大手メーカー製の水冷PCといえば、古くは日立製作所のノートPC「FLORA」、NECそしてNEC Directで販売されていた「VALUESTAR」シリーズ、そしてアップルの「Power Mac G5」シリーズが記憶に新しい。一時は市場から姿を消していた水冷PCだが、7月の発表会(関連記事:第4世代はCPUとHDDを冷やす──NECの水冷PCが秋冬モデルで復活する)で事前に“告知”されていた通り、NECの秋冬モデルでついに復活を果たした。
高いパフォーマンスと優れた静音性を両立した水冷VALUESTARシリーズは、NEC Directの看板製品とも言える人気モデルだっただけに、その復活を心待ちにしていたユーザーも多いだろう。ここでは全4モデルで採用される静音水冷システム「ウォーターサイレンス」と、最上位モデルの「VALUESTAR W VW790/KG」のフォトレビューをお届けしよう。
新VALUESTAR Wシリーズは、22インチワイド液晶ディスプレイ(1680×1050ドット表示)と19インチワイド液晶ディスプレイ(1440×900ドット表示)搭載モデルで構成されるが、ボディサイズは534(幅)×253(奥行き)×476(高さ)ミリと共通だ。これまでの20インチワイド液晶ディスプレイ搭載モデルの702(幅)×360(奥行き)×469(高さ)ミリから、大幅に小型化しているのが分かる(いずれもディスプレイ直立時)。重量も約29キロから約21キロに減っており、設置性は大きく向上したと言えるだろう。
電源端子を右側面、地上デジタル/地上アナログチューナーをはじめとした各種端子を左側面にまとめ、フラットな背面を実現することで、壁面に近づけての設置にも対応可能だ。システムの冷却は、ボディの上下/左右から吸気を行い、システムの熱を背面に、電源ユニットの熱を上部に排出する仕組みをとる。水冷ユニット自体は液晶ディスプレイの背面に内蔵され、台座部分に電源ユニットとHDDや光学ドライブが配置される。
なお、詳細なスペックや実売価格はこちらの記事(液晶一体型PCでついに復活を果たした水冷モデル――VALUESTAR W)を参照してほしい。
試作機のため実際のパフォーマンスや騒音レベルを計測することはできなかったが、試しにシステムに高い負荷をかけ続けてみたところ耳障りなノイズは聞こえず、フル稼働時でも25デジベル以下という水冷ユニットの実力を垣間見ることができた。ただ、今回投入される水冷PCは液晶一体型であり、システムの自由度が高いセパレート型のようにパーツの交換や液晶ディスプレイの選択などが困難になったのは残念だ。
ともあれ、今後も水冷ユニットを搭載したPCのバリエーション強化には大いに期待したい。
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