レビュー
» 2007年10月16日 15時00分 UPDATE

壁掛けできる“大型ボードPC”:PCの地デジ録画をもっとリッチに―「VAIO type L VGC-LT80DB」実力診断 (1/4)

地デジ対応、BDドライブ内蔵、22インチワイド液晶搭載、そしてHDD増設まで可能。しかし、「VAIO type L」最上位機の魅力はそれだけではなかった……。

[坪山博貴,ITmedia]

VAIOデスクトップの主力機種「type L」が大画面化

tm0710tl22_01.jpg VAIO type Lのハイエンドモデル「VGC-LT80DB」

 “ボードPC”のニックネームを持つ「VAIO type L」シリーズは、2006年の夏モデルに初めて投入された。各社が注力している液晶ディスプレイ一体型PCだが、VAIO type Lはソニーらしくデザインにこだわり、薄型TVのようにも見えるシンプルでスリムなボディを採用しているのが最大の特徴だ。

 2007年の夏モデルまでは、15インチもしくは19インチのワイド液晶ディスプレイを採用したモデルをラインアップしていたが、2007年の秋冬商戦ではさらに大画面化した22インチワイド液晶ディスプレイ搭載モデルが追加投入された。

 今回試用したのは、店頭販売モデルの中で最上位機となる「VGC-LT80DB」だ。22インチワイド液晶ディスプレイを採用し、地上デジタル/アナログTVチューナーに加えてBlu-ray Discドライブまで備え、録画した地上デジタル放送をBD-REメディアへ無劣化でムーブできる。22インチワイド液晶パネルの採用だけでなく、デジタル/アナログの両地上波への対応はtype Lとしては初めてのことだ。

tm0710tl22_02.jpg 本体を囲むクリアパネルにアルミレールを装着し、画面の浮遊感を強調した

 液晶ディスプレイがまるで空中に浮かんでいるように見える特徴的な外観は、従来の19インチワイド液晶搭載モデルのデザインコンセプトをさらに進化させたもの。新しい19インチワイド液晶搭載モデルとデザインを共通化している。

 具体的には、ワイヤレスのキーボードとマウスを引き続き採用しつつ、クリアパネルのフレームを横方向に大きく拡大し、WebカメラのMOTION EYE(有効画素数約131万画素)は目立ちすぎないように液晶ディスプレイの直上に移動、下部のロゴを「VAIO」から「SONY」に変更するなど、ますます薄型TVに近いデザインになった。また、クリアパネルの透過率を上げつつ、周囲にアルミレールをあしらうことで、画面の浮遊感をより強調したり、背面のカラーを前面と同じホワイトで統一するといった工夫もあって、全体的なスタイリッシュさに磨きがかかった印象だ。

tm0710tl22_03.jpg 壁掛けでの設置例

 デザインの変更内容については、15.4インチワイド液晶搭載モデル「VGC-LJ50DB/W」のレビュー記事も参照してほしい。ちなみに、22インチワイド液晶搭載モデルは下位の15.4インチワイド液晶搭載モデルと異なり、カラーバリエーションは用意されず、ホワイトのモデルのみとなる。

 一方、22インチワイド液晶パネルを搭載し、その周囲をスピーカーとクリアパネルで囲っていることから、ボディは横幅が長めで、設置場所には注意が必要だ。外形寸法は643(幅)×178(奥行き)×418(高さ)ミリ、重量は約9.7キロとなる。本体は手軽にチルト角度を調整できるほか、壁掛けでの設置も可能だ。ただし、壁掛けでの設置は、有償のVAIO設定設置サービス(デジホームサポート)での対応となり、ソニーの液晶TV「BRAVIA」用金具とVAIO専用部品で取り付ける必要がある。ユーザーが壁掛けで設置した場合は、メーカーの保証対象外となる。

スリムボディながら3.5インチHDDの増設が可能

 基本スペックを確認しておくと、CPUにFSB 800MHzのCore 2 Duo T7500(2.2GHz)、チップセットにIntel PM965 Expressを採用し、グラフィックスチップとしてNVIDIA GeForce 8400M GT(専用グラフィックスメモリは256Mバイト)を組み合わせている。プリインストールOSはWindows Vista Home Premiumを採用する。

 メインメモリはPC2-5300 DDR2 SDRAMを1Gバイト(512Mバイト×2)搭載し、ストレージとして容量500Gバイトの3.5インチSerial ATA HDD(7200rpm)と、DVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブ機能も兼ねたスロットイン式のBlu-ray Discドライブを備えている。Blu-ray Discドライブはスリムタイプで、書き込み速度はBD-R/BD-REともに1倍速だ。

tm0710tl22_04.jpgtm0710tl22_05.jpgtm0710tl22_06.jpg 右側面には、スロットイン式のBlu-ray Discドライブ、2基のUSB 2.0を備えている(写真=左)。リアカバーを装着することで、4ピンのIEEE1394、マイク入力、ライン入力、光デジタル音声出力、3基のUSB 2.0といったコネクタ以外が隠れる(写真=中央)。左側面には、Type II×1のPCカードスロット、ExpressCard/34スロット、メモリースティックPROスロット、SDメモリーカードスロット、ヘッドフォンが並ぶ(写真=右)。

 小型化や放熱などの問題でノートPC向けのコンポーネントを主に利用しているが、HDDはノートPC用の2.5インチタイプではなく、パフォーマンスと容量で有利な3.5インチタイプを採用している点に注目したい。また、液晶一体型PCとしては珍しく3.5インチHDDを1基増設可能で、本体背面にカートリッジ式の増設用ドライブベイが提供される。

 ユーザーがHDDの増設を行い、故障や事故が起きた場合、修理はすべて有償になるが、液晶一体型PCながらHDD容量を増やせるのは便利だ。直販のVAIOオーナーメードモデルでは、750GバイトのHDDを内蔵し、この拡張ベイに750GバイトのHDDをもう1基内蔵することで、最大1.5TバイトのHDD容量が選べる(RAIDはサポートしていない)。

tm0710tl22_07.jpgtm0710tl22_08.jpgtm0710tl22_09.jpg カバーで覆われた2基のSO-DIMMスロットやTVアンテナ入力、AV入出力、S-Video出力などは、リアカバーの下に用意されている(写真=左)。背面の上部にはレバー付きのHDDベイがあり、Serial ATAの3.5インチHDDを手軽に増設できる(写真=中央)。スタンドを外すと、最大5ワットのサブウーファーや壁掛け用のネジ穴が現れる(写真=右)。写真では見えないが、サブウーファーの左側には、ACアダプタやFAXモデム、1000BASE-T有線LANのコネクタが用意されている。ドラフト11n準拠の無線LAN機能も搭載済みだ。

 以上のようにコアコンポーネントはいずれも最新となり、アーキテクチャが最新のSanta Rosa世代へ移行したことと、外付けグラフィックスチップがGeForce Go 7600からGeForce 8400M GTに進化したこと、そしてHDDの増設が行えることで、従来モデルから大幅にスペックアップしている。ベンチマークテストの結果については後述するが、デスクトップPCとして見ても、基本スペックはミドルレンジかそれ以上で、液晶一体型PCとしてはかなりハイスペックな点は魅力の1つになるだろう。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.