ASUSが海外展開する「Eee PC」は、COMPUTEX TAIPEI 2007で“199ドルノートPC”として話題を集めた低価格なミニノートPCだ。発売時の価格は当初の目標より高めの299〜399ドルとなったが、抜群のコストパフォーマンスは揺るがず、米国や台湾で支持を集めている。現時点で日本国内の発売時期は未定だが、2007年10月に海外モデルの詳細が明らかになって以来、その存在が気になっている人も少なくないだろう。
さて、PC USERでは台湾で店頭購入したEee PC(4GバイトSSD/Webカメラ/大容量バッテリー搭載モデル)のレビュー記事を2回に分けてお届けしている。前編では、基本スペックや初期状態での機能、使い勝手について触れた。後編となる今回は、Windows XPをインストールした場合の使用感や性能をチェックしていこう。
まずはおさらいだが、現行のEee PCにはカスタマイズを施したLinuxと各種アプリケーションがプリインストールされている。Eee PCのハードウェアはx86アーキテクチャのノートPCそのものだが、OSにLinuxを採用することで、価格をここまで抑えたというわけだ。ASUSによれば、Windows搭載モデルも2007年内に投入する予定という。
とはいえ、現状でEee PCはすでに「Windows XP Compatible」をうたっており、必要なデバイスドライバ類が付属のDVD-ROMにすべて収録されている。したがって、ユーザーが別途Windows XPのインストールディスクを用意すれば、Windows XPの導入は容易だ。
実際に試したところ、Eee PCはUSB接続の光学ドライブから起動できるため、Windows XPのインストールはあっけないほど簡単に終了してしまった。付属のDVD-ROMに収録されたWindows用のドライバは一部が中文版のようで、プロパティ画面などに文字化けが発生してしまうが、日本語版もしくは英語版のドライバを個別に入手できそうなものばかりなので、大きな問題にはならないだろう。
ちなみに、Windows XPのインストール前にUSB接続のコンボドライブと2.5インチHDDを接続し、バックアップソフトの「Acronis True Image 9.0」を使ってSSDの内容を丸ごとバックアップしてからリストアしたところ、正常に動作した。また、付属のDVD-ROMはISOLINUXで起動可能となっており、プリインストール状態へのリカバリも簡単に行える。今回のように、Eee PCに別のOSを入れてカスタマイズしたいと考えるユーザーにとっては、非常にありがたい仕様だ。
ここではWindows XP Professional(SP2)をインストールしたが、さすがにデフォルトの状態ではセキュリティ面に不安があるので、フリーのアンチウイルスソフト「AVG Anti-Virus Free Edition 7.5」もインストールした。各種ドライバとアンチウイルスソフトを導入した状態でSSDの空き容量は1.4Gバイトほどとなり、SSDの容量が4GバイトでもとりあえずはWindows XPで運用できそうに感じた。
しかし、そこからWindows Updateを適用すると一気に1Gバイト近くディスクを消費してしまい、SSDの残量は少なくなってしまった。Windows Updateにともなうバックアップファイルを削除すれば、ある程度空き容量は元に戻ると思うが、腕に覚えのあるユーザーは、あらかじめ「nLite」などのフリーソフトを使って、不要な機能を削除しつつ、Windows Updateを統合したインストールディスクを作成したうえで、Windows XPのインストールに望んだほうがよさそうだ。
今回は購入時に4GバイトSSDモデルしか選択できなかった(現時点で4GバイトSSDモデルしか出荷されていない模様)が、最初からWindows XPでの運用を目指すならば8GバイトSSDモデルを購入するのが無難といえる。
なお、Eee PCは右側面にSDメモリーカードスロットを搭載している。SDメモリーカードスロットはSDHCにも対応しているようなので、大容量カードを増設用のストレージとして使えば、SSDの容量不足をカバーできるだろう。また、Eee PCのSDメモリーカードスロットはカードの一部がはみ出すことなく、すっぽりと収まるタイプなので、装着したままでの持ち運びも不便を感じない。
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