Leopardが持つ数多くの新機能のうち、新デスクトップや新Finder、Spacesなどは誰でもすぐに試せるが、中にはすぐに試せない機能もある。その1つめは、画面共有にも対応した新iChatだ。
新iChatでは、ビデオチャットにシアターモードという機能が追加され、iPhotoのスライドショーやQuickTimeムービー、Keynoteのプレゼンテーションを、チャット相手と同時に見ながら、ビデオ会話が楽しめる。QuickTime形式の映像作品を、遠距離に住む友人や恋人と一緒に楽しんだりと、新しいライフスタイルが広がりそうだ。
また、ビデオチャットの映像には、Photo Boothの特殊効果を加えることもできるし、いままであまり紹介されていないが、画面共有というかなり面白い機能も覚えておきたい。この画面共有は、チャットをしている相手のMacの画面を、自分のMacに映し出して、相手が操作している様子を見たり、こちらから相手のMacを遠隔操作をしたりできる機能だ。遠隔操作中も相手と音声によるチャットが続行しているため、アプリケーションの操作方法を教えたり、代わりに作業をしてあげるといった場合に重宝する。
また、相手のPC上にあるファイルを、自分のMacの画面(右下にサムネール表示される)にドラッグしてコピーすることもできる。遠隔地のユーザーの画面と、自分のMacの画面が切り替わる瞬間のトランジションもかなりかっこいい。
ただし、同機能を試すにはLeopardをインストールしている友だちが必要だ。身近にLeopardを買うというMacユーザーの知り合いがいない人は、ぜひとも店頭デモでこの機能のすごさを確認してほしい。
自宅ですぐに確認できない機能の2つめはTime Machine機能。これはご存じのとおり、アップルの自動バックアップ機能だ。
フォルダに最近まで入れておいたはずのファイルが見つからない。こんな時、LeopardユーザーはDockにあるTime Machineのアイコンをクリックする。するとOS画面が宇宙空間に放り出され、同じFinderウィンドウを過去の状態にさかのぼらせることが可能なのだ。そして、過去のある時点まで戻り、目的のファイルを見つけたら、そのファイルを現在のデスクトップにコピーすればいい。
この一連の操作におけるアニメーション効果もなかなかの見物だが、バックアップ用の外付けHDDを用意したうえで、ある程度Leopardを使いこなさないと試すことができないので、デモイベントで確認しておくべきだろう。
なお、このLeopardの目玉機能の1つといえるTime Machineについていくつか質問をしてきたので、その答えをここに紹介しておこう。
まず第1は、Time Machineで外付けのHDDもバックアップできるのかという質問だが、これに対する答えはノーだ。Time Machineは、内蔵HDDのバックアップ専用として機能する。
Air Mac ExtremeにつないだHDDにバックアップできるのかという質問についても、答えはノーで、バックアップ先はMacに直接つないだHDDか、サーバOSの「Mac OS X Server v10.5 Leopard」をインストールしたサーバマシンに接続されているHDDのみが対象になる。
続いてTIme Machine機能のバックアップに必要なHDD容量についても聞いてみたが、実はこれには特にこれといった決まりはない。どうやら、HDDレコーダーのように保存できる容量によって、過去にさかのぼれる期間が変わってくる、つまり容量の小さなHDDでは、古いデータが順次消されていくことになり、戻れる範囲が狭くなるようだ。
ただ、アップルはだいたいの目安として、内蔵HDDと同じくらいの容量のHDDを用意すれば十分と答えている。
なお、内蔵HDDがクラッシュし、フォーマットをしなければならなくなった場合は、LeopardのDVD-ROMからMacを起動し、ここでOSをインストールするのではなく、Time MachineのHDDからデータを復元するオプションを選ぶことでリカバリが可能だ。DVD-ROMからLeopardをインストールしたうえで、バックアップHDDから必要な書類ファイルを復旧してくれる。
Mac OS X Leopardは、Macを新しい時代へと導くOSであり、一度このOSに慣れてしまうと、Tiger以前のバージョンに戻るのはなかなか難しい。発売日にLeopardを買う予定のユーザーは、リリースから2年間親しんできたTigerとの最後の時間もじっくりと楽しんでほしい。
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