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» 2007年12月06日 16時00分 UPDATE

CPUはデュアルコア化:“水漏れ”と“ひっかき”まで考慮した超軽量ノート――「VAIO type G VGN-G2KAN」検証 (1/2)

生誕から1年を迎えたソニーの超軽量モバイルノートPC「VAIO type G」。新モデルはCPUが待望のデュアルコアに進化し、ボディはより頑丈になった。

[鈴木雅暢,ITmedia]

防滴&ひっかき試験もクリアした優秀な堅牢性

tm0711typeg01.jpg 「VAIO type G VGN-G2KAN」

 ソニーが昨年ビジネス市場に投入した超軽量モバイルノートPC「VAIO type G」の新モデルが登場した。この新モデルでは従来モデルの基本設計をほぼ継承しつつ、ウリであった堅牢性をさらに高め、CPUをシングルコアからデュアルコアに強化している。今回は、HDDとDVDスーパーマルチドライブを搭載した2スピンドル構成の店頭モデル「VGN-G2KAN」を取り上げる。

 VAIO type Gは、軽さ、堅牢性、スタミナ(長時間のバッテリー駆動時間)というモバイルノートPCに求められる3つの要素に徹底してフォーカスして設計されたモデルだ。軽さと堅牢性という相反する要素を両立するために、「G-BODY」と呼ばれるマルチカーボン構造を採用している。

 マグネシウム合金と比較して約30%軽量にもかかわらず、約200%の強度を誇るという「マルチレイヤーカーボンファイバー」(カーボンファイバー積層板)を天面と底面に、パームレスト部などに「カーボンモールド」(カーボンファイバー強化プラスチック)を使い、ボディのほぼ全面をカーボン素材で構成しているのが特徴だ。

 さらに、液晶パネル、HDDの保護にも独自の工夫を凝らしており、その結果、先代機は約1.1キロ(2スピンドル構成時)のボディながら、平面加圧振動試験で120kgf、PC動作時の落下試験で72センチ(非動作時90センチ)といった耐久性試験をクリアする高度な堅牢性を備えるに至った。

 今回のモデルでは、さらに改良を加え、重量はほぼ据え置き(約19グラム増)のまま、その堅牢性をさらにアップさせている。従来行なっていた平面加圧振動試験のレベルを150kgfに引き上げたほか、キーボード部に水をこぼしてしまった場合を想定し、新たにボディ前面下部に排水口を設けて水を逃がす仕組みを採用した。その確認のため、水200CC(コップ約1杯分)の防滴試験を追加している。

tm0711typeg02.jpgtm0711typeg03.jpgtm0711typeg04.jpg 平面加圧振動試験の様子(写真=左)。キーボード面は防滴仕様になった(写真=中央)。キーボード面にこぼれた液体がボディ内部に入り込まないように、各所にシールドが設けられている(写真=右)

 さらに、液晶ディスプレイの表面には、ひっかきや摩擦による細かい傷などをつきにくくするハードコーティング処理を施した。この耐摩耗性の確認のため、500グラムの加重をかけた5Hの鉛筆で液晶面を擦る「鉛筆ひっかき試験」を実施している。

 これら耐久試験の結果は保証されるわけではなく、「ユーザーが同じことをしても壊れないこと」を約束するものではないが、堅牢性の目安として試験内容や数値が公表されていることは心強いし、その内容がレベルアップしたことは素直に歓迎してよいだろう。

デュアルコアのCore 2 Duoで処理能力を大幅アップ

tm0711typeg05.jpg Windowsエクスペリエンスインデックスの結果

 CPUはシングルコアのCore Solo U1400(1.2GHz)から、デュアルコアのCore 2 Duo U7600(1.2GHz)へと変更された。これにより、Windowsエクスペリエンスインデックスの「プロセッサ」サブスコアは、従来モデルの2.7から4.4に跳ね上がっている。Core 2 Duoの採用は、プリインストールされているWindows Vista Businessを使ううえで非常に効果的に働く。

 デュアルコアCPUは、CPUのコア(命令を解釈して計算する部分)を2つ内蔵するため、複数のコアで同時処理することに最適化されたマルチコア(マルチスレッド)対応アプリケーションでの性能が大幅に向上しているほか、複数のアプリケーションが同時に処理を行なうマルチタスク環境での快適性がアップしているのだ。

 Windows VistaではOS本体にバックグラウンドで動作するアプリケーションが多く内蔵されているため、見た目には1つのアプリケーションしか起動していなくとも実質的にマルチタスクとなっていることが多く、Webブラウズやワープロなど日常的に利用するちょっとした作業においても、シングルコアCPUとデュアルコアCPUでは快適性に大きな差が出る。

tm0711typeg06.jpg 店頭モデルは右側面にDVDスーパーマルチドライブを配置

 CPU以外のハードウェアは、前モデルからほぼ継承しており、1Gバイト(最大1.5Gバイト)のPC2-5300 SO-DIMMメモリ、80Gバイト/4200rpmの1.8インチHDDを搭載している。グラフィックス機能はIntel 945GMS Expressチップセット内蔵のグラフィックスコア(Intel GMA950)を利用する。本格的な3Dゲーム用途には能力不足であるが、VistaのWindows Aeroを動作させるには問題ない。

 光学ドライブは右側面にDVDスーパーマルチドライブを標準で内蔵している。従来はDVDスーパードライブを内蔵しない1スピンドルモデルも店頭モデルとして販売されていたが、今回は用意されていない。同社の直販サイトであるソニースタイルのVAIOオーナーメードモデルで光学ドライブの非搭載を選択することは可能だ。

 ちなみに、VAIOオーナーメードモデルではHDDの代わりに最大64Gバイトのフラッシュメモリドライブ(SSD)も選択が可能で、ゼロスピンドル構成のモバイルノートPCとすることもできる。

“驚きの軽さ”とフラットなボディは健在

tm0711typeg07.jpg 液晶ディスプレイ部分は非常に薄いが、VAIOのルミナスロゴは実現している

 ボディのデザインは前モデルからそのまま継承しており、店頭モデルの液晶フレームのカラーがシルバーからブラックに変更された以外、見た目には変化はない。ビジネスユースを意識した製品のためか派手さはないが、フラットで上品なフォルムはさすがにソニー製品らしい洗練された仕上がりで、VAIOロゴのミラー処理も効果的だ。

 重量は、HDD、DVDスーパードライブを内蔵した店頭モデルの構成で約1.143キロと先代機よりもわずか(約19グラム)に重くなっているが、持ち比べても分からない程度だ。従来機と同様、一般的なノートPCの重さの感覚が残っていると、持った時のあまりの軽さに驚くだろう。ACアダプターも手のひらに収まるほど小さく、ケーブルを含めて約210グラムと非常に軽量なので、本体と一緒に持ち運ぶのも苦にならない。

 インタフェースの種類と構成も前モデルと共通だ。メモリースティックPROスロットとSDメモリーカードスロット(SDHC対応)、そしてサウンドコネクタを前面に装備し、左側面にはTypeII×1のPCカードスロットと1000BASE-T対応の有線LAN、右側面にDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブとFAXモデム、アナログRGB出力を備える。2基のUSB 2.0ポートは左右の奥に1つずつ用意されている。

 また、通信機能としては、有線LANのほか、IEEE802.11a/g/b準拠の無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR準拠のBluetoothも搭載している。このクラスのモバイルノートPCとしては標準的な装備で、配置にも難点は見られず、比較的使いやすいレイアウトだ。

tm0711typeg08.jpgtm0711typeg09.jpg 液晶ディスプレイ部はラッチレス構造を採用している。前面にはメモリカードスロット、サウンドコネクタを配置(写真=左)。バッテリーパックは背面に装着する仕組みだ(写真=右)

tm0711typeg10.jpgtm0711typeg11.jpg 本体部分を底面に向けて斜めにカットすることで、薄さを強調するデザインになっている。左側面には、USB 2.0と有線LANのポート、PCカードスロット、排気口が並ぶ(写真=左)。右側面には光学ドライブのほか、FAXモデム、アナログRGB出力、USB 2.0のポートが配置されている(写真=右)

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