グラフから一目瞭然なのは、GeForce 8800 GTが、同価格帯のGeForce 8800 GTS(320Mバイト)を完全に引き離していることだ。Radeon HD 2000シリーズの最上位モデルであるRadeon HD 2900 XTに対しても、GeForce 8800 GTは多くの局面で優勢だ。3DMark06の個別項目で、Radeonが強いとされていたシェーダ処理テストの「HDR/SM3.0 Score」や「Perlin Noise 」の軽負荷条件においてこそ、Radeon HD 2900 XTが上回るが、3DMark06 HDR/SM3.0 Scoreでは、負荷条件が重くなるとGeForce 8800GTが逆転する状況が見られた。
注目すべきは、GeForce 8800 GTとGeForce 8800 GTXとの比較だろう。先行してベンチマークの記事が掲載された海外のニュースサイトでは、GeForce 8800 GTがGeForcd 8800 GTXを超えているという情報も聞こえてきて、その真偽を含めて多くのユーザーが注目していた。
3DMark06 3DMarksを見る限り、その差はわずかではあるものの、GeForce 8800 GTはGeForce 8800 GTXに追いつけない。「HDR/SM3.0 Score」ではその差が大きく開いている。しかし、「SM2.0 Score」の軽負荷条件と「Perlin Noise」全般で、GeForce 8800 GTがGeForce 8800 GTXを上回るようになる。このあたりの傾向には、「搭載するシェーダユニットの数はGeForce 8800 GTXが多い」「シェーダユニットの動作クロックはGeForce 8800 GTのほうが速い」という関係が少なからず影響を及ぼしている可能性も考えられる。
ゲームベンチの結果でも、その傾向は3DMark06と同様で、同価格帯のGeForce 8800 GTSを大きく引き離しただけでなく、Radeon HD 2900 XTに対しても、大きく差をつけている。PT Boats:Knights of sea benchmark DX10でアンチエイリアスを有効にした条件でのみ、Radeon HD 2900 XTはGeForce 8800 GTを超えることができた。
ここでも、注目したいのはGeForce 8800 GTXとの比較だ。多くのゲームタイトルで、GeForce 8800 GTの結果はGeForce 8800 GTXに届かず、その差が3DMark06のときより開いている場合もあるが、それでもゲームと負荷条件によってはGeForce 8800 GTXをわずかに超える(World in Conflictの低解像度軽負荷条件、高解像度を除いたCrysis)。とくに、最新タイトルであるCrysisで、GeForce 8800 GTXと肩を並べているのは、注目に値するだろう。
その一方で、LOST PLANETやUnreal Tornament 3、PT Boats:Knights of sea benchmarkなどで、解像度や負荷条件がある一定を超えると急激にベンチマークの結果が落ち込むことには注意したい。また、Crysisで、DirectX 9設定における結果とDirectX 10設定における結果が大きく異なることも留意しておきたい。データとしてここで示したのは、Crysisだけだが、ほかのゲームタイトルにおいても、DirectX 9モードと比べてDirectX 10モードでベンチマークの結果が大きく落ち込む傾向が確認されている。
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