ハイエンドのさらに上へ――「Endeavor NJ5100Pro」(3/3 ページ)

» 2007年09月19日 21時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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トータルで向上したパフォーマンス

3項目が4台後半、2項目が5を超える、ノートPCとしては極めて高いスコア。Windows Vistaが快適に動作するかどうかという判断さえ不要だろう

 それではベンチマークテストで本機の性能を検証していこう。グラフの一部でNJ5000Proのスコアを引用しているが、OSとベンチマークソフトのバージョンが異なため、厳密な比較にはなっていない点に注意してほしい。ただし、CPUの動作クロックも近いため(レビュー時のNJ5000ProのCPUは2.33GHz動作のCore 2 Duo T7600)、十分参考にはなるだろう。

 まず、Windowsエクスペリエンスインデックスは、ノートPCとしては高めの4.7という結果になった。CPUが5.3、HDDにいたってはノートPCとしては極めて高い5.4を記録している。Intel Turbo Memoryはスコアに影響を与えていないので、最新の7200rpm HDDを採用したメリットがはっきりと出た結果と言える。

 PCMark05はIntel Turbo Memoryがオンとオフの状態で計測した。Intel Turbo Memoryをオンにした状態では、先にPCMark05を2回実行し、3回目の結果をスコアとして採用した。これはスコアに影響を与えるであろう「Ready Drive」の効果が、アプリケーションを繰り返し起動しないと発揮されないため。ちなみにここに掲載したNJ5000Proのスコアは、OSがWindows XP、PCMark05のバージョンが1.0.1、メモリ容量が1Gバイトでの実行結果である点に注意。

PCMark05

 さて、結果はグラフを参考にしてほしいが、PCMarkの値はIntel Turbo Memoryをオフにしても5876、オンでは6136を記録した。NJ5000Proとの比較では、CPUのスコアこそわずかな差だが、動作クロックが2.33GHzと2.4GHzという違いしかないことを考慮すれば妥当な結果だ。一方、ほかのスコアは大幅に伸びており、トータルでははっきりとパフォーマンスが向上していることが分かる。また、HDDのスコアを見る限りでは、Intel Turbo Memoryの有効性も無視はできなさそうだ。

 グラフィックス性能のテストは、まず3DMark06を利用した。NJ5000Proのレビュー時には3DMark05を利用したので比較はできないが、標準設定(1280×1024ドット)で2884はかなり高いスコアと言える。OpenGL対応のグラフィックスチップとは言え、RADEON HD2600シリーズをベースとしており、DirectX環境でも十分に高いパフォーマンスを発揮している。

 OpenGLでの描画性能はSpecViewPerf9.0.3を用いた。すでに新バージョンが登場しているが、NJ5000Pro(FireGL V5200)との比較のためにあえてこちらを用いた。PCMark05のCPUスコアでも分かる通り、試用機のT7700とレビュー時のNJ5000ProのCPU処理能力差はそれほど大きくないので、ほぼグラフィックスチップの変更によるパフォーマンスの差を見て取れる。

 結果は本機がすべてのアプリケーションで上回るスコアとなり、「catia-02」という例外を除けばスコアは大幅に伸びている。本機で採用したFireGL V5600は2007年の8月7日に発表されたばかりの最新チップだが、高い前評判を裏切らない結果になった。グラフィックスワークステーションとしての資質は、NJ5100Proでさらに高いものになったと言える。

3DMark06(画面=左)、SpecViewPerf(画面=中央)、FFベンチ(画面=右)

極めて中身の濃いモデルチェンジ

 デザイン面での変化の少なさから分かるように、NJ5100Proは従来機の延長線上に沿ったモデルチェンジを行っている。しかし、プラットフォームが“Napa”ことIntel 945PM Expressから、“SantaRosa”ことIntel 965PM Expressに移行し、CPUもFSB 800MHz対応モデルに変更された。さらにグラフィックスチップやHDDも今春から今夏に掛けて投入された最新製品が採用されている。ほぼ1年ぶりのモデルチェンジということもあるが、極めて中身の濃い変更であることは間違いない。

 残念な点を挙げると、ベンチマーク実行中は、CPUの影響とも思えるキーボード右側の発熱や、HDDが格納される左パームレスト下の発熱が気になった。筐体サイズとのトレードオフな面もあると思うが、新モデルで改善が見られなかったのはやや惜しいと感じる。なお、動作音に関してはベンチマーク実行中などの高負荷時にCPUファンの音が漏れ聞こえてくる程度だった。

 WXGA+パネルとFireGL V5600の組合せが選択できない点を除けば、ほぼ制限のないBTOが可能なため、製品としての位置付けこそフラッグシップだが、超高解像度ノートPCをミッドレンジクラスの価格で購入することもできる。標準で3年と言う長期のパーツ無償保証ももちろん健在だ。高性能な点だけでなく、コストパフォーマンスの高さや、長期にわたって安心して利用できるノートPCとしても注目したい。

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