弟はオールマイティーなイケメン──デル「XPS 420」を動かす(2/2 ページ)

» 2007年12月07日 12時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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エントリークアッドコアCPUとハイエンドGPUが発揮する3Dゲームパフォーマンス

 見た目はオシャレなXPS 420だが、XPSの看板を掲げる以上、やはりパフォーマンスはガンガンいってほしい。デルの構想としては、「幅広いエンターテイメントをパワフルに楽しめる」ことをXPS 420に期待しているようだが、せっかく評価機に、GeForce 8800 GTXという、最高峰のGPUが搭載されていたので、ここは、エントリークラスのクアッドコアCPUとハイエンドGPUがたたき出すパフォーマンスを市販ゲームを用いたベンチマークで見てみることにしたい。

 ただし、ここで1つ注意しておかなければならないことがある。最近のゲームでは、ForceWareのバージョンによってその性能が大きく異なってくる。そのため、3D性能を重視するユーザーは、ForceWareを頻繁にバージョンアップしていく必要がある。しかし、メーカー製PCの常に違わず、XPS 420もユーザーによるドライバアップデートはサポート対象外となる。

 そこで、問題となるのが、製品版に適用されているForceWareのバージョンであるが、XPS 420(実は、XPS 420に限らず、デルのGeForce搭載モデルのすべてが)には、ForceWare 「100.69」が適用されている。2007年3月27日にリリースされた、ForceWareのアップデート頻度からすればかなり古い世代で、時期的には「GeForce 8800シリーズのリリース後」「GeForce 8600シリーズリリース前」となる。

 最新のゲームタイトルを楽しみたいユーザーからすれば、もう少し新しいForceWareをデルのサイトにアップしてほしいところだが(ドライバダウンロード画面では、NVIDIAの最新ForceWareへのリンクも用意されているが、“このドライバを適用したらサポートしないからね”と警告が記載されている)、デルの説明によると「検証に時間がかかるので」ということで、しばらくはアップデートされる予定がないそうだ。評価機に適用されていたForceWareは「158.16」と、これは製品版と同じでなければ、最新のバージョンでもなかった。しかし、今回はこのバージョンでベンチマークを測定しているので、ご了承いただきたい。

XPS420(1600×1200ドット、nonAA、nonAniso) XPS420(1600×1200ドット、4XAA、8XAniso) XPS420(1920×1200ドット、nonAA、nonAniso) XPS420(1920×1200ドット、4XAA、8XAniso) XPS420(2560×1600ドット、nonAA、nonAniso) XPS420(2560×1600ドット、4XAA、8XAniso)
3DMark06:3DMark Score 10084 7797 9427 7093 7260 4906
3DMark06:SM2.0 Score 4286 3338 4012 3006 3063 2006
3DMark06:HDR/SM3.0 Score 4010 2788 3636 2483 2566 1639

XPS420(1600×1200ドット、nonAA、DX9) XPS420(1600×1200ドット、nonAA、DX10) XPS420(1920×1200ドット、nonAA、DX9) XPS420(1920×1200ドット、nonAA、DX10) XPS420(2560×1600ドット、nonAA、DX9) XPS420(2560×1600ドット、nonAA、DX10)
World in Conflict Demo 34 30 33 28 28 20

XPS420(1600×1200ドット) XPS420(1920×1200ドット) XPS420(2560×1600ドット)
Unreal Tornament 3 (vCTF-Suspense FlyThrough-PC) 104.83 82.98 53.35
Unreal Tornament 3 (DM-ShangriLa-FPS-PC) 76.87 64.91 46.5

XPS420(1600×1200ドット、nonAA、Medium) XPS420(1600×1200ドット、nonAA、High) XPS420(1920×1200ドット、nonAA、Medium) XPS420(1920×1200ドット、nonAA、High) XPS420(2560×1600ドット、nonAA、Medium) XPS420(2560×1600ドット、nonAA、High)
PT Boats:Knights of sea benchmark DX10 43.5 38.5 39.9 35 28.5 25.3

XPS420(1600×1200ドット、4XAA、8XAniso) XPS420(1600×1200ドット、8XAA、16XAniso) XPS420(1920×1200ドット、4XAA、8XAniso) XPS420(1920×1200ドット、8XAA、16XAniso) XPS420(2560×1600ドット、4XAA、8XAniso) XPS420(2560×1600ドット、8XAA、16XAniso)
Enemy Territory QUAKE Wars 67.4 51.6 60 44.1 40.4 24.8

XPS420(1600×1200ドット、nonAA、DX9) XPS420(1600×1200ドット、nonAA、DX10) XPS420(1920×1200ドット、nonAA、DX9) XPS420(1920×1200ドット、nonAA、DX10) XPS420(2560×1600ドット、nonAA、DX9) XPS420(2560×1600ドット、nonAA、DX10)
Crysis Single Play Demo GPU_Benchmark 17.75 9.79 14.99 8.32 8.89 4.76


 “イマイタ”のGPUレビューで紹介しているような、「ハイエンドCPU+ハイエンドGPU」のベンチマークテストの結果と比べると、絶対値としてはかなわぬものの、それでも、評価機環境では、GeForce 8800 GTXのおかげで最新のDirectX 10世代のゲームタイトルを楽しむだけのパフォーマンスを発揮できている。もし、ゲームで楽しむ機会が多いならば、CPUはエントリークラスのクアッドコアを選ぶより、動作クロックが速いCore 2 Duo E6850を組み合わせたほうがいいだろう。

 PC筐体のフロントパネルデザインや、天面に配置されたチャージ・ステーション、そして、ミニ・ビューなど、XPS 420はPCとしてのパフォーマンスとともに、こうしたギミックに反応するユーザーもターゲットにした、かなり欲張りなコンセプトを持ったデスクトップPCといえる。ミニ・ビューは利用環境(特にアプリケーション)の整備待ち、チャージ・ステーションも電源供給ラインにもうひと工夫、とそれぞれ現時点では評価をしにくい状況ではあるが、「現実的な予算と現実的なサイズで、ハイパフォーマンスで面白そうなデスクトップPCがないかな」というユーザーには、まさにぴったりと当てはまるのが、このXPS 420ではないだろうか。

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