第2回 EIZOディスプレイ工場は進化し続ける――さらなる高品質と顧客満足を求めてナナオイズム(3/3 ページ)

» 2007年09月14日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR
前のページへ 1|2|3       

再びEIZOのディスプレイを選んでいただくために

エイゾーサポートネットワーク統括部次長宮保豊氏

――サポート部門の役割や業務内容について教えてください。

宮保 我々エイゾーサポートネットワークは、お客様のサポート部門であり、市場における品質管理の一端を担う実践部隊という位置付けになります。市場に販売された製品に対するレスポンスをキャッチし、より早くお客様サポートを行い、こうした鮮度の高い市場情報を本社の品質保証部をはじめ、関連部門にフィードバックする機能です。

 もともと、エイゾーサポートネットワークは製品の修理メンテナンスからスタートした会社です。そのため、製品不具合のお客様への対応と修理がメインの業務でした。昨今ではビフォアからのサービスということで、法人向けの各種セットアップサービス(設置工事含む)に注力しており、そのほか、定期点検、保守契約といった修理メンテナンス以外の事業への拡大も進めております。また、ナナオ直系のサービス会社としての販売形態を模索しながら、修理からの買い換え提案やEIZO製品を組み込んだシステム提案、保守契約と設置工事を含めたEIZO製品のパッケージ的な販売にも注力しております。

 こうした活動を行っている拠点は本社以外に、全国に6拠点あります。所在地は、仙台、東京、名古屋、北陸、大阪、福岡で、総勢約70名がお客様のお問合せやご要望に対応しています。

病院内での設置サービス

――セットアップサービスや有償のアフターサポートを利用されるユーザー層について教えてください。

宮保 セットアップサービスをご利用になるお客様は、医療系やグラフィックス系ディスプレイをお求めになる法人のお客様がほとんどです。そのほかには、TVのセットアップサービスをご利用になる一般のお客様がいらっしゃいます。

 アフターサポートに関しても、通常の修理サービスに次いで、法人向けの保守契約のお客様要望も着実に増えております。保守契約は、官公庁、医療機関、文教系のお客様がディスプレイ導入時に入札の要件として提示されていることが多いことも挙げられます。ここで言う保守契約とは、製品の障害発生時にオンサイトで修理サービスを行ったり、液晶パネルの保証期間を延長して故障に備えるなどの内容です。そのほか、定期点検サービスも医療系、グラフィックス系の特定用途向けディスプレイでご利用いただいています。

――万が一、液晶ディスプレイが故障した場合、修理期間はどれくらいかかりますか?

宮保 故障した製品によりますが、問い合わせをいただいてから約1週間で修理が完了します。もっと短い場合もありますし、故障の原因が特定できない場合などはもう少しお時間をいただいていますが、1週間が目安です。

 また、修理中にはお客様の作業への支障を最小限に抑えるために、代替となるディスプレイの無償貸出しも行っています。その際、画面サイズをできるだけそろえるなど、今までお使いいただいていたディスプレイ環境と近いものをご用意できるように心掛けております。

――EIZOディスプレイのサポートは、高度な技術的要求への対応が求められると思います。そういったスタッフをどのように育成していますか?

宮保 修理エンジニアには、品質保証部および同部企画の教育を実施しております。教育の有効性は、品質保証部による修理・検査員認定により、維持管理されています。また製造部による修理のための半田付け作業教育によって半田付け作業認定が行われており、これは修理業務に関する認定を取得するというものです。

 修理メンテナンス以外では、カスタマーエンジニア向けに、セットアップサービスのための教育として、ネットワーク関連やシステム商品、EIZOアプリケーションソフト、サーバの設置などの教育を、システム商品インテグレーションGr(略称SIG)という部門にて実施しております。

 新しいモデルの発売にともない、新しい機能が出てきますし、当然ながら十分中身を理解していないと修理もサポートもできません。修理やセットアップサービスの教育以外にも、サポート内の勉強会はもとより、営業部やマーケティング部による商品勉強会、Webセミナーなどナナオの各種教育プログラムを利用して、サポートスタッフの育成を目指しており、一層注力したいと考えています。

 幸いなことに、ナナオは社員がまじめに愛情を持って製品を作り、販売し、サポートを行っているので、同じ気持ちを共有できることが品質の向上に通じているのではないかと思います。

ColorEdge初回設置サービス。キャリブレーションを実行しているところ(写真=左)。ColorEdgeのユーザーに操作説明をしている様子(写真=右)

――サポート業務での苦労話があれば聞かせてください。

宮保 お客様の声を聞いて感じるのは、EIZOブランドに対して愛着を持っていただいていて、EIZO製品に対する期待度が非常に高いということです。これは非常にありがたいことです。しかし、愛着を持っていただいているからこそ、製品の不具合や、お客様の期待と実際の製品にギャップがあると、お叱りを受けることになります。お客様の期待に対して、我々がどのように応えていかなければならないのか、という部分での苦労は絶えません。

 たとえば、先日は20年前に販売していたディスプレイの修理に関する問い合わせがありました。ディスプレイを構成するパーツについては、3年間保証の製品に関しては5年間、5年間保証の製品に関しては7年間というように、生産終了後の補修部品を保有する期間が決められています。その期間内であれば対応できるのですが、それ以上の期間を経た製品となると、補修部品がなく修理不能の場合も少なくありません。

 すでに販売も終了しているCRT製品を愛用いただいているお客様もまだまだいらっしゃいますが、基幹部品となるブラウン管がなくなってしまえば修理も十分には対応できません。ただ、部品がなくてパーツの交換が無理な場合でも、調整できるものは調整してご返却させていただいたり、お客様のご使用PC環境などをうかがい、代替提案として、新製品を選定しご案内をするといった対応を行っています。先の例のように、20年前の製品サポートは珍しいケースですが、20年前の製品から最新機種に至るまで、お客様がご利用いただいている全EIZO製品のサポートが必要な点でも苦労しますね。

――サポート業務における今後の課題を教えてください。

宮保 お客様へEIZO製品やサービスをご提供することが、ナナオのメッセージだと考えています。お客様にご購入いただく、あるいはご利用いただくということは、ナナオを理解していただくということです。いかにしてEIZOの製品を最大限に、快適にご利用いただくか、それをサポートスタッフが追求することにより、EIZO製品のリピートにつなげていく。つまり、お客様に再びEIZO製品を選んでいただくことが、我々の最終的な仕事になります。そして、そういったお客様をいかに増やしていくかは、永遠の課題かもしれませんね。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月31日