それでは、新モデルとして投入されたプリンタ製品を見ていこう。2007年も昨年と同様、2年前に投入されたスケーラブル・プリンティング・テクノロジー(SPT)によるプリントエンジンや、ヘッドとタンク分離型インクの採用といった基本路線を継承しつつ、“毎日、快適プリント”の進化と深化を図っているのが特徴だ。
まず同社のお家芸となる複合機では、全8モデルが発売される。そのうちの上位3モデルがSPTによる染料6色を従来通りサポートし、給排紙の機構をブラッシュアップすることで、印刷速度がA4モノクロ/カラーそれぞれ34/33ppm(2006年は32/31ppm)、L判よりもひと回り大きい4×6インチでの最速印刷速度が12秒から10秒に高速化している。また、搭載するCPUの動作クロック向上とユーザーインタフェース「Photosmart Express」がバージョン2.0に一新されたこと、サムネイルを内蔵メモリにキャッシュ(設定でオフにもできる)することでレスポンスが大幅に向上したのも見逃せない。印刷中にプリンタの操作が行えるようになったのもうれしいところだ。
何と言っても目玉は、2年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたフラッグシップモデル「HP Photosmart C8180」だろう。これまでは単機能プリンタ「HP Photosmart D7360」のみ備えていたタッチパネル(先日日本で発売されたばかりの小型フォトプリンタ「HP Photosmart A628」も搭載)を複合機で唯一採用したほか、DVDスーパーマルチドライブを新たに内蔵。前者は液晶ディスプレイのサイズこそ3.5インチと若干小さくなったが(前モデルは3.6インチ)、直感的な操作が可能なタッチスクリーンになったことと、ユーザーインタフェースの改善と併せて操作性が大幅に向上した。後者のドライブはメモリカードのバックアップとDVD/CDメディアからの読み出しのほか、レーベル面に模様などを書き込めるLightScribe機能にも対応する。またUSBでPCと接続すれば、PCの外付けDVDスーパーマルチドライブとしても扱える。CCDによるスキャナ機能が入力96ビット(6色)対応となり、9600×9600dpiのスキャンが行えるようになったのもポイントだ。
同時にボディデザインとカラーリングも一新され、これまでグレーとシルバーで彩られたボディが、ほかのモデルと同じホワイトとライトグレーになったことで、ラインアップの統一感が増している。有線LAN/IEEE802.11g/b対応の無線LAN/Bluetoothと多彩なネットワーク機能を搭載する半面、本機からFAX機能が省かれ、自動両面印刷ユニットが別売になった。
一方でADF機能を備えた「HP Photosmart C7280」と、シンプルながら有線LAN機能を内蔵した「HP Photosmart C6280」はユーザーインタフェースを前述のPhotosmart Express 2.0に変更するなどの小幅なバージョンアップにとどまる。
複合機のラインアップ(染料6色モデル) | |||
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モデル名 | C8180 | C7280 | C6280 |
インク | 染料6色(SPT) | 染料6色(SPT) | 染料6色(SPT) |
最小インク滴 | 5ピコ | 5ピコ | 5ピコ |
最高印刷速度(モノクロ/カラー) | 34/33ppm | 34/33ppm | 34/33ppm |
4×6インチ最速印刷時間 | 10秒 | 10秒 | 10秒 |
スキャナ | 9600×9600dpi(CCD) | 4800×4800dpi(CIS) | 4800×4800(CIS) |
液晶 | 3.5インチタッチスクリーン | 2.4インチ | 2.4インチ |
ADFユニット | × | ○ | × |
マルチトレイ | ○ | ○ | ○ |
有線LAN | ○ | ○ | ○ |
無線LAN | ○ | ○ | × |
Bluetooth | ○ | 別売 | × |
FAX機能 | × | ○ | × |
フォルムスキャン | ○ | × | × |
メモリカードリーダ | ○(SDHC対応) | ○(SDHC対応) | ○ |
PictBridge | ○ | ○ | × |
DVDスーパーマルチドライブ | ○ | × | × |
自動両面印刷ユニット | 別売 | 付属 | 付属 |
市場想定価格(米ドル) | 399.99ドル | 299ドル | 199ドル |
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