先日掲載したフォトレビューでその外観から分かる情報を紹介したGIGABYTEのIntel X38 Express チップセット搭載マザーボード「GA-X38-DQ6」であるが、その性能評価版を入手できたので、パフォーマンスチェックを交えて、改めて紹介したい。
GIGABYTEがリリースするIntel X38 Express搭載マザーボードは、DDR2メモリ対応のGA-X38-DQ6と、DDR3メモリ対応の「GA-X38T-DQ6」の2種類が用意される見込みだ。今回紹介するDDR2対応のGA-X38-DQ6が、先日レビューを掲載したDDR3に対応するASUSの「P5E3 Deluxe」に対してパフォーマンスにどれだけの違いがでるか興味深いところだ。
Intel 3シリーズの最上位モデルとなるIntel X38 Expressチップセットは、当初DDR3メモリのみに対応するといわれていたが、COMPUTEX TAIPEI 2007でDDR2に対応するサンプルが多数展示されたあたりから、DDR2とDDR3に対応する路線へ変更されたようである。DDR2と組み合わせても深刻なデメリットがないのなら、予算に合わせてメモリを選ぶことができるのでユーザーには好都合であるが、DDR3対応を前提として設計されていたとすれば、DDR2で無理が生じてしまう可能性も考えられる。
“DQ6”という名前が末尾に付与されているように、GA-X38-DQ6は、多彩なオンボード機能を搭載し、オーバークロック機能も充実させたハイエンドモデルという位置づけになる。外見で最も特徴的なのが、チップセットとCPU周りのレギュレータに載せられた銅製のヒートシンクをヒートパイプで接続し、CPUのクーラーファンで強制的に冷却する「SILENT-PIPE」だろう。GA-X38-DQ6では、基板の表面だけでなくCPUソケットおよびチップセットの裏側にも銅製ヒートシンクを配した「Crazy Cool」を採用することで、強力な冷却性能を実現している。これらの工夫は、オーバークロック耐性はもちろん、高負荷での長期運用における安定動作の向上にも貢献してくれる。
CPUソケットの周りに並ぶコイル(通常のチョークコイルでなくフェライトコアコイルを採用している)を見て分かるように、電源回路は12フェーズという、現在のマザーボードでは最高クラスのスペックを有するほか、使用されているコンデンサは、国産の固体コンデンサにそろえることで、安定性と耐久性を確保している。さらに、低RDS(on)MOS-FETを採用するなど、あらゆる部材でハイグレードクラスを組み合わせているのは、GIGABYTE製マザーボードの「伝統」ともいえる。
実装されているオンボードコントローラには、ギガビットLANが2系統、IEEE 1394a、7.1+2チャネル対応のALC889Aオーディオコントローラなど多岐にわたる。Serial ATAはICH9RとGIGABYTE SATA2コントローラの併用により基板上に8ポートが用意されている。
拡張スロットは、PCI Express x16スロットが2本用意されていて、AMD(ATI Technologies)のマルチGPU技術「CrossFire」に対応する。従来のIntel製チップセットによるCrossFire構成で使用できるPCI Expressのレーンはx16+x4であったのが、Intel X38 Expressではx16+x16で利用できる。そのほかに、GA-X38-DQ6にはPCI Express x1が3本、PCIスロットが2本用意されるなど、高い拡張性を持っている。
以上、マザーボードとしての主要なスペックは、Intel P35 Expressチップセットを搭載する「GA-P35-DQ6」に準ずる。このあたり、ASUSのIntel X38 ExpressマザーのP5E3 Deluxeが、やはりIntel P35 Expressマザーの「P5K3 Deluxe」に主要スペックが準じていたのと共通していて興味深い。
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