。
HD2451WのブラックモデルにPS3を組み合わせた例。ナナオの直販サイト「EIZOダイレクト」ではBOSE製高音質コンパクトスピーカー「M3」とのセットモデルも用意されている（画面はバンダイナムコゲームスの「リッジレーサー7」）まず接続したのは、ソニーのPS3だ。PS3のゲームをフルHDで楽しむには、PS3とHD2451WをHDMI経由で接続するか、オプションで用意されている「D端子ケーブル」を使用する。とはいうものの、HD2451Wには長さ2メートルのHDMIケーブルが付属しており、わざわざ余計な費用を出してPS3専用のD端子ケーブルを購入しなくても済むので、HDMIでの接続が基本となるだろう。
PS3接続後にまず行うことはPS3の映像と音声の出力設定だが、これらは非常に簡単だ。HDMIケーブルでPS3とHD2451Wをつなぐと自動的にHDMI接続が検出され、画面の指示に従っていくだけで、最適なものが自動的に選択・設定される。たとえばHD2451Wは1080pまでサポートしているので、自動的に1080pが選択される。以上でPS3側の設定は終了だ。
HDMIケーブルでPS3とHD2451Wをつなぐと自動的にHDMI接続が検出され、映像と音声の出力設定をHDMIにするかどうかを尋ねてくる（左）。「はい」を選ぶと接続している表示装置がサポートする入力信号が識別され、その中から最も高品質なものが自動的に選択される（中央、右）次にHD2451W側の設定だが、こちらはとくに設定の必要はない。PS3から1080pの映像信号が送られてくれば、表示モードは自動的に「16:9フル」となりドットバイドット表示となるからだ。とはいえ、念のためメニューを開いて表示モードが「16:9フル」に設定されているかは確認しておこう。
では、実際にゲームをプレイしてみよう。今回利用したタイトルは、バンダイナムコゲームスの「リッジレーサー7」だ。PS3発売と同時に登場したローンチタイトルだが、フルHD表示による映像クオリティの高さに定評のあるタイトルだ。筆者自身もPS3と同時に購入して楽しんでいる。
リッジレーサー7を起動し、HD2451Wに表示される映像を見て最初に感じたことは、普段利用しているTVで表示させた場合と比較しても色調に全く違和感がないということだ。
AV入力を持つPC用の液晶ディスプレイは最近増えてきているが、PC入力の表示を前提としたチューニングのままAV入力端子を付け、さらに色調調整なども大して行われていないことなどから、AV入力の表示品質に優れないものが多い。それに対してHD2451Wでは、ナナオが販売している液晶TV「FORIS.TV」で培った独自の映像処理技術を活用。9300Kの色温度が基準のTV用映像信号を6500KのPC用液晶ディスプレイで表示させるための高度な色調変換処理が行われているために、PC用液晶ディスプレイながらTVの表示色と比べても全く違和感を感じさせないのである。
次に感じたのは、暗部の表現力の高さだ。黒が締まった黒として表現されているのはもちろんのこと、暗部の微妙な階調の違いもつぶれてしまうことなくしっかり確認できる。とくにトンネル内の走行時や、夜のシーンなどで顕著に感じた。明るい部分に関しても、白飛びしてしまうことなく微妙な階調がしっかり確認できる。
液晶ディスプレイは、バックライトの光の透過度を制御することで階調を表現しているが、その構造上、光を完全に遮断することが難しく、黒がやや明るく表示されてしまう「黒浮き」という現象が発生しやすい。しかしHD2451Wには、FORIS.TVで培われた「黒レベル補正」機能が搭載され、黒が黒としてしっかり表現されているわけだ。また、暗部の微妙な階調がつぶれてしまったり、明るい部分が白飛びすることなく、微妙な階調も含めてくっきりと表示されているのも、FORIS.TVで培われた映像処理技術の成果だろう。加えて、コントラスト比1000：1という液晶パネルの優れた表示性能も関係しているはずだ。
もちろん、1080pのドットバイドット表示による非常にくっきりとした映像には文句の付けどころがない。筆者は普段、PS3をフルHD表示対応の42インチワイド液晶TVに接続してゲームを楽しんでいるが、HD2451Wは液晶パネルのサイズが小さいぶんだけ映像が緻密になったという印象を受けた。また、HD2451Wでは液晶パネルと目の距離が42インチワイド液晶TVよりも短くなることもあり、映像の迫力という点でも大きな差は感じなかった。
液晶パネルを採用した表示装置でゲームをプレイする場合に問題にされることが多い映像の残像に関しては、ほとんど気にならなかった。HD2451Wに搭載されている液晶パネルの応答速度は、中間階調域はオーバードライブ回路の搭載により6msと十分高速だが、液晶パネルの構造上の問題により、残像が気になる可能性も考えられる。事実、リッジレーサー7のプレイ時でも、水平方向にスクロールする文字などではわずかながら残像を感じることがあったが、一般的な液晶TVと比較しても問題ないレベルであり、ゲームプレイで残像を意識することは全くなかった。
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提供：株式会社ナナオ
制作：ITmedia ＋D 編集部／掲載内容有効期限：2008年3月31日
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