冒頭で触れたように、この日の東京はあいにくの天気で、朝から降ったり止んだりが続いている。突発的に土砂降りになったりしてけっこう寒い。そんなタイミングの午後5時過ぎに、アップルから行列の人々に、スターバックスのホットコーヒーがサービスされた。紙コップはいつものスターバックス。これにアップルマークがついてたら家宝なのにね、なんて話も出てた。それは検討してもいいかも。
5時半、ガラスの扉の内側ではスタッフの最後のミーティングが行われている。いや、ミーティングなんだろうが、もうみんなハイになっていて、イェーイだの拍手だのしか聞こえてこない。アップルストア中のスタッフが1階に集結しているのだ。
このあたりで、店の前を通りがかる人も何が行われているのかと気にするようになってくる。「iPodの新しいのが出るんじゃない?」「アップルの新しい携帯電話ってやつじゃないの」なんて声も聞こえるが、「Mac OS X」という声は聞こえてこなかった。うーん。
一方、ガラスの内側ではスタッフがどんどんハイになっていく。「行列がいま200人を超えました!」「いえぃ」という感じ。このあたりから手拍子は断続的に続く。
見てみると、女性スタッフの多くは、どこかに“Leopard柄”のアクセサリをつけている。耳だったり、レッグだったり、ヘアバンドだったり。でも一番気に入ったのは、ピンクのスカーフだ。ちょっと和風の梅柄にも見えるあたりがかわいくておしゃれ。
5時50分。テンションはまだまだ高くなる。撮影スタッフが店内に入っても「いえぃ」だ。まあ、これは練習を兼ねてるのかもしれない。
そして6時ジャスト、いよいよ発売だ。まず先頭の寺本さんが入店。報道関係者からいっせいにストロボがたかれ、ハイタッチで迎えるスタッフ。入り口で記念品のTシャツをもらい、Leopardのパッケージを手に取り、レジに向う。そのあと、ちょっと離れて中学生氏がおばあさまと入場。なんかかっこいいぞ。週明けから中間試験と言っていたが、きっと今頃Leopardをいじってるんだろう。
4人めからは20人くらいずつ、断続的に入店。店の前の通行を妨げないための措置だ。みんなTシャツとパッケージを持ってレジに向う。このTシャツ、フリーサイズではなくサイズがあるのだ。(いちおう)サイズを見て手渡しているとのこと。
最初の勢いが収まると、1階を担当したスタッフ以外は、急いで持ち場に戻っていく。当日の1階はすっかりLeopard仕様になっていて、ふだん1階で売ってるiPodも4階で扱ってるくらいなのだ。
このあと、行列はなかなか収まらない。解禁後に来た人たちが列の後ろにつくので、常に100人くらいの行列があるような感じだ。記者も列が切れたら自分の分を買おうとしているのだが、当分買えそうにない。
さて、19時から3階のシアターでMac OS X 10.5 Leopardのワークショップ(紹介イベント)があるというので、のぞいてみることにした。ところが18時半にはすでに84席が満員。通路にも人が並び出している。結局、前倒しで18時45分くらいに始まったのだけど、後ろには3列くらいの「立見」、通路には2列の「しゃが見」が出るほどのにぎわいだった。
ワークショップを行うのはMac OS X担当プロダクトマネージャーの櫻場浩さんだ。Leopardの数ある新機能のどれを最初に紹介するだろうと期待しながら話を聞いた。
「これが、新しいMac OS X 10.5 Leopardの画面です。見てお分かりのように、きわめてすっきりしています。構成要素が3つしかありません。メニューバーと、Dockと、デスクトップピクチャーとです。Dockを見てもらうと、アイコンが3D表示になって、ちょうど磨き上げた黒いテーブルの上に置いたように、映り込んでいるのが分かるでしょう」
見かけの話から入ってきましたか。
「このように美しさに気を配ることで、あ、こんなことがある、あ、こんな機能があるといった“いい経験”ができるとアップルは考えています。それが、みなさんがMacintoshの前にいる時間をすばらしいものにするわけです」
アップルの考えるLeopardは、そういうOSなのだ。
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