AMD 7シリーズチップセットとして登場するのは、「AMD 790FX」「AMD 790X」「AMD 770」の3モデルだ。従来のAMD製チップセットからのアップデートとして、PCI Express 2.0とHyperTransport 3.0の導入、4GPU構成によるマルチGPU技術「CrossFireX」のサポートが挙げられる(AMD 790FXとAMD 790X。資料によると、AMD 790FXが4GPU構成に対応し、AMD 790Xは2GPU構成に対応するとされている)。
AMD 7シリーズチップセットは、65ナノメートルプロセスルールを導入することで省電力動作を実現した。AMDの説明では、Intel X38 Expressが26ワット以上必要なところを、AMD 7シリーズチップセットでは、最大で10ワットで済むという。
チップセットを搭載するマザーボードの価格は、AMD 790FX搭載マザーで150〜250ドル、AMD 790X搭載マザーで99ドルから150ドル、AMD 770搭載マザーで70〜100ドルとなる見込み。AMDは、AMD 7シリーズチップセットを搭載したマザーボードの価格は、インテルの競合チップセットを搭載した製品よりも低く抑えられると主張する。
AMDは今後投入を予定しているチップセットの登場時期も明らかにした。それによると、DirectX 10対応グラフィックスコアとUVDを統合した「RS780」(開発コード名)が2008年2月に、RS780と同等のグラフィックスコアを統合したノートPC向けチップセット「RS780M」(開発コード名)が2008年5月に登場する予定だ。
今回発表された、CPUのPhenom、チップセットのAMD 7シリーズ、そして、先に発表されたGPUのRadeon HD 3800シリーズで構成されるのが、AMDが新しく立ち上げる「Spider」プラットフォームだ。競合するプラットフォームに対するSpiderのアドバンテージとしてAMDは「L3キャッシュを実装するクアッドコアCPU」「帯域16Gバイトを実現するHyperTransport 3.0」「DirectX 10.1のサポート」「PCI Express 2.0の導入」「HDCPに対応し、HD-DVDとBlu-ray Discコンテンツで高解像度再生が可能なUVDの実装」「パフォーマンスアクセラレーションを実現するツール“AMD OverDrive”への対応」を挙げている。
AMD OverDriveはSpiderプラットフォームを構成するシステムの情報をリアルタイムで取得し、ユーザーが設定したオーバークロックモードにあわせてチューニング設定を自動で行えるユーティリティだ。初心者でもスライダー1つでシステムのパフォーマンスを設定できる「Novice Mode」や、CPUやメモリ、HyperTransport、メモリバスやPCI Expressごとに動作クロックや駆動電圧を個別に設定できる「Advance Mode」を持つほかに、システムの構成パーツを分析して、自動で設定をチューニングする「Auto Clock」モードも用意される。
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