FFXIプロデューサーの田中弘道氏が徹底チェック――三菱電機「VISEO MDT241WG」のゲーム表示性能を探る(2/3 ページ)

» 2007年09月14日 10時00分 公開
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CRT派だった田中氏も驚かせたMDT241WGの画質

FFXIのWindows版をMDT241WGでプレイ

 FFXIは、プレイステーション 2、Xbox360、Windowsの3つのプラットフォームで提供されているが、今回はWindows版を使用した。Windows版をインストールしたデスクトップPCとMDT241WGはDVI-Dでデジタル接続し、FFXIはできるだけ高画質なグラフィックス環境になるように各種設定を調整。MDT241WGは、基本的にDV MODEをゲームモード、MPモードをレベル2に設定し、使用中に設定を変えながら見比べた。なお、ゲームモードは画像にメリハリが付くような設定となっているので、映像ソースに忠実な階調の表示を重視するユーザーは、スタンダードモードでのプレイをお勧めする(スタンダードモードでもMPモードは使用可能)。

 前述の通り、MDT241WGは国内メーカーの製品らしく、海外では普及していないD端子(D5対応)も装備しているため、プレイステーション 2版やXbox360版をプレイする場合は、D端子で接続することで高画質が得られる。Xbox360は、D-Subでアナログ接続しても高画質でプレイすることが可能だ。

 田中氏には、実際にFFXIをMDT241WGでプレイしてもらいながら話を聞いた。同氏は、今では一般のプレイヤーといっしょにFFXIをプレイすることがたまにしかできなくなってしまったが、出社すると最初にFFXIのサーバにログインして、どこかのワールドサーバーで常に状況は見ているという。自宅では、主にXbox360版や、プレイステーション 3のアップコンバート出力機能を利用し、プレイステーション 2版のFFXIを高画質でプレイしているとのことだ。

――普段は液晶ディスプレイでゲームをプレイしていますか?

 実は頑固にブラウン管のディスプレイ(CRT)を使い続けています。会社では21インチ程度のCRTを2台使っているほか、プレイステーション 2の動作検証用に14インチのTVも使っていますね。14インチのものは、小型のTVなどでゲームをプレイしている方の動作環境を想定するために、あえて置いています。

 会社で使っているこれらのCRTは最後の世代のものです。これからCRTの新製品は発売されなくなるという話を聞いていたので、最終生産のタイミングに合わせて、ある程度のストックが持てるように買いだめをしておきました。ここ数年は、それらを切り崩して使っているイメージです。

 ちなみに自宅では、いまだに重量が100キロくらいもあるハイビジョンブラウン管のTVを使っていますね。そういえば、自宅にあるデスクトップPCのディスプレイもCRTです。実は、そろそろ買い替えたいと思っているのですが(笑)

普段はCRTを中心に使っているという田中氏が、MDT241WGをじっくりチェック。その眼差しは真剣だ

――それほどまでにCRTを使い続けているのはなぜでしょうか?

 CRTを買いだめしていたころ、つまり数年前の液晶ディスプレイは、応答速度の鈍さ、コントラストの低さ、視野角の狭さなどいろいろな問題がありました。開発中のゲームをプレイして検証するデバック作業などでは、CRTだけでなく、各種ディスプレイをそろえて表示内容を確認しているのですが、実際にグラフィックスやモーションのデータを作る現場では、液晶の表示品質にどうしても不足する部分を感じていました。

 しかし、ここ最近は開発サイドでも5年ほど使用したり動かなくなったCRTについて、液晶ディスプレイに順次切り替えています。液晶ディスプレイに切り替えている背景には、CRTの新製品がないということもありますが、液晶ディスプレイの性能が上がったことで、ゲーム開発現場の要求に耐えうるものがようやく出てきたという事情もあります。

 もっとも、最終的なグラフィックスのチェックなどはCRTのマスターモニターを標準ディスプレイと決めて、それを基準に色合わせをしたり、細部を修正するといったことをしています。

――CRTからどのような液晶ディスプレイに移行しているのでしょうか?

 人によって使っている製品は違いますが、タイプとしては大画面ワイドが多いです。開発現場では、1人のクリエイターが2台もしくは3台のディスプレイを机の上に並べているのが当たり前なので、CRTの時代にはそれだけでスペースが埋まってしまい、紙にメモを取るためにノートを置く場所もないような状態でした。

 今は液晶ディスプレイに切り替わっていく中で、机上の作業スペースが広くなっていくのは単純にいいことですね。CRTは大きくて重いのが難点だと思います。

“ちょっと贅沢すぎるサイズ”で画質も申し分ない

 ディスプレイ市場がCRTから液晶に完全にシフトした今でも、田中氏は長年の熟成を重ねてきたCRTの最終製品を愛用しているという。このことからも、ディスプレイの画質に対して妥協を許さない姿勢が感じられる。昨今はゲーム開発現場の要求に耐えうる液晶ディスプレイが登場し、自身も買い替える意思があるとのことだが、なかなか決心が付かないそうだ。

 そんな画質に一家言ある田中氏の目に、三菱電機独自の工夫を随所に凝らしたMDT241WGはどのように映ったのだろうか?

「ちょっと贅沢すぎるサイズでは」と笑う田中氏。プレイステーション 3との相性を考えた光沢ブラックのボディは、確かにベストマッチングで高級感があるし、スタンドの窪みにコントローラを置けるのが面白いと好印象だった

――今回MDT241WGを使ってみた感想を聞かせてください。まずは画面サイズについていかがでしょうか?

 リビングに置くTVではなく、個人で使うディスプレイとして考えると、24.1インチワイドというサイズは十分すぎるくらいに大きいと思います。ちょっと贅沢すぎるくらいのサイズですが、フルHDの映像を表示できるサイズということで、今後はこれくらいが主流になるかもしれませんね。

 ゲームのジャンルによって必要な画面サイズは変わりますが、とくにMDT241WGのように大きめのワイド画面は、MMORPGをプレイするのに最適です。プレイヤーが仮想空間を冒険する際、自分の周囲が見えるかどうかが臨場感の違いになって現れるからです。ワイド画面でないと、自分の視界に対して仮想空間の見える範囲が狭くなり、臨場感が不足してしまいます。

 また、MMORPGは通常のゲームグラフィックス画面のほか、チャットなどの文字情報が非常に多くなるので、画面が大きいに越したことはありません。かといって、画面が大きくても高解像度すぎると、逆に文字が小さくなって見にくくなる場合もあります。MDT241WGはその辺のバランスがいいと思います。

――発色やコントラスト、視野角など、画質面について感想を聞かせてください。

 画質は見たところ申し分ないですね。解像度はフルHDがきっちりと出ますし、細部の表現力も問題ないです。発色もキレイで、開発側で想定しているグラフィックスが再現できていると思います。雪のシーンなど白い部分にも変な色被りがなく、全体的にきちんと表示できているという印象を受けました。

 従来の液晶ディスプレイでは、どうしても黒い部分が黒く見えず、グレーになってしまう印象がありましたが、MDT241WGはコントラストが高く、黒い色がよく出ていますね。視野角についても、画面を見る角度がずれた場合に表示が白っぽくなったりしないので、複数の人で画面を囲んでゲームをプレイしても、これなら問題なさそうです。

 もう1つ気に入ったのは、ディスプレイの表面処理ですね。一般的なPC用の液晶ディスプレイは、外光の映り込みを抑えるための表面加工によって、画面がざらついたように見えるのが少し気になります。かといって、光沢パネルを採用しているタイプでは、一見キレイですが、外光が鏡のように映り込んでしまうデメリットがあるため、どちらも一長一短でした。ゲームのプレイを考えると、MDT241WGの画面は適度に光沢感がありながら、蛍光灯などの映り込みがほとんどないので、見やすかったです。

 ちなみに、社内でCGを作成している部門では、こうした画面への反射など、画質を低下させる要素を極力省いて、正確な表示環境を確保することが仕事の生命線になります。わざわざ室内の蛍光灯を外して、真っ暗な中で作業しているほどです。

フィールドを移動して、雪原でベヒーモス(写真=左)、森でモルボル族と戦闘(写真=右)。かつて液晶ディスプレイで気になっていた黒浮きがなく、微妙な陰影が出ていると表示内容の感想を述べる

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提供:三菱電機株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年9月30日