PCの地デジ録画をもっとリッチに―「VAIO type L VGC-LT80DB」実力診断壁掛けできる“大型ボードPC”(2/4 ページ)

» 2007年10月16日 15時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

ワイヤレスのキーボードとマウスにも一工夫

22インチワイド液晶は1680×1050ドット表示に対応

 22インチワイド液晶ディスプレイは、表面が光沢処理のクリアブラック液晶(ピュアカラー)を採用している。下位の15.4インチワイドモデルに比べて、低反射処理のARコートがしっかりしているので外光の反射が少なめで、色域もNTSC比で72%程度と広く、画質面での優位性が確保されている。輝度とコントラストも動画コンテンツを手軽に楽しむには十分なレベルにある。液晶パネルの解像度は1680×1050ドット(WSXGA+)で、サイドバーを画面端に配置するWindows Vistaのデスクトップ画面を広く使えるのもポイントだ。

 ただし、搭載されている液晶パネルは視野角で不利なTN方式なので、画面を正面以外から見ると、コントラストと色調が変化しやすい。本体のチルト機構を利用して、画面は常に正面から見るようにするとよいだろう。また、液晶パネルの最大表示色はRGB各色8ビットの約1677万色表示ではなく、疑似フルカラーの約1619万色にとどまる。ちなみに、type Lのリフレッシュレートは一般的な60Hzではなく、日本のTV放送方式(NTSC)に最適な59.94Hzに設定してあり、TV視聴時の画質に配慮されている。

 サウンド面にもこだわっており、前述した最大5ワットのサブウーファーに加えて最大3ワット+3ワットのステレオスピーカーを備えるほか、DSD対応の独自サウンドチップ「Sound Reality」も搭載している。これにより、従来機と比較して、特に低音域の再現性が向上した。また、DSD再生ソフト「DSD Direct Player」、アナログ音源のデジタル録音ソフト「SonicStage Mastering Studio」、12音解析技術によるおまかせ音楽再生ソフト「VAIO MusicBox」など、VAIOならではの音楽関連アプリケーションを豊富にそろえている。

新デザインのキーボードとマウス。リモコンも付属する

 デジタル無線方式によるワイヤレスのキーボードとマウスが付属するのは従来通りだが、これらは新しいデザインのものに変更された。キーボードは外形寸法が454(幅)×128(奥行き)×31(高さ)ミリ、重量が約0.65キロと薄型かつ軽量だ。パームレストにもなるキーボードカバーの機構は排除されたが、キーボードの左側にFeliCaポートとズームボタンを配置したほか、DVD/CDイジェクトボタンや音量調整ボタンも備えており、省スペースながら高機能にまとまっている。

 キートップをフラットに仕上げているのも従来と同じだが、type Ttype Cに見られる長いツメでも引っかかりにくい新デザインを採用した。余裕のあるキーピッチはそのままに、キートップを一回り小さくすることで、隣接するキーとの間隔を広げている。これは誤操作への配慮だろう。キーストロークやタッチはノートPCのそれに近いが、総じて操作性は悪くない。

 付属のワイヤレスマウスは、左右の側面にもボタンを備える5ボタンタイプとなり、ブラウザでの戻る/進むといった操作を容易にしている。バッテリーが切れそうになったら、ホイール部分が赤く点滅するギミック付きだ。マウスに関しては高機能化した半面、本体と比較した場合に質感が少々見劣りするのが気になった。

地上デジ/アナ両対応のTV機能、録画ソフトはスイッチ

 これまでVAIOでは、地上デジタル放送の視聴/録画用にチューナーユニット、ソフトともにピクセラ製を採用してきたが、本機からサイバーリンクの「TV Enhance for VAIO」にスイッチされ、チューナーユニットはバッファロー製に変更されている。地上アナログTVチューナーも搭載しており、こちらは視聴/録画ソフトにWindows Vista Home Premiumの標準機能であるWindows Media Centerをそのまま利用する。

 TV Enhance for VAIOはラテ欄タイプの電子番組表を備え、ここから録画予約やチャンネルの切り替えが可能だ。Blu-ray Disc(BD-REのみ対応)やDVDへのムーブ機能も統合されており、視聴中にリモコンのメニューボタンを押すことで、地デジ対応Blu-ray Discレコーダーとしての機能を利用できる(BD-REへのムーブ機能を使うにはアップデートプロフラムの適用が必要)。メニューなどが10フィートGUIなのに対して、電子番組表のフォントサイズが小さめかつ固定な点は気になるが、PCの利用距離はTVと比較して近いため、大きな問題はないだろう。

TV Enhance for VAIOの電子番組表はラテ欄タイプで、録画予約だけでなくチャンネルの切り替えも行える(写真=左)。Windows Media Centerとデザインのマッチングを意識したような、ブルー基調のシンプルなインタフェースだ。リモコンのメニューボタン押すと起動するメニューから、予約録画から録画番組の再生まで一通りの操作が可能(写真=中央)。リモコンの「便利」ボタンを押すと、頻繁に使いそうな機能をまとめたクイックメニューが利用できる(写真=右)

番組の検索機能は、電子番組表に加えて録画ファイルの検索にも利用できる(写真=左)。ジャンル、キーワードでの検索も可能だ。もちろん、検索結果の一覧から録画予約を行うことも可能だ(写真=中央、右)

 TV Enhance for VAIOはソフトの起動に25〜30秒程度を要するのが少々気になるが、地上デジタル放送用ソフトに関しては、本機以外のPCでも高速で軽快に動くものが見あたらないのが現状だ。操作のレスポンスは、レコーダー専用機と比べて見劣りする部分と言える。ただし、起動後の操作はさほどストレスはなく、チャンネル切り替えに要する時間も3〜4秒程度と遅すぎる印象はなかった。録画した番組の可変速再生は、早送りの場合で1.2/1.4/2倍速までが音声付き、以降も4/8/16/32倍速とステップが細かく設定されている。

 なお、Windows Vista Home Premium標準機能のWindows Media Centerを使ったアナログ放送の視聴および録画の機能については目新しいところがないので、今回は割愛する。

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